【ライブレポート】hitomi、“これまで”と“これから”を繋ぐ2026年初ワンマンライブ

2026.04.09 18:00

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hitomiが2026年初となるワンマンライブ<hitomi Live 2026 – STAND BY>を3月28日、東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて実施した。

デビュー30周年を経てもなお精力的な活動を続けるhitomi。今年に入ってからも世代の異なるNikoんとの対バンツアーや“Re:light Project”、テレビドラマ『この愛は間違いですか~不倫の贖罪』のオープニングテーマ「Stand by…」のリリースなど、その勢いはまったく衰えることはない。

そんな中行われた今回のワンマンライブは、昨年末に配信リリースされたライブベストアルバム『Re:CONNECT』収録曲を軸に展開。代表曲の数々を惜しげもなく披露すると同時に、ライブタイトルにも用いられた最新ナンバー「Stand by…」やリリース前の新曲歌唱など、“これまで”と“これから”を繋ぐ見応えのある内容となった。

定刻が過ぎた頃、神秘的なSEに導かれるように観客がクラップを始めると、照明がまばゆく点滅するのにあわせてバンドメンバーがステージに登場。華やかなシンセサウンドに会場が沸くと、白い衣装を来たhitomiがステージ袖から姿を現し、ブレイクのきっかけとなった「CANDY GIRL」にてライブは幕を開けた。hitomiは心地よいビートに身を委ねて、伸びやかな歌声を客席に届けていく。サビでは観客のシンガロングも発生し、客席はオープニングからクライマックスのような盛り上がりを見せることに。

そんなオーディエンスを前に、hitomiは「いくよ、渋谷!」を合図に「In the future」へと繋げる。さらに、煌びやかなシンセの音色にファンキーなギターフレーズが重なる「Sexy」と、90年代半ばを彩った名曲の数々に観客は悶絶。曲中に含まれた〈Sexy Sexy I’m Sexy〉や〈Wow Wow Wow〉といったフレーズでは、客席から一際大きなシンガロングが沸き起こり、会場は一体感を高めていった。

MCでは「渋谷というと、私の聖地みたいな場所なんですよ。高校のときから毎日のように通っていて」と、感慨深げに話すhitomi。「今日はみんな覚悟してください。たっぷり歌いますよ。思い出の曲とかいろいろあると思いますけど、皆さんの思い出と照らし合わせながら聴いてくれたらと思います」と意気込みを口にすると、大きなノリを持つ「INNER CHILD」にてライブを再開。以降も「Japanese girl」や「MARIA」と、緩急に富んだ楽曲を繰り出し、会場を独特な空気で包み込んでいく。

ライブ中盤では、椅子に腰掛けてデビュー30周年に関するトークを展開。「自分のリスペクトするアーティストの方に、私の曲の歌詞を書き直してもらうのはどうかというアイデアが出まして。それで、持田香織ちゃんとDo As Infinityの伴都美子ちゃんに歌詞のリライトをお願いしたら、快く引き受けてくださいまして、今回新しい『体温』、そして『there is…』が生まれました」と、次に披露する楽曲について解説していく。

「普段書いていると自分の視点でしかないんですけど、リスペクトしている2人からhitomiがどう見えているのかワクワクして、歌詞を待っていました。そうしたら本当に素晴らしい歌詞になっていて」という感謝の言葉に続いて、hitomiはアコースティックアレンジで「体温(蹲)」を歌唱。自分の言葉で自身の思い描く世界を届けてきたhitomiだが、ここでは他者がイメージする歌詞の世界をじっくりと表現してみせる。それは続く「there is… (LOVE)」も同様で、繊細なピアノを伴奏に切々と歌うその姿からは、改めて30年の積み重ねが感じられたのではないだろうか。

