メリー、「閉ざされた楽園」リリース大特集 INTERVIEW

2008.04.14 00:00

Share

MERRY INTERVIEW

《後編》
自分らの意志で自信をもって立つ横浜文化体育館と
「閉ざされた楽園」の奥底に流れる想い

お待たせしました! インタビュー後半戦で5人が語ってくれたのは、徐々に迫ってきつつある<Many Merry Days FINAL>と、「閉ざされた楽園」という名曲の根底にある“真意”について。なんだか今回のメリーは、発言の重みすらもこれまでとはちょっと違うぞ。

――さて、5月3日には<Many Merry Days FINAL>として横浜文化体育館公演(以下、文体)が設定されているわけですけど、着地点が近付きつつある実感は強まってきていますか?

ガラ:そうですね。ただ、すでに決まったものではあるけど、あくまで文体でのライヴは通過点でしかないし。毎日毎日、1本1本のライヴで“ベスト・オブ・メリー”を体現し続けていければ、自信をもって立てるはずの場所だと思うんですよ。誰かに立たされるんじゃなく、自分たちの意志で、自信をもって立つ場所だとしか考えてないから。

――心強い言葉ですね。で、この「閉ざされた楽園」のシングルは、すでにライヴに不可欠な曲として浸透しつつあるなかで発売を迎えることになるわけですが。

結生:今回のツアーでは、この曲で自分たちがどこまで行けるのか、というのを楽しみにしてるんですよ。メリーのお客さんはすごく素直で、自分たちがちゃんと発信できてさえいれば、ちゃんと同じだけ返してくれる。受け止めるだけじゃなくて、全身で返してくれる。逆に俺らが発信できてないとお客さんも乗ってこないんで。


テツ:お客さんはバンドの鏡だと思うんです。で、実際、この新曲を自分たちなりの思いでぶつけてみて、それに対する反応を見たとき、“間違ってなかったんだな”と思えましたね。戸惑いとか迷いみたいなものを、自分たちからも感じないし、お客さんからも感じない。メンバーにもそれがないからこそ、みんな素直に反応できるんだと思う。


ネロ:「閉ざされた楽園」にも「Midnight Shangrila」にも、ステージの最後方から見てて、カッコいいなと思える瞬間がたくさんあるんですよ。“今、この場面を撮影したら最高にカッコいいんだろうな”と思えるような瞬間が。それから、今回のシングルに入ってるカップリング曲についても、これから披露していくことになるわけですけど……。「喜劇のタブー」はちょっと難易度の高い曲でもあるんで、気合を入れていかないと。


健一:うん。場面場面でノリが変わっていく曲なんで。でも、そういうことに必要以上にとらわれずに、あくまで“攻め”の姿勢で自分たちを表現していきたいですね。


ネロ:で、「ト・ロ・ケ・テ・ル」は……コーラス頑張ります!(笑)

――この曲には全員の声が入ってますもんね。これまでのメリーのライヴにはなかった風景が観られることになるはずだし、楽しみにしています。最後にガラ君、改めて「閉ざされた楽園」について。この曲をライヴで歌ってみて、どんなことを感じました?

ガラ:単純に突き抜けるような感触の曲じゃなく、包み込むような感じも伴ってるということですね。だからやっぱり、“閉ざされてる”ということなのかもしれない。でも、今回のシングルに入ってる3曲を踏まえたうえで、自分でも改めて感じてるのは、メリーというのは強引に垢抜けようとしたり、無理矢理“向こう側”に行こうとしなくていいはずのバンドだということで。

――壁は、限界は、あっても構わないものだ、と?

ガラ:ええ。だからこの曲では「限りあるかぎり」と歌ってるんです。閉ざされていても構わない。その、閉ざされたキャパシティを広げていければいい。目黒鹿鳴館も横浜文化体育館も、閉ざされた空間であることには変わりないわけですよ。でも、自分たちがみんなと共有できる“楽園”を、そうやって広げていければいい。たとえば逆に、世の中の誰もが「ロック・バンドならメリーが好き」みたいなことになってしまったら、メリーはメリーじゃなくなってしまうと思う。俺ら自身がカッコいいと思うことを信じてやれていれば、その楽園が閉ざされててもいいんじゃないかと思うんですよ。

――なんか珍しく深い発言ですねー(笑)。この曲の歌詞では、“ボニー&クライド”がモチーフにされているじゃないですか。犯罪者でありつつも英雄視されたこの2人に、そんな思いを重ねているわけですね?

ガラ:まさに。全員に好きって言われちゃったら……それはそれで悪くはないかもしれないけど、ちょっと違うなと思うんです。同時に、この閉ざされた世界に来てくれる人たちにとっては、自分たちが常にNo.1の楽園じゃなきゃいけない。そういう意識はありますね。ボニー&クライドが主人公の映画の邦題は、『俺たちに明日はない』じゃないですか。結局それは、“明日がない”ってことじゃなく、“だからこそ常に一瞬一瞬を大切に生きていきたい”ってことを言ってるんだと思うんです。今、自分たちが感じてるのも、まさにそういうことなんで。

取材・文●増田勇一

2 / 2
続きを読む

Related Tags関連タグ