【ライブレポート】小片リサ、<LIVE “Gleam”>で描いた小さな光とパワーを増した光

小片リサが、9月20日にワンマンライブ<LIVE “Gleam”>を東京・恵比寿The Garden Hallで開催した。今年4月に東京・I’M A SHOWで開催したライブの中で、今回のライブのタイトルと日時・会場を発表したが、約半年が経ち、ついにそのライブが行われた。
オープニングSEが流れ、バンドメンバー、そして黒のトップスに赤のチェック柄のスカートの衣装の小片がステージに登場。ライブのオープニングは、2024年6月に発売したアルバム『montage』の1曲目に収録されている「あかとき」。小片は言葉のひとつ一つを噛み締めるように歌い上げ、観客は聞き入っている。叶わぬ恋を歌う「Umbrella」、街の情景が浮かぶ幻想的な「the starry city」を続けて歌唱。

「the starry city」のアウトロが流れる中、「恵比寿The Garden Hallにお集まりの皆さん、こんばんは。小片リサです」と挨拶し、「今回のライブのタイトルは“Gleam”。小さな光、優しい光、そんな意味が込められています。今日、この会場まで足を運んでくださった皆さんに、少しでも明日を明るく生きてもらいたい。そんな想いがあって、このステージでは皆さんに私から暖かくて優しい光をお届けできればと思っています。最後まで皆さん一緒に楽しんでいってください」と今回のライブのテーマ、タイトルに込めた想いを伝えた。
強い思いを乗せた歌声で惹きつける未音源化の楽曲「ワンダラー」、体を揺らしリズムを取りながら楽しげに歌う「散歩道」、7月に配信リリースしたライブ初披露となる「フロウライト」…。それぞれタイプが異なる曲だが、曲ごとに芯のあるメッセージが込められており、歌声も表情を変える。「フロウライト」は“蛍石”のことで、「自由」という石言葉があり、心の奥に秘めた葛藤など、繊細な思いを歌詞に込めて届けた。

2025年12月に配信リリースした「ラムネ/薄明」。過去の恋愛を引きずりながらも前へと進もうとする思いを描いた「ラムネ」は小片自身が作詞だけでなく、作曲も手がけた作品。生きることの意味や何者でもない自分と向き合う「薄明」も、自身で作詞を手がけ、深いテーマの楽曲に仕上げている。ライブで生で聴くことで、その感情、テーマがよりダイレクトに響いてくる。
そして、8月28日に配信リリースした「カルセドニー」も初披露。「フロウライト」に続く2カ月連続リリースとなった楽曲で、「カルセドニー」も石の名前(和名「玉髄」)。「追憶」という石言葉があり、毎年誕生日に一年後の“自分”に手紙を書いている小片の実体験から生まれた曲。そこにはリアルな心情が描かれている。
ライブの中盤ではバンドメンバーを紹介。春のライブで初めてバンド編成でステージを行なったが、今回もバンド編成で、キーボード・はだみゆ、ベース・岩崎なおみ、ドラム・オータケハヤト、と前回と同じメンバーが小片の音楽世界を作り上げている。
「このライブの開催を決めたのは、去年の秋でした。いろんな構想を練ったり、準備を考えたりしましたが、皆さんにお伝えするまでにちょっと時間が掛かってしまって、今年の春のライブで開催を伝えることができました。そこから約半年が経ちましたが、あっという間だったなって。この半年間、『どんなことをやったら楽しめるんだろう』『みんなが幸せになれるんだろう』と、ずっと今日のことを考えながら過ごしてきました」と、今回のライブにかける思いを伝えた。
「私は“歌う人”なんですけど、歌うためには曲を作ったり、映像を作ったりしていて、“作る人”でもあります。作る人としては、新しい曲を作ったりして、常に最新の私を皆さんに見せたいなと思っています。でも、歌う人としては、今持っている自分の全て、今出せるものをここで出せば、それだけで十分なんだという気持ちもあります。真逆なんですけど、どっちも自分の中にいて、どっちも間違ってなくて、どっちも正しいなと思っています。だからこの半年…、もうちょっと遡って1年前から、ずっと悩んで、考えてきました。最後まで悩みましたけど、とにかく自分自身の今あるものをちゃんと皆さんに丁寧に届ける、これが全てだなと思い、そんなライブを作ろうとここまでやってきました。それを皆さんにお届けできればと思っています」と、この日に至るまでの悩みや葛藤も打ち明けた。