特別な2曲を歌い終えると、hitomiは「とても素敵な歌詞で、歌いながら泣きそうになっちゃって」と感極まっている様子。その流れから「hitomiは明るくてポップな曲が多いイメージがあると思うんですけど、結構しっとりとしたナンバーに名曲もたくさんあるんです」と、前2曲の流れを汲むようにソウルフルさの際立つ「by myself」、聴き手を優しく包み込むような温かな「キミにKISS」を連発する。もともと普遍性の強いメロディを持つ楽曲だが、現代的なバンドアレンジによって曲本来のエバーグリーン感が強調されたこともあり、多くのオーディエンスが新鮮な気持ちでこれらの楽曲を楽しんでいるように映った。さらに、「IS IT YOU?」や「innocence」とスケール感の大きな楽曲が続くと、ミラーボールの演出も相まって会場は幻想的な空気に包まれていった。

ライブ終盤戦に入る前には、来場者から募った質問にhitomiが答えていくコーナーも用意。質問してくれたファンに直接回答していくなど、密なコミュニケーションを取りながらトークは進行していく。そんな和やかな空気で会場の雰囲気が落ち着いたところで、高揚感の強いビートにあわせて観客が立ち上がり、「Understanding」にてライブは再開。オーディエンスのクラップが会場中に響き渡る「I am」、スライドギターの音色が独特のサイケデリック感を醸し出す「BUSY NOW」と、曲を重ねるにつれ場内の熱気が高まっていく。そして、ドラムの4つ打ちビートから「GO TO THE TOP」に突入すると、その熱気は一気に沸点まで上昇し、真のクライマックスと呼ぶに相応しい盛り上がりの中でライブ本編は終了した。

アンコールは豪快なギターリフとともに「SAMURAI DRIVE」からスタート。同曲のMVを彷彿とさせるテンガロンハット姿で再登場したhitomiは、リズムに合わせてパワフルな歌声を響かせていき、会場の盛り上がりはこの日何度目かの最高潮へと到達した。

「このまま死んでもいいというぐらいの気持ちになりました。幸せすぎるな(笑)」と嬉しそうな表情を浮かべ、投げキッスを客席へと振りまくhitomi。「30周年を経て、もう31周年……もっとたくさん、みんなに歌を聴いてもらえるように頑張っていかなければ。今は20代、30代とはまた違った環境ですし、自分のペースで無理のないよう進んでいきますので、皆さんよかったらついてきてください!」と新たな決意を口にし、「これから歌う曲は、このライブのタイトルになっている曲。“これから”の準備はできているから、みんなよろしくって意味も込められています」というメッセージとともに「Stand by…」を力強く歌唱してみせた。

また、hitomiの“これから”が楽しみになる新情報として、フジテレビ系情報番組『Mr.サンデー』エンディングテーマソングに「Choice!」、中京テレビ・日本テレビ系ドラマ『鬼女の棲む家』の主題歌に「Tokey-Dokey」と、それぞれ新曲を提供したことが告げられると、客席からは歓喜の声が湧き上がる。そこから、新曲「Tokey-Dokey」がライブで歌唱されることに。ドラマの世界観を投影しつつ、30周年を超えてもなお治まることのないhitomiの熱がダイレクトに伝わる情熱的なロックチューンに対し、観客のボルテージは一気に高まっていった。

その勢いにさらに拍車をかけたのが、この日のラストナンバー「LOVE 2000」。曲の冒頭からオーディエンスの大合唱が湧き起こる中、hitomiは客席の隅々にまで目線を送りながら、優しくも熱い歌声とともに感謝の気持ちを届けていき、盛大な盛り上がりとともにライブはフィナーレを迎えた。

hitomiの過去と現在、そしてきたる未来を繋いだ今回のワンマンライブ『hitomi Live 2026 – STAND BY』。30周年という大きな節目を超え、新たな気持ちで再び“攻め”へと向かい始めた彼女は、ここからさらに我々を楽しませてくれそうだ。

文◎西廣智一
写真◎Yuma Totsuka

セットリスト
01.CANDY GIRL
02.In the future
03.Sexy
04.INNER CHILD
05.Japanese girl
06.MARIA
07.体温(蹲)
08.there is… (LOVE)
09.by myself
10.キミにKISS
11.IS IT YOU?
12.innocence
13.Understanding
14.I am
15.BUSY NOW
16.GO TO THE TOP
アンコール
EN1.SAMURAI DRIVE
EN2.Stand by…
EN3.Tokey-Dokey
EN4.LOVE 2000