【ライブレポート】Nothing’s Carved In Stone、ツアー<Fire Inside Us Tour>が称えた全員の未来「“Us”はみんなのこと」

Nothing’s Carved In Stoneが4月22日(水)、東京・Zepp DiverCityにてツアー<Nothing’s Carved In Stone “Fire Inside Us Tour”>のファイナル公演を開催した。同ツアーは3月14日の神奈川・Yokohama Bay Hallを皮切りに、Zepp DiverCityまで全国11公演の規模で行われたもの。そのツアーファイナルのレポートをお届けしたい。
「ツアーファイナル! 帰って来たぞ。各地でめっちゃパワーをもらった。ここで全部返すから最後まで一緒に音楽しよう!」──村松拓(Vo, G)

<Fire Inside Us Tour>のツアーファイナルとなった4月22日の東京・Zepp DiverCity公演の盛り上がりからも、各地のファンがNothing’s Carved In Stoneを熱烈に歓迎したことは容易に想像できた。しかし、村松自身も自負していたとおり、アルバム『Fire Inside Us』の出来映えを考えれば、それも当然だろう、とファイナル公演のレポートを書き進める前に、まずは声を大にして言っておきたい。
イントロを聴いただけで観客全員が一斉に拳を振りはじめた1曲目の「孤独の先」をはじめ、この日、ステージの4人が披露した『Fire Inside Us』の全10曲を聴きながら、Nothing’s Carved In Stoneが結成から18年を経てもなお、さらにひと皮剥けたことを感じて、快哉を叫ばずにいられなかった。

中盤のブリッジでいったんテンポダウンしてから、ドラムの連打とともに一気に加速するように再びテンポアップして、サビになだれ込む展開が、“孤独の先の君を越えていこう このまま”というサビのパンチラインとともに観客の気持ちを鷲掴みにした「孤独の先」から、アルバムの曲順通りに「Find the Color」に繋げると、大喜多崇規(Dr)がキックするバスドラの4つ打ちに合わせ、観客がハンドクラップ。スタンディングのフロアが揺れ始める。その「Find the Color」はジェット音を混ぜながら、フレーズをうねらせるなど、バッキング、ソロ、リフ、とパートごとにギターらしからぬ音も含め、さまざまな音色を使い分ける生形真一(G, Cho)によるギターの音作りも聴きどころだった。また、イントロとサビで鳴らしたシンセがバンドサウンドに埋もれず、耳に残るところにフレーズ作りの巧さを改めて感じたりも。
そして、サビのダンサブルなリズムで観客を跳ねさせた「Spirit Inspiration」から、メランコリックな歌をテクニカルなバンドアンサブルに落とし込んだ「白昼」に繋げ、持ち前のミュージシャンシップを見せつけることも忘れない。演奏の軸となる日向秀和(B)のベースリフ、生形が村松の歌に重ねるハーモニーなど、この曲も聴きどころが少なくない。そして、ドラムソロからギターソロに展開した後、大喜多を中心に円陣を組むように4人が向かい合い、エンディングをキメる。

「最後まで一緒に音楽しよう!」──村松拓
村松がライブの意気込みを語ると、続けてバンドは「It Burns to Save You」を披露。リズムが8ビートに変わって、テンポアップするサビの展開がエモい。そこに「In Future」を繋げると、ブルージーなリフとともにアグレッシヴな演奏を繰り広げ、気迫を見せつける。さらにレイヴともディスコとも言える「Idols」、ファンキーな「シリウスの月」と繋げ、フロアを揺らしつつ、「Looking for a Reason」「(as if it’s) A Warning」とたたみかけ、Nothing’s Carved In Stonが持つ曲の振り幅も見せつけていく。
メランコリックな曲調の中でヒロイックなメロディを閃かせる「Looking for a Reason」はタイトなアンサンブルに重さを加える大喜多のキックも聴きどころ。そして、テクニカルな演奏と村松の歌が拮抗しながら高熱を放った「(as if it’s) A Warning」に観客が声を上げ、大きな拍手を送る。しかし、それを凌駕する盛り上がりを生んだのがシンセのフレーズも印象的に鳴らした「Black Train」だった。

