【速レポ】<京都大作戦2025>WANIMA「大作戦限定のセットリストやっていいですか」

降り注ぐ灼熱の太陽と、鮮やかなラスタカラーを思わせるカラーリングの機材が並ぶステージ。そんな源氏ノ舞台に、14時15分、登場したのはWANIMA。
ジングルの後、なんのSEもなく拳を上げながらKENTA(Vo, B)が現われ、続いてFUJI(Dr, Cho)とKO-SHIN(G, Cho)が出てきた。みんなの大歓声を浴びながら、KENTAはまず言葉を投げかけた。
「ツアー終わったばっかりなんですけど、大作戦限定のセットリストやっていいですか?」
そう言うなり高らかに歌い始めたKENTA。そしてKO-SHINは黒のエクスプローラーでコードリフを鳴らし始める。耳馴染みあるメロディとリフに、この曲が分かったオーディエンス全員が大歓声をあげながら前へ前へと押し寄せていった。
「おーい、丘の人、前に来い!」とKENTAは呼びかけ、FUJIが煽るようにコーラスハーモニーを入れながら始まったのは、10-FEETの「VIBES BY VIBES」だ。直後、10-FEETのTAKUMAは、KO-SHIN愛用のギターを手にして飛び入り。KENTAとダブルボーカルで歌い、そして煽る。さらにNAOKIも、KENTA愛用の鮮やかなカラーのベースを手にして登場。そしてKOUICHIは竹ボウキをギター代わりに、あちこち激しく動きまわりながらWANIMAの3人を景気づけていく。ステージ上の6人もそうだが、オーディエンス全員が、お祭り騒ぎだ。

登場して早々のMCでKENTAが言ったように、WANIMAは6月27日に約3ヵ月にわたったホールツアーを終了させたばかり。その数日後の<京都大作戦>だから、脂がのった状態のまま、ツアーの続編的な内容でも良かったかもしれない。だがWANIMAは、<京都大作戦>限定のセットリストで臨んできた。
なぜなら、そうしたい理由があるからだろう。バンド活動がまだうまくいっていない当時、KENTAはお客さんの一人として<京都大作戦>に参戦し、ステージに出てくるバンドを観ては、自分たちのバンドもそうなりたいと願い、同時に<京都大作戦>にいつか出たいと思っていたという。WANIMAが、WANIMAとして動き始めるための原動力のひとつになったのが、この<京都大作戦>だろう。
そしてもうひとつ。KO-SHINが、ギターの音作りに悩み、10-FEETのTAKUMAにいろいろ相談も持ちかけていたところ、「これを弾けばええやん」とKO-SHINの誕生日にプレゼントしてくれたのが、TAKUMA愛用の黒いエクスプローラーだった。KO-SHINにとってTAKUMAは、気づけばお互いに多くのことを分かち合う存在になっていたのだろう。
とにかく<京都大作戦>と10-FEET、同時に<京都大作戦>を愛するここに集まったみんなにも感謝の気持ちを。だからこそ限定のセットリストを組んだのだろう。
「WANIMA!」とTAKUMAがWANIMAを大歓迎する声を上げ、「VIBES BY VIBES」がエンディングを迎えたとき、ステージ上の6人は笑顔で笑い合ってもいた。

「今回は懐かしい曲ばかり、やっていきます」
その一言で始まったのは「Hey Lady!!」。2014年に発表した初のミニアルバム『Can Not Behaved!!』からの1曲だ。まさに彼らの原点とも呼べるナンバーを披露しながら、WANIMAの3人も、<京都大作戦>に憧れていた当時のことや、<京都大作戦>に出るようになってからの様々なことに、想いを馳せていたに違いない…いや、そんな感じでもなかったようだ。
「俺、1曲飛ばしてしまった。テンション上がって。10-FEET来るとは思わずに、(メンバーが出てきたために)テンション上がって、1曲飛ばしてしまった」
やっぱり平常心ではいられなくなるのが<京都大作戦>だ。それで飛ばしてしまった曲をプレイするが、これが1stフルアルバム『Are You Coming?』からの「リベンジ」。さらに続くのが「雨あがり」や「BIG UP」だ。
WANIMAがファンやオーディエンスと共に育ててきた、みんなにとって大事な曲ばかりである。それらをこの<京都大作戦>で思う存分に体感し、一緒に歌って楽しめるんだから、盛り上がりも一体感も尋常じゃない。メンバーもメチャクチャ嬉しそうな表情を見せながら、一瞬ごとを楽しみ、高揚し、太陽が丘に広がっているみんなとひとつになっていった。FUJIは“京都!”とコーラスのタイミングで何度も叫んだり、KO-SHINとKENTAは左右に広がって、太陽が丘の隅々まで楽しいエネルギーを届けて、みんなを飛び跳ねさせていった。

