【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.166「活動再開、来日公演が決定したBlind Channel」

今年8月初め、活動休止中だったBlind Channelからニューアルバム『Painstream』10月30日リリースのニュースと共に先行シングルとして「Diana」と「No Encores in a Swan Song」の2曲が一度にリリースになった。

彼らは2021年ユーロビジョンのフィンランド代表に選ばれた後人気が大爆発!2024年6月には待望の初来日公演も実現。ところがその2024年10月にバンドは無期限の活動休止を発表。翌年4月ツインヴォーカルの一人だったヨエル・ホッカの脱退を発表した。その後特にニュースもなく時が流れ、今年の夏の終わりに届いた活動再開のニュースはフィンランドのあちこちのメディアで大きく取り上げられた。SNSの反応を見ると、彼らのファンも大喜びで彼らの活動再開を暖かく迎え入れたのが伝わってきた。
このニューアルバムに伴う「Painstreamツアー」が発表になり、11月14日ヘルシンキのアイスホール公演の後にはなんと来日公演も発表になった。今回は東京、大阪の2公演に加えて東京のタワーレコード渋谷店でサイン会も予定されている。
ヴォーカルのニコ・モイラネンがニューアルバムについて、前回の来日の思い出、このあとの来日公演にむけての意気込みなどインタビューに応じてくれた。
──Blind Channel 活動再開で10月30日にニューアルバム『Painstream』がリリースになりますね。今の気持ちは?そしてこの復活に向けてどのような準備をしましたか?
ニコ:今現在気分はとってもいい。活動再開はとても素晴らしい。長いブレイクになったけど、活動休止は必要だったんだ。その理由は音楽的なことだった。ライブ活動から、公共の場からも退いて、音楽と一緒にいて、それはとっても重要なことだった。そして新しい方向を見つけ出した。自分の中に新たなモチベーションや、やっていくことに対して新たな価値観の基盤になるものも見つけ出した。そういう中から見つけ出し休止中に作り上げた音楽にワクワクしている。それをついに発表することができるのは素晴らしい。シングルの反応はとてもよくて、俺達とっても満足している。このニューアルバムでみんなに願うのは考えてみること。俺たちが自分達で聴くのと同じようにみんなにも聴いてもらえるか、俺たちが表現したことをちゃんと聴いて考えてもらえるか気になったが、皆のフィードバックをみたらそれらをちゃんと見つけてくれたようで成功した。このニューアルバムで活動再開することは素晴らしく感じる。アルバム全体を聴いてもらったら、その後ライブも待ち受けている。最後のライブからは2年近く経っているから、またステージに戻れることはすべてに栄冠を与えるようですごく楽しみだ。
──このニューアルバムからまず最初に2曲のシングル「Diana」と「No Encores in a Swan Song」が同時にリリースになり、「Diana」はこれまでの曲と比べるとかなりヘヴィに聴こえ、もう一つの曲「No Encores in a Swan Song」はこれまでのBlind Channelに聴こえますが、なぜサウンドが違う2曲を一度にリリースしたのですか?
ニコ:それには理由がいくつかあって、一つ目はレコード会社からニューアルバムから先行シングルを3曲だすと言われたものの、俺たちは4曲だしたかったという単純な理由。2つ目の理由は20ヶ月ほど活動がなかった分、ファンに1曲以上を提供したかった。ほんとはアルバムの曲すべてを聴いてもらいたかったけどそれはできなかったので、1曲以上をリリースすることにした。そしてなぜこの2曲なのかにも2つの理由がある。ニューアルバムのサウンドを具体的に紹介している。「Diana」の新しいヘヴィなサウンドと「No Encores in a Swan Song」では俺たちはこれまでと同じバンドで、別のバンドではないというコンボになっている。それからこの2曲は2025年の夏に最初に出来上がった曲で、1曲ができた次の日に続いて別の1曲ができたこともあり、この2曲を先頭にアルバムの曲を作った。俺たちにニューアルバムの第一印象を与えた曲であり、リスナーにもニューアルバムはこういうサウンドだって第一印象を与えたかった。
──その後第3弾シングル「Stars We See」と第4弾シングル「Into The Void (feat. Aaron Pauley of Of Mice & Men)」がリリースになり、サウンドがこれまでよりもヘヴィになったように感じます。この進んでいく方向は活動休止中に決まったのですか?それとも、その前にすでにこういう方向に進んでいきたいという考えがあったのですか?それとヨエル脱退が次のアルバムのサウンドに影響したとかはありますか?彼の新バンドHOKKAのサウンドはあなた達のニューシングルとはかなり違って聴こえます。
