メリー、「閉ざされた楽園」リリース大特集 INTERVIEW
MERRY INTERVIEW
《後編》
自分らの意志で自信をもって立つ横浜文化体育館と
「閉ざされた楽園」の奥底に流れる想い
お待たせしました! インタビュー後半戦で5人が語ってくれたのは、徐々に迫ってきつつある<Many Merry Days FINAL>と、「閉ざされた楽園」という名曲の根底にある“真意”について。なんだか今回のメリーは、発言の重みすらもこれまでとはちょっと違うぞ。

ガラ:そうですね。ただ、すでに決まったものではあるけど、あくまで文体でのライヴは通過点でしかないし。毎日毎日、1本1本のライヴで“ベスト・オブ・メリー”を体現し続けていければ、自信をもって立てるはずの場所だと思うんですよ。誰かに立たされるんじゃなく、自分たちの意志で、自信をもって立つ場所だとしか考えてないから。

結生:今回のツアーでは、この曲で自分たちがどこまで行けるのか、というのを楽しみにしてるんですよ。メリーのお客さんはすごく素直で、自分たちがちゃんと発信できてさえいれば、ちゃんと同じだけ返してくれる。受け止めるだけじゃなくて、全身で返してくれる。逆に俺らが発信できてないとお客さんも乗ってこないんで。

テツ:お客さんはバンドの鏡だと思うんです。で、実際、この新曲を自分たちなりの思いでぶつけてみて、それに対する反応を見たとき、“間違ってなかったんだな”と思えましたね。戸惑いとか迷いみたいなものを、自分たちからも感じないし、お客さんからも感じない。メンバーにもそれがないからこそ、みんな素直に反応できるんだと思う。

ネロ:「閉ざされた楽園」にも「Midnight Shangrila」にも、ステージの最後方から見てて、カッコいいなと思える瞬間がたくさんあるんですよ。“今、この場面を撮影したら最高にカッコいいんだろうな”と思えるような瞬間が。それから、今回のシングルに入ってるカップリング曲についても、これから披露していくことになるわけですけど……。「喜劇のタブー」はちょっと難易度の高い曲でもあるんで、気合を入れていかないと。

健一:うん。場面場面でノリが変わっていく曲なんで。でも、そういうことに必要以上にとらわれずに、あくまで“攻め”の姿勢で自分たちを表現していきたいですね。

ネロ:で、「ト・ロ・ケ・テ・ル」は……コーラス頑張ります!(笑)

ガラ:単純に突き抜けるような感触の曲じゃなく、包み込むような感じも伴ってるということですね。だからやっぱり、“閉ざされてる”ということなのかもしれない。でも、今回のシングルに入ってる3曲を踏まえたうえで、自分でも改めて感じてるのは、メリーというのは強引に垢抜けようとしたり、無理矢理“向こう側”に行こうとしなくていいはずのバンドだということで。

ガラ:ええ。だからこの曲では「限りあるかぎり」と歌ってるんです。閉ざされていても構わない。その、閉ざされたキャパシティを広げていければいい。目黒鹿鳴館も横浜文化体育館も、閉ざされた空間であることには変わりないわけですよ。でも、自分たちがみんなと共有できる“楽園”を、そうやって広げていければいい。たとえば逆に、世の中の誰もが「ロック・バンドならメリーが好き」みたいなことになってしまったら、メリーはメリーじゃなくなってしまうと思う。俺ら自身がカッコいいと思うことを信じてやれていれば、その楽園が閉ざされててもいいんじゃないかと思うんですよ。

ガラ:まさに。全員に好きって言われちゃったら……それはそれで悪くはないかもしれないけど、ちょっと違うなと思うんです。同時に、この閉ざされた世界に来てくれる人たちにとっては、自分たちが常にNo.1の楽園じゃなきゃいけない。そういう意識はありますね。ボニー&クライドが主人公の映画の邦題は、『俺たちに明日はない』じゃないですか。結局それは、“明日がない”ってことじゃなく、“だからこそ常に一瞬一瞬を大切に生きていきたい”ってことを言ってるんだと思うんです。今、自分たちが感じてるのも、まさにそういうことなんで。







