【速レポ】<京都大作戦2025>SHANK「10年ぶりに源氏ノ舞台に戻ってまいりました」

<京都大作戦2012>の牛若ノ舞台に初めて出演したSHANK。翌年も牛若ノ舞台に立った彼らが、源氏ノ舞台に進出したのは意外にも早く、2015年のことだった。だが、それ以降は<京都大作戦>に呼ばれることはあっても、全て牛若ノ舞台。それが今回は源氏ノ舞台。SHANKが10年ぶりに源氏ノ舞台に立つ。
普通なら相当意気込むものだが、そこはSHANK。出番を迎える前から、普段とさほど変わりない様子で、過剰に心を奮い立たせることもなく、超フラットとも言える平常心のSHANKがバックヤードにいた。

12時5分、SHANKを迎えるSEが響く中、街ブラを楽しむような感じでステージに登場した庵原将平(Vo, B)、松崎兵太(G, Cho)、早川尚希(Dr)。松崎がギターのコードを鳴らした直後、庵原が歌い出し「Surface」が始まった。イントロを歌った直後、「SHANKと言います、よろしく!」と庵原が挨拶。彼らの放つ軽快なリズムは、オーディエンスにステップを踏ませるだけでなく、心まで躍らせていく。曲を次々にたたみ掛けるにつれ、拳はあがり、人も舞い上がる太陽が丘になっていく。
SHANKは、感動的なMCや煽るような言葉をほぼ口にすることがないバンドだが、彼らの放つバンドサウンドや爽快感も味わえるメロディは、オーディエンスみんなのテンションをコントロール不能なレベルまで上げてしまうものだ。ライブハウスだろうが、<京都大作戦>の大きなフェスだろうが、SHANKにとって、そこに変な境も垣根もない。



「10年ぶりに源氏ノ舞台に戻ってまいりましたSHANKです、よろしくお願いします。僕は正直、ステージのでかさ関係なく、出れればいいと思っているタイプなんですけど、大作戦に関しては、この舞台に戻ってきたかったんで、嬉しいです」
この何年間も<京都大作戦>に出演しても牛若ノ舞台だったこともあり、“SHANK=牛若ノ舞台の守り神”なんて呼ばれ方をされることもあった。しかし今年、その守り神が源氏ノ舞台にいる。本番前は平常心のように見えた3人だったが、ライブ中、源氏ノ舞台から見えるオーディエンスで埋まった太陽が丘を、何度も嬉しそうに見るがいた。そして庵原は言葉を続けた。

「10年掛かりましたが、ふざけたMCと下ネタだけで帰ってまいりました、ありがとうございます」
そして続く「Mind Games」は、庵原の曲紹介によると“お酒を飲み過ぎると、チンチンが立たないという曲”だ。やっぱり下ネタ系である。しかしスカの陽気なリズムも飲み込んだ軽快さで、スカダンスとステップを繰り返すオーディエンスが会場に広がる。さらに続く「Departure」などでは、’90年代初期のメロディックパンクの旨味が全パートにほとばしる。
SHANKの曲や音には、メンバー自身がパンクを好きになったときのピュアさがそのまま活きている。3人が音楽に向ける気持ちと姿勢は、ずっと子供心を忘れることのない子供オトナのような感じだ。だからSHANKの曲は、若い世代にはエキサイティングなものであり、年齢を重ねた世代には失ってしまったあの頃の自分を取り戻すエネルギーとして作用もする。SHANKの音楽から溢れてくるメロディに甘酸っぱさを感じるのは、間違いなく後者だろう。興奮しながら、この太陽が丘で水をバッシャバシャ撒いているのは、確実に前者だ。そして両者の気持ちは、SHANKによって熱く焦がされていくのみ。



「またここに立てたのは、みなさんと10-FEETの心の広さと、なによりも10-FEETのサポートドラムを務めたうちのドラムの尚希のおかげだと思います」
そう庵原が言いながら、早川のほうを振り向くと、「嬉しいなぁ〜」と笑顔をこぼす早川だった。
ファンならご存知だと思うが、2024年暮れ、手術と入院でライブ活動をお休みしたKOUICHIの代役として、サポートを務めたドラマーの一人がSHANKの早川だ。滋賀で生まれ育った早川は、SHANK加入以前から10-FEETの3人にはかわいがってもらっていて、10-FEETのコピーをしながらドラマーとして育ってきた。サポートのオファーがあったのは、なんと、本番の数日前だったが、見事にやってのけている。そこにあるのは絆や信頼感。だからこそ10-FEETは、再び源氏ノ舞台にSHANKを迎えたんだと思う。


「Wake Up Call」からの後半も、10-FEETから寄せられる信頼感とオーディエンスみんなからの喜びと、そしてなによりもSHANKのメンバー3人の嬉しさが、ひとつになって、今まで以上にポジティヴな曲となっていった。それを感じながら思う。本日をもって牛若ノ舞台の守り神は卒業である。
文◎長谷川幸信
写真◎Yukihide”JON…”Takimoto
▼セットリスト
1. Surface
2. 620
3. Hope
4. Life is…
5. Mind Games
6. Departure
7. Good Night Darling
8. Extreme
9. Wake Up Call
10. Set the fire
11. Long for the Blue moon
12. Cigar Store
■<京都⼤作戦2025 〜暑さも⾬もお茶のこ祭祭〜>
<MISSION IMPOSSIBLE-KYOTO 2025 〜No big deal in the heat or rain〜>
7⽉5⽇(⼟) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7⽉6⽇(⽇) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30 / start11:00
※⾬天決⾏ / 荒天中⽌
〒611-0031 京都府宇治市広野町⼋軒屋⾕1
▼出演者 ※50⾳順
【7⽉5⽇ 源⽒ノ舞台】Age Factory / Ken Yokoyama / 四星球 / SUPER BEAVER / dustbox / 10-FEET / MAN WITH A MISSION / ROTTENGRAFFTY
【7⽉5⽇ ⽜若ノ舞台】INKYMAP / おとぼけビ〜バ〜 / カライドスコープ / KUZIRA / the 奥⻭’s / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / RAINCOVER
【7⽉6⽇ 源⽒ノ舞台】ELLEGARDEN / SiM / SHANK / 10-FEET / Dragon Ash / バックドロップシンデレラ / BRAHMAN / WANIMA
【7⽉6⽇ ⽜若ノ舞台】KOTORI / THE BAWDIES / SHADOWS / SKA FREAKS / STOMPIN’ BIRD / NUBO / Brown Basket
【鞍⾺ノ間】『京都⼤作戦杯2025』EGOLA / ⼤阪籠球会 / SOMECITY OSAKA / TEAM ISHIKAWA / TEAM-S / TEAM TOHOKU / TEAM NICK / TEAM FUKUOKA
『エキシビションマッチ』7/5(⼟) 東⼭⾼校・7/6(⽇) 京都ハンナリーズ
※10-FEETは2⽇間とも出演
※アーティストは都合により変更になる場合がございます。その際チケット代⾦の払戻しは⾏いませんので、予めご了承下さい。
▼京都⼤作戦会員「はんなり会」とは
はんなり会の会員コースは年額・⽉額・無料会員の3種類があり、年額会員向けには京都⼤作戦2025来場時の特典として「レプリカ万能札」の進呈や「はんなり休憩処」が利⽤できる。会員コンテンツや京都⼤作戦2025来場者へのサービスは随時追加されていく予定