ニコ:ヘヴィなサウンドは決めていたわけではなく、かといって活動休止中に見つけたわけでもないと信じてる。それは俺たちの中に以前から潜んでたんだ。自分の中では俺たちはヘヴィなバンドだと考えていた。価値の基準をヘヴィにリセットしたんだ。そしてこれまでそうありたかったことに勇気を持つことができた。面白いことに「Diana」の曲を書いてる時、それはヘヴィな曲で、メンバーみんなもっとヘヴィな曲が作りたかったことがわかった。ヘヴィな曲が作りたかったというと、俺も作りたかった。俺もって!メンバーみんなから声が上がって、突然俺たちみんなもっとヘヴィな曲を作りたかったことがわかったんだ。それまでは他のメンバーはもうちょっと軽いサウンドが好きだと皆思いこんでた。それで、他のメンバーが好きだと思いこんでたサウンドにお互い合わせていたんだよ。で、話し合った結果、メンバーみなヘヴィな路線に進みたいことがわかった。今後もこの路線で進んでいくと信じてる。これまでは閉ざされた部屋の中に閉じこもっていた感じだけど、そこから飛び出る勇気がでた。ヨエルの脱退がどのくらい影響したかは何とも言えない。ヨエルの側にたって話すことはできないけど、少なくても俺達5人の進んでいく路線は明確になって、この路線で進んでいくことは確かだ。
──「Into The Void 」ではOf Mice & Menのヴォーカル、アーロン・ポーリーがFeat.になってますが、どうやって彼とコラボすることになったのですか?
ニコ:アーロンにはアメリカの同じフェスに出演した時2度会ったことがあって、当時俺もアーロンも髪が長くて兄弟みたいだって、一緒に写真撮ったりして冗談を言い合ったりしてたんだけど、話してみたらとってもフレンドリーで技量のあるいいやつで知り合いになったんだ。それからずいぶんたって、ニューアルバムに収録される12曲がきまったとき、すべての曲のデモを聴いてて「Into The Void 」に何かが欠けてるように思った。惑星の運命について書いた壮大な曲で、俺たちは独りぼっちなのかって問いかけるこの曲には、誰か俺の他にも声が必要じゃないかって。この曲のヴォーカルパートは多様で、高音もあればスクリーミングもある。こういう多様なヴォーカルを誰がこなせるか?ってなって、誰かがアーロンならできるんじゃないかといったんだ。それで彼に曲を送ったら、この曲を気に入ってくれたんだ。それでこの曲に参加しないかって聞いたら、彼がのってくれて実現したんだよ。
──このアルバムタイトルの『Painstream』はどこから来たのですか?
ニコ:このアルバムタイトルは冗談から生まれたんだ。スマホにずいぶん前からメモしてあった言葉なんだ。特にフィンランドでBlind Channelは正統なメタルバンドでもロックバンドでもないって言われてた時期があって、俺たちはメインストリームじゃなくてペインストリームだって言ってたんだが、その言葉が面白くてもう何年も前にメモしてあった。ニューアルバム用に12曲を選んだら、ほぼすべての曲がなんらかのペイン(苦しみ/痛み)について書かれてて、ペインがアルバムの潜在的なテーマで、メモの中にこの言葉がないか探索してみたら出てきたのがペインストリームだったんだ。それで考えてみた。曲を作ることは俺たちにとってはセラピーみたいなもので、自分の苦しみや痛みを曲にして吐きだす。曲を作ることはペインストリーマーと言えるかな?そしてそれをライブで披露する。苦しみを抱えてる人達が自分の好きなバンドの曲を聴いたり、ライブに行ったりして気持ちが軽くなったりあるかな?そういうことをすべてまとめてペインストリームって呼べるかな?とか、もともとは冗談から生まれた言葉だけど、深い意味があるように感じた。それでそれを追ってみることにしたんだ。ペインというのは万国共通の感情で、人は皆何らかのペインを感じるはずで、アルバムの中にそれがつまっている。そのペインが俺たちを結束させることができるかな?って思った。
──ニューアルバムはどういうアルバムか話してもらえますか?
ニコ:ニューアルバムは部分的にヘヴィで、これまで以上に野心的であり、俺たちが初めからそうだったように大胆にジャンルを混ぜ合わせ、今回はこれまでよりヘヴィになった。部分的にすごく暗くて、明るい曲はあまりないが、希望を感じるトーンもある。キャラクター的にはとても考え深い。曲はいろんなことを問いかけ、それに返事を返すことができる。
──ではアルバムの中に個人的な曲はありますか?