「裸の“Mew”」「どっち」を披露した後、再びライブタイトルの話となり「Gleamは優しい光とか小さな光という意味があります。光って、いろんな種類があると思うんですよ。ステージのライトのように強く照らしてくれる光とか、(ステージ上のセットのランプを指さして)この光みたいに小さく暖かく照らしてくれるような光とか。私は明るくて眩しい光よりも、小さく、ポワッと灯るような光の方が合ってるかなって。タイトルを決めた時はあまり考えてなかったんですけど、リハーサルを進めていって、会場の景色が浮かんできて想像した時にそういうふうに思って、このタイトルにして良かったなって思いました」と、タイトルや“光”にまつわる思いを改めて伝えた。
そして「前半戦が小さな光、優しい光だとすると、ここからの後半戦はちょっと暖かく、よりパワーを増した光をみんなにお届けできればと思っています。皆さんも、曲に合わせて体を揺らしたりして一緒に楽しんでもらえたらうれしいです」と呼びかけ、「Actress」「ちいさな世界」「ムーンナイト・シークレット」など、アップテンポな楽曲を披露し、前半とは違う雰囲気を作り出した。そして「レプリカ」「君はスターゲイザー」で本編を締めくくった。

アンコールの声に応えて、再登場した小片。ここで「次のライブの開催が決定しました」と伝え、2027年3月6日(土)・7日(日)の2日間、東京・有楽町のI’M A SHOWでライブを行うことを発表。6日が「小片リサLIVE “Link of Love”」で、7日が「小片リサLIVE “Link of Life”」と「小片リサ LIVE SESSION “the Quiet Home”」の2公演。「11月の大阪でのライブが終わってからいろいろ考えようと思っているんですけど、“Link of Love”と“Link of Life”のテーマを掲げて、今思いつきで喋ってますけど(笑)、Loveな楽曲とLifeな楽曲で分けるのがいいのかな、なんて思っています。基本的には同じ感じになると思いますが、歌詞にフォーカスしたセクションを盛り込めたらいいなと思っています」と2つのタイトルの違う公演について伝えた。“the Quiet Home”はアコースティックな楽曲を披露する、全く違う雰囲気のライブになるとのこと。
そしてここで「せっかくなので、ここにきてくれたみんなに、新しい曲を1曲お届けしたいと思います」という嬉しいサプライズが。「みんなにとって大切な人はいますか? ワンちゃんや猫ちゃんでもいいんです。誰かを大切にしたいなと思う相手って一人はいるんじゃないかと思うんですけど、好きだと思えることは当たり前すぎて気づかないけど、すごく貴重というか特別なことだと私は感じています。誰かを思っていても、それぞれの人生があるから24時間、一生一緒にいられるわけじゃない。それでも『会いたいな』とか『ずっと一緒にいたいな』とか思う相手がいることは素敵なことだと思うんです。自分の気持ちを確かめながら聞いてほしいなと思って作った曲です。リリースの予定は全然ないので、次、歌えるのがいつになるかも分かりませんが、受け取ってもらえると嬉しいです」と伝え、「空を泳ぐ魚は」を披露した。
「ちょっといっぱい喋っちゃったけど、せっかくアンコールで出てきたのでもう1曲歌いたいと思います。この曲は、未来の自分に向けて手紙を書くというのをテーマにして作った曲です」と伝え、本編でも披露した最新曲「カルセドニー」をもう一度歌唱してこの日のステージを締めくくった。

4月のライブで開催を発表してから約半年。この間に配信で楽曲をいくつかリリースしたり、アンコールでは初披露の曲を聞かせたり、今回のライブにかける想いがしっかりと伝わるステージとなった。“歌う人”としての「今持っている自分の全て、今出せるものをここで出す」ということも、“作る人”としての「常に最新の私を皆さんに見せたい」も、結果的にどちらも達成できたライブだったと言える。
11月3日(火・祝)には大阪GORILLA HALLでも「小片リサLIVE “Gleam”」が開催される。そして、2027年3月には東京・I’M A SHOWで2日間3公演も。日々進化している小片が、次のライブで何を見せてくれるのか、聴かせてくれるのか楽しみだ。
文◎田中隆信
ワンマンライブ<LIVE “Gleam”>
2026年9月20日
1.あかとき
2.Umbrella
3.the starry city
4.ワンダラー
5.散歩道
6.フロウライト
7.ラムネ
8.幻
9.薄明
10.カルセドニー
11.裸の“Mew”
12.どっち
13.Actress
14.ちいさな世界
15.ムーンナイト・シークレット
16.映画の趣味が合うだけ
17.レプリカ
18.君はスターゲイザー
EC1.空を泳ぐ魚は
EC2.カルセドニー
<小片リサ LIVE “Gleam”>
2026年11月3日(火・祝)
GORILLA HALL OSAKA (大阪)
<「小片リサ LIVE “Link of Love” / “Link of Life”」「小片リサ LIVE SESSION “the Quiet Home”」>
2027年3月6日(土)・7日(日)
I’M A SHOW (東京)
チケットhttps://l-tike.com/risaogata/

