【対談】FUNKY MONKEY BΛBY’S × いきものがかり、ファンキー加藤と水野良樹が語る20年の軌跡と夢の競演「同期の桜として頼もしい」

2026.06.04 18:00

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■20年続くって奇跡では成し遂げられない
■皆さんの意思でそうなったということを歌に

──まだまだガツガツ。そんな4人の奇跡のコラボ曲「奇跡じゃない」が6月3日に配信リリースされました。トラックはファンモンぽい感じもするし、メロディは水野さんっぽいし、どこをどうしたかよくわからないぐらい、互いの長所ががっちりかみ合った、いい曲だと思います。どうやって作ったんですか。

加藤:土台の部分は水野くんに一任しました。何より俺自身がいきものがかりのファンでもあるから、ファンモンと曲を作るにあたって、水野くんの中にどういった景色があるのか、どういったメロディが鳴るのか、「それを聴かせてください」とお願いしました。その1ヵ月後ぐらいですかね、デモが上がってきて、それを聴いた時点で俺が泣くという。

水野:デモのデモ、ぐらいの段階だったから。こっちはきょとんとして。

加藤:「泣くの早くね?」みたいな(笑)。でも、嬉しかったんですよ。水野くんが作ってきてくれたものに対して。

──どんな曲にしようというイメージがあったんですか?

水野:最初、“どこらへんにボールを投げればいいんだろう?”という難しさがありました。ファンモンといきものがかりが、20周年を楽しくお祝いするイベントをやるとなったら、パーティーソングみたいに、みんなで盛り上がるような曲でもいいのかな?とか思っていたら、加藤くんがミーティングで神妙な顔をして、「二つのグループのストーリーを感じられるものにしたい」って、すごく熱い感じで言うから、「これはバラードか」と。

加藤:何だったら、モン吉はパーティーソングをイメージしてた。

水野:モン吉さんは「みんなで盛り上がる感じがいいじゃん!」みたいな感じだったから、どっちに行きゃいいんだよって(笑)。ただ、吉岡も歌うということを考えると、メロディアスな部分と、ファンモンのラップの部分を両立させて、“楽しいけどグッとくる”みたいな感じに落ち着かせたいな、とは思っていて。ただ歌詞は、すごく悩みましたね。いきものがかりは、自分たちのメッセージをそのまま歌詞にするってことは、あんまりしないタイプのグループなので。でもファンモンは、ヒップホップ的な“俺はこう思う” “俺はこんなストーリーをたどってきた”というような、いい意味での自分語りみたいな表現の中から出てきたグループだから、どういうふうにバランスを保てばいいんだろう?と思いながら、デモを作って、「こういうの、どうでしょう?」と言ったら、もう最初からすごい熱くなってたから。

加藤:だって、やっと実現したんだもん。

水野:そこからお互い、キャッチボールがあって。スタジオでオケ録りをしているところで、「ラップのところ、歌ってみるね」と言って、加藤くんが歌った歌詞を聴いて、“そういうことか”と。ラップがその場で生まれる瞬間を、僕は初めて見たので、“こういうふうに入れていくんだ”と思った時に、そこでやっと全体像が自分の中で見えてきて。「その方向で行くんだったら、こういう歌詞にするね」と言って、時間をもらって、また歌詞を書き直して。

加藤:最終的に出来上がってきた水野くんの歌詞は、だいぶファンモンに寄り添ってくれたと思います。水野くんが言ったみたいに、いきものがかりは自分のストーリーを歌い上げるグループじゃないから、そこは俺もちょっと危惧していたところではあるんですけど、こっちに歩み寄ってくれて、水野くんの中のファンモン魂みたいなものを歌詞にしてくれたと思って、またウルウルしちゃって。

──“悔しさ捨てずに叫んでた”とか。“強い風を越えてきた”とか。さっき話してもらったことと、すごく符合する気がします。

水野:四国のライブハウスの話に戻っちゃうんですけど、同じ景色を見たということは、すごく大事なんですね。あの段階では、両グループともどうなるかわからなかったけど、自分たちは必ず、多くの方々に聴いていただける舞台に立てると信じて、やっていたわけじゃないですか。結果、本当にそうなるストーリーがあったんですけど、その後のストーリーもたくさんあって。それぞれが見てきたものは、厳密には違うはずなんだけど、“この段階ではこういう悔しさがあったよね” “こういう喜びがあったよね”ということを分かり合えるから、なんでもない言葉でも、この二組が歌うと意味があるというか。この二つのグループらしい曲になったなと思います。

──加藤さんが「YELL」を歌詞に入れて、次のパートで聖恵さんが「ちっぽけな勇気」というお互いの楽曲フレーズを歌う。そういうところにも、両者の絆を感じます。

水野:さっき話した、スタジオで加藤くんが仮歌を入れた時に、僕らの曲名を入れ込んでくれていたんですよね。“そうか、そういうやり方もできるんだ”と思って、だったらアンサーとして、ファンモンの曲のワンフレーズを入れてもいいかもな、と思ったんですよね。

加藤:それ自体、水野くんの歌詞としては珍しいことなので。だから嬉しかったんですよ。

──「奇跡じゃない」というタイトルは、水野さんが?

水野:はい。

──どんな思いを込めていますか?

水野:20年続くことって、奇跡では成し遂げられないものだと思うんですね。一発成功するとか、一瞬成功するというのは、“たまたまいろんなことが兼ね合って起きた奇跡です”と言えるんですけど、20年となると、本人たちだけじゃなくて、関わってくれるいろんな方の意思がないと続かないので。今回の、ファンモンとのイベントを立ち上げる時にも思いましたけど、ファンモンにもたくさんのチームスタッフの方がいるし、いきものがかりにもチームスタッフの方がいて、過去に関わった人も大勢いて、応援してくださったファンの皆さんもたくさんいる。その人たちの意思が繋がった結果、僕らは止まることを選ばず、続けることができているので、“全ては奇跡じゃなくて、皆さんの意思でそうなったんだ”ということを歌にしたら、それはメッセージになるのではないか?と思って、「「奇跡じゃない」というタイトルはいかがでしょうか?」という提案をしました。

加藤:そこでまた涙ですよ(笑)。

水野:しかも、歌詞を送った翌々日ぐらいに、四国の徳島で一緒にロケをしていたんですよ。撮影の前日に居酒屋で、みんなで楽しく飲んでいたら、加藤くんが突然「昨日いただいた歌詞のことなんだけど……」って、うつむき加減で低い声で、「あれが本当に良くて……」とか語り出すから、「いやいや、普通に飲んでくれよ」って(笑)。「それよりも、食べようよ、四国の美味しいものを」って。

加藤:俺、大切なことを伝える時に声が低くなっちゃうの(笑)。でもね、それぐらい嬉しかったんですよ。俺がやりたかったことが、どんどん形になっていくこと自体も嬉しかったし、水野くんのファンモンへの思いとか、この曲に対しての情熱を感じることができて、本当に嬉しかったんですよね。