「懐かしい曲をたくさんやったけど、最近、新曲出したっちゃん! 昨日の夜も新曲出したんやけど、それとは別の新曲やっていいですか? ここにいるみんなの好みのはず」
そう言いながら披露した「燗々ラプソディ」は、ヘヴィな側面を持ちながら、WANIMAらしいダンサブルさと親しみやすいメロディもある。自分たちを育ててくれた場所のひとつ、太陽が丘で新曲もしっかり届けるという、その真っ直ぐな愛情が嬉しい。
「ここにいる全員で、ともに歌おう!」
KENTAの呼びかけで、イントロから大合唱が起こったのはラストの「ともに」。丘の遠くにいるオーディエンスにも手を振り、ニッコリ笑い、ライブするWANIMAの3人がステージにいる。愛情豊かなWANIMAは、バンドとしてでっかくなり続け、とてつもなく大きな愛も感謝も太陽が丘に贈った。

文◎長谷川幸信
写真◎Yukihide”JON…”Takimoto
▼セットリスト
1. VIBES BY VIBES
2. Hey Lady!!
3. リベンジ
4. 雨上がり
5. BIG UP
6. いいから
7. オドルヨル
8. 爛々ラプソディ
9. ともに
SE. matatabi
■<京都⼤作戦2025 〜暑さも⾬もお茶のこ祭祭〜>
<MISSION IMPOSSIBLE-KYOTO 2025 〜No big deal in the heat or rain〜>
7⽉5⽇(⼟) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7⽉6⽇(⽇) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30 / start11:00
※⾬天決⾏ / 荒天中⽌
〒611-0031 京都府宇治市広野町⼋軒屋⾕1
▼出演者 ※50⾳順
【7⽉5⽇ 源⽒ノ舞台】Age Factory / Ken Yokoyama / 四星球 / SUPER BEAVER / dustbox / 10-FEET / MAN WITH A MISSION / ROTTENGRAFFTY
【7⽉5⽇ ⽜若ノ舞台】INKYMAP / おとぼけビ〜バ〜 / カライドスコープ / KUZIRA / the 奥⻭’s / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / RAINCOVER
【7⽉6⽇ 源⽒ノ舞台】ELLEGARDEN / SiM / SHANK / 10-FEET / Dragon Ash / バックドロップシンデレラ / BRAHMAN / WANIMA
【7⽉6⽇ ⽜若ノ舞台】KOTORI / THE BAWDIES / SHADOWS / SKA FREAKS / STOMPIN’ BIRD / NUBO / Brown Basket
【鞍⾺ノ間】『京都⼤作戦杯2025』EGOLA / ⼤阪籠球会 / SOMECITY OSAKA / TEAM ISHIKAWA / TEAM-S / TEAM TOHOKU / TEAM NICK / TEAM FUKUOKA
『エキシビションマッチ』7/5(⼟) 東⼭⾼校・7/6(⽇) 京都ハンナリーズ
※10-FEETは2⽇間とも出演
※アーティストは都合により変更になる場合がございます。その際チケット代⾦の払戻しは⾏いませんので、予めご了承下さい。
▼京都⼤作戦会員「はんなり会」とは
はんなり会の会員コースは年額・⽉額・無料会員の3種類があり、年額会員向けには京都⼤作戦2025来場時の特典として「レプリカ万能札」の進呈や「はんなり休憩処」が利⽤できる。会員コンテンツや京都⼤作戦2025来場者へのサービスは随時追加されていく予定