ニコ:いろんな別々の意味ですべての曲が個人的といえる。ただ活動休止中に曲を書いてて、それは俺達の個人的なことを歌うのではなく、俺たちのまわりで見かけることに変化してきた。周辺の世界を見まわして、その中から話題を取り上げてみたり、同時に俺たちがそれをどう解釈するとか、その俺たちの考えが個人的なものとも言える。問題の本質に迫り、非常に個人的な視点から物事を語ろうとすると、アルバムには非常に大きな問いが込められているように感じる。神々についてとか、惑星について、星について、社会の構造についてとか。ただあまり抽象的になりすぎないように、個人的な要素も何か取り入れる必要があると思った。「Me Versus Me」って曲に始まって「Scapegoat」「Villain In Your Story」はとても個人的な曲で、リスナーの前でもろく壊れやすい俺たちをさらけだしている。
──活動休止は曲作りに影響しましたか?アルバム収録曲はすべて新たに出来上がった曲ですか?それとも昔の曲もありますか?
ニコ:影響は大きくあった。中でも一番大きな影響は充分な時間がとれたってことだ。必要なだけ時間がとれて、決まったデッドラインがなかった。例えデッドラインが5年後とか10年後であっても、アルバムはうまくいかなかっただろう。重要だったのはデッドラインは設けなかった事だ。アルバムを作るそれぞれの工程で必要なだけ時間がとれた。なので落ち着いてアルバムを作ることができた。その中で新たなトーンが見つかり、自分にとってもこの音楽がとっても重要なものに感じた。急ぐ必要もなく、プレッシャーもなく、メンバー皆のそれぞれの意見を聞いて作り上げることができた。ゆっくり座ってそれぞれの曲を聴いて、その曲がどういう風に自分自身の曲に感じとれるかを考えてみたりできたんだ。昔のアイデア、一部パートとかリフとか活動休止前に浮かんでいたものももちろんあったけど、すべての曲全体は休止中に作り上げた。自分の曲作りは休止中に行ったよ。
──以前はツインヴォーカルでしたが、ヨエル脱退の後、すぐにヴォーカルは1人で行こうと決めたのですか? それとも代わりのヴォーカルを探してみたりはしたのですか?
ニコ:もう一人のヴォーカルは積極的には探してなかった。かといってノーってわけでもなかった。もし俺たちに合ういいヴォーカルが見つかったら、ノーって言う必要もなく両手を広げて迎え入れようって考えもあった。同時にバンドの初期2013年から他のメンバーにもマイクは与えられていた。例えばヨーナス、後で加入したアレキシもそうだし、ベースのオッリにもマイクはある。バンドにいたら歌うことは普通だし、これまで通り続けようってことになった。メインヴォーカルは俺で、他にヴォーカルが必要なパートはメンバーの誰かが歌う。それでうまくいくと信じている。バンドメンバーのケミストリー、ダイナミズムはとっても深く形成されていて、新しいメンバーがそこに入るには難しい面もあるかもしれない。でももし突然ぴったりのヴォーカルが現れれば、ノーとは言わないよ。スタジオライブ映像が公開になり、新曲の他にヨエルがバンドにいた時の曲「Deadzone」も披露していて、ヨーナスがヨエルのパート、加えてアレキシがスクリームヴォーカルをやっているのがわかる。
──2024年に初来日しましたが、特に思い出に残っていることは?
ニコ:いっぱいありすぎる。素晴らしいことばっかりだった。観客は素晴らしかったし、空港に着いたらファンがお出迎えしてくれてて、ホテルにもファンが待っててくれた。食べにも何回も行って、料理もすごくおいしかった。俺、アニメや漫画の大ファンで、そういうお店に行けたのも楽しかった。そこでいろんなもの買うことができたし、お土産ももらった。来日丸々忘れられない訪問になった。11月に日本に戻ることができ、東京と大阪でライブできることはとっても楽しみにしている。
──ヘルシンキのアイスホールでの復活ライブのすぐ後にその来日公演が待ち受けていますが、どう準備していますか?日本のファンはどんなライブを期待していいですか?
ニコ:もうすでに1ヵ月ぐらい前から準備を始めてて、バンドトレーニングと同時にプロダクションも組み立て始めてる。これまで観たこともないようなショーになることは確かだ。新しい曲、そして俺たちの昔の曲。新旧が織り交ぜられ素晴らしいものになること間違いなし!俺たちのライブではなじみだと思うけど、ただのライブじゃなくて素晴らしいショーになるはずだ。日本のファンはこれまで観たことないようなBlind Channelのショーを期待しててくれ。これまで通りエネルギーにあふれ、それに深みのある新たなトーンが加わりそれらが一緒になる。ライブでのコネクション、つながり、それは俺たちにとってとっても大事なことだ。
──前回は短い滞在だったと思うんですが、日本で時間があれば行ってみたい場所とか特にこれが食べたいってものありますか?