メンバー全員で声を重ねる“オーオーオー”というコーラスに応え、観客が“オーオーオー”とシンガロングする。そうなることは、「Black Train」を作る時から想定していたと思うが、ライブではそこに村松と観客がコール&レスポンスしながら、スケールアップしていったシンガロングが響き渡るという展開が加わった。まさかメランコリックなこの曲がNothing’s Carved In Stoneの新たなライブアンセムになるなんてとちょっとびっくりしていたのは、もしかしたら筆者だけかもしれないが、その「Black Train」を含め、これまで以上に胸に迫る曲ばかりというところが『Fire Inside Us』を聴いて、Nothing’s Carved In Stoneがさらに一皮剥けたと思う一番の理由なのかもしれない。
「いやぁ、いいアルバムを作っちゃったな。マジで良くないですか?」──『Fire Inside Us』に対する大きな手応えをちょっと照れながら語る村松に、観客が拍手を送る。
「『Fire Inside Us』の“Us”は、みんなのことだと思ってるから、ここで支え合って、それが一個の塊になったら今日は最高だと思ってます。行けるところまで行こう。やろうぜ!」──村松拓

日向が観客を煽りながらなだれこんだ後半戦は、曲間を空けずに曲を繋げるそれまでの展開に怒涛の勢いが加わった。ツアーファイナルだから期待していた観客は少なくなかったはずだ。coldrainのMasatoを迎え、音源どおり激烈なシャウトを加えたラウドロックナンバー「All We Have feat. Masato (coldrain)」では、「飛べ!! もっと行けんだろ!!!!」というMasatoの言葉に観客がダイヴで応え、ガッツを見せる(ちなみにツアーファイナル以外の10公演の「All We Have」のシャウトは、大喜多が担当していたそうだ)。そこから「Isolation」「You’re in Motion」「Out of Control」とNothing’s Carved In Stoneのライブのクライマックスを作ってきたキラーチューンを繋げ、会場全体を揺らしながら「All We Have」の熱狂をアンセミックに変えていく。
「行けるか!?」──大喜多崇規
大喜多が声を上げる。この日、Nothing’s Carved In Stoneがラストナンバーに選んだのは、『Fire Inside Us』同様、「Everything」だ。アップテンポの16ビートの演奏がサビで一気に広がりを見せる曲の展開もさることながら、“君と僕”が向き合う今この瞬間の情熱を、観客とバンドでお互いに称えあい、締めくくりたかったということだったのかもしれない。最後、大喜多を中心に4人が再び円陣を組むように向き合い、エンディングをキメるところを見て、“君と僕”というのはこの場合、観客とバンドのみならず、今まさにステージで向き合っているNothing’s Carved In Stoneの4人のことでもあるのだろうと思った。

会心のミッドバラード「May」を披露したアンコール。村松曰く「すげえいいバンド」を呼んで、秋にツーマンツアー<Hand In Hand Tour 2026>を開催することを発表しつつ、「俺らの役割はステージで音を鳴らすことだと本気で思ってるから」と観客に語りかけた村松は、「皆さんはリアルな今の日本をもっとおもしろく変えていける熱をここで蓄えて。俺らもがんばるから、また何か足りなくなったらライブに来てください!」と続けた。
そして、観客のシンガロングとともにツアーの大団円を飾ったのは、「Dear Future」。充実のツアーを走りきった達成感からなのか、最後の最後は渾身のではなく、円熟味が滲む演奏になったところが感慨深い。
この日、1曲目に演奏した「孤独の先」で“愛も希望も全部 ひとつ残らず連れ去って”と歌った村松はこの「Dear Future」では“未来も夢も希望も 愛で埋め尽くして”と歌っている。『Fire Inside Us』の“Us”と表現した、ここにいる全員の未来を称えるその思いは、バンドが続く限り、きっといつまでも色褪せることはないのだろう。
取材・文◎山口智男
撮影◎RYOTARO KAWASHIMA
■ツアー<Nothing’s Carved In Stone “Fire Inside Us Tour”>4月22日(水)@東京・Zepp DiverCity セットリスト
01 孤独の先
02 Find the Color
03 Spirit Inspiration
04 白昼
05 It Burns to Save You
06 In Future
07 Idols
08 シリウスの月
09 Looking for a Reason
10 (as if it’s) A Warning
11 Black Train
12 MOONRISE
13 Challengers
14 All We Have feat. Masato (coldrain)
15 Isolation
16 You’re in Motion
17 Out of Control
18 Everything
encore
en1 May
en2 Dear Future

■ツーマンツアー<Nothing’s Carved In Stone “Hand In Hand Tour 2026”>
09月30日(水) 神奈川・KT Zepp Yokohama
10月02日(金) 愛知・名古屋DIAMOND HALL
10月30日(金) 大阪・GORILLA HALL OSAKA
open18:00 / start19:00 ※全公演
▼チケット
スタンディング 6,300円
スタンディング(学割) 4,000円
+1D
【MEMBERSHIP SITE “RULE’s”最速先行】
受付期間:4月22日(水)〜5月6日(水祝)23:59
受付URL:https://fc.ncis.jp/