ニコ:日本で食べた料理はすべてすごくおいしかった。またいろんなとこに食べに行きたい。ラーメン美味しかったし、和牛も。それから名前忘れたんだけど、目の前でコックが料理してくれるの何だったかな?
──鉄板焼きでしょうか?
ニコ:そうそう。鉄板焼き。また食べたいな。それから大阪に行けるのも楽しみだ。前回は東京だけだったからね。といっても東京も大都市だから、何日か東京に滞在してあちこち行ってみるのもいいな。あとどこか地方にも行ってみたい。東京から大阪の移動は新幹線だけど、窓から田園風景見えるかな?大好きな宮崎駿の映画のインスピレーションを感じる風景。ジブリ映画の音楽を聴きながら窓からの風景眺めるつもりだ。
──天気が良ければ富士山が見えるかもしれませんよ?
ニコ:あ、富士山、飛行機の中から見ることできたよ。雲の上にあるあれなんだ?って思ったら富士山だった。
──ジブリ美術館には行く機会ありましたか?
ニコ:まだ行ったことはないんだけど、もし行けたら見たいものだらけだろうな。行けたらいいな。そのためには何度も来日しなきゃな(笑)。そのうちプライベートな休暇で来るのもいいな。で、いろんなとこに行けたら楽しいだろうな。
──最後にBARKSの読者と日本のファンの皆さんにメッセージをお願いします。
ニコ:まず最初に活動休止中しんぼう強く待ってくれてありがとう。それは俺たちにとってとても意味がある。それから新しい曲へのフィードバックもたくさんありがとう。とっても感謝するよ。ニューアルバム『Painstream』がリリースになったらぜひ聴いてくれ。前の曲も思い出してくれたら嬉しいな。そして東京と大阪で会おう!
ニューアルバム制作時のビハインド・ザ・シーン映像も公開になっている。
2022年にリリースされたアルバム『Lifestyles Of The Sick & Dangerous』がここ本国フィンランドでプラチナ・レコードを受賞というニュースも飛び込んできた。
いよいよ活動を再開したBlind Channel、活動休止期間を経てさらにスケールアップしたであろう今後の活躍がアルバム発売前の今からとても楽しみだ。復活公演は11月14日ヘルシンキのアイスホールで予定されている。ところがその直前にヘルシンキのキャパ100人のライブ会場がバンドメンバーの紹介もない謎のライブ告知を出した。よく知られたミュージッシャン達が新ラインナップで行う初めてのライブとのことだ。投稿されたダークに加工された写真とバンド名3:37はコアなダイハードファンにはそれが誰なのかわかるらしく、これはシークレットギグではないかとあっという間に噂が広がり気がついた時にはチケットはすでに予約完売となっていた。果たして噂通り彼らなのか、誰か他のシークレットギグなのか気になるところだが、これは当日のニュースを待つしかない。
取材・文◎Hiromi Usenius
<Blind Channel PAINSTREAM TOUR JAPAN 2026>
2026年11月18日(水) @東京 渋谷クラブクアトロ
2026年11月19日(木) @大阪 梅田クラブクアトロ
詳細:https://www.creativeman.co.jp/event/blind-channel26/
※VIPアップグレード:先行入場、VIPラミネートパス、サウンドチェック見学、ミート&グリート、バンドメンバーとの記念写真付きVIPにアップグレード可能
詳細:https://www.blindchannelofficial.com/vip-upgrade
<Blind Channel サイン会>
2026年11月20日(金)@東京 タワーレコード渋谷店6F TOWER VINYL SHIBUYA
詳細:https://towershibuya.jp/2026/10/14/235588
フィンランドでの復活公演のすぐ後が日本公演ってなんだか嬉しいですね。ニューアルバムを聴いて、この来日公演の機会をぜひともお見逃しなく!
Blind Channel 『Painstream』

2026年10月30日発売(日本盤:ソニー・ミュージックレーベルズ)
1.メサイア
2.ユースアネイジア
3.スターズ・ウィー・シー
4.イントゥ・ザ・ヴォィド (feat. アーロン・ポーリー<オブ・マイス・アンド・メン>)
5.タイプス・オブ・キリング
6.レヴォリューション・ナウ
7.ミー・ヴァーサス・ミー
8.スケープゴート
9.ヴィラン・イン・ユア・ストーリー
10.ダイアナ
11.ノー・アンコールズ・イン・ア・スワン・ソング
12.エイク
13.ユー・レット・ゴー・ファースト [日本盤のみボーナス・トラック]