ヤマハが2012年秋の新製品を披露、ギター、アンプ、電子ドラム、シンセサイザーなど多数登場
ヤマハは、2012年秋のLM関連新製品内覧会を開催、ギター関連製品、電子ドラム、シンセサイザーの新製品を関係者向けに披露した。
毎年秋には多くの新製品をリリースするヤマハだが、今回の新製品は低価格が魅力的な製品が目立つラインナップとなった。低価格とはいえ、単に機能を削った製品ではないのはもちろんのこと。本レポートでは各製品の注目ポイントとともにお届けする。
■ドラムがうまくなりたい人・続けたい人に最適なエントリーモデルDTX430K、DTX400K
▲デモ演奏に使われたDTX430K。従来のDTXシリーズと同じパイプ口径と質感を維持したラックは堅牢性もしっかり確保。設置面積はコンパクトだが、ドラムとしてのパッドレイアウトはキープ。 最初に紹介されたのは10月25日に発売された電子ドラムDTXシリーズの新たなエントリーモデルDTX400シリーズ。新規開発された音源は共通で、異なるパーツを採用した「DTX430K」(市場想定価格59,800円前後)と「DTX400K」(同49,800円前後)をランナップする。DTX430Kはドラムパッド、シンバルパッド、ラックシステムが新規、DTX400Kは全パーツが新規開発となっている。また、DTX430Kはシンバルなどの追加が可能といった増設面での違いもある。
低価格ながらドラム・セットとして長く続けられる品質を維持、豊富な練習機能を搭載し、上達が実感できるモデルとなっている点をアピール。ラックの堅牢性と演奏時の安定性、さらに打感が向上した新開発のパッド類、床下への振動をおさえつつも理想的な踏み心地を実現したビーターレスキックユニット、フラッグシップモデルDTX900から受け継いだサウンドなど、ほかの同価格帯製品にはないクオリティも魅力だ。また、接地面積は86cm×66cmでコンパクト&軽量で女性でも移動がカンタンなだけでなく、梱包形態は箱が1つのみ(梱包重量はDTX400Kが17.5kg、DTX430Kが23.7kg)ということで、楽器屋で衝動買いしても車で持って帰れる点、運送費も安く上がる点なども強調された。
▲写真左はDTX400K。キックパッド、フットペダル、ハイハットコントローラーが430Kと異なる。中央は接地面積と梱包の説明図。デモ演奏ではさまざまな練習プログラムが紹介(写真右)。
▲iPhone、iPad対応のSong Beatは今後DTXとの連携をさらに高める機能アップを予定。 デモ演奏では、10種を用意するプリセットキットのサウンドの違いや、力の出ない初心者向けに弱く叩いてもしっかり音が鳴る設定(うまくなれば強弱がつけられる)、ハイハットをツーバス仕様に変更できることなどを紹介。練習機能では、どのパッドを叩いても伴奏に合わせたドラムパターンが演奏でき、初心者でも演奏する楽しみが味わえる「イージーセッション」モード、正確に叩き続けると自動でテンポアップ&不正確だとテンポダウンする「テンポアップ・ダウン」モード、そして制限時間にどれだけ両手両足で叩いたかを採点、ゲーム感覚で楽しめる「ファストブラスト」モードを実演。「ファストブラスト」は練習だけでなく、エクササイズにもなり家族でも楽しめることが示された。
関連iOSアプリとしては、ドラム用マイナスワン練習アプリ「Song Beats」を紹介。さまざまなジャンルのパターンで練習ができるほか、曲を購入・追加が可能。来年春には、楽譜代わりにドラムロールを表示したり、DTXと接続して採点する機能を搭載予定であることも紹介された。
■人気のギターアンプTHRのバリエーションモデルが3機種登場
続いて登場したのは、リアルな真空管サウンド、ヴィンテージテイスト溢れるデザイン、ギターアンプでありながらオーディオの再生にも実力を発揮することから人気を集めた「THR」シリーズのバリエーションモデル。徹底的に歪みにこだわった「THR10X」(市場想定価格29,800円前後)、ブルース/ジャズ/カントリーをターゲットとした「THR10C」(同29,800円前後)、アコースティックサウンドに特化した「THR5A」(同19,800円)をラインナップする。いずれも「THR10」「THR5」とハードウェアは同じで搭載するアンプモデリングが異なる。これらの音で演奏するだけでなく、PCとUSB接続して録音可能な点もポイントだ。デモ演奏ではその個性的なサウンドが披露された。
▲写真左の左奥の歪みの「THR10X」はオリーブグリーン、右奥のブティック・コンボ・コレクション「THR10C」はダークネイビーメタリック、手前のアコースティック特化の「THR5A」はビンテージゴールド。10の2機種はエレキギター、5Aはサイレントギターでデモ演奏(写真右)。
強力な歪みと迫力の低音が魅力の「THR10X」が搭載するアンプタイプは5種類。スラッシュメタル向けのタイプは「激しい歪みながら低音の輪郭がはっきりしている」、エディ・ヴァン・ヘイレンのサウンドを再現したモデリングでは「中域に特徴のある『あの音』が出ている」、リード向けのクランチサウンドはドイツ製老舗ブランドのアンプをモデリングでは、「音が太くて中低域が出てくる、腕のたつ人でないと使いこなすのはむずかしいところまで再現している」と紹介された。
▲ハードウェアは同じだが、それぞれ異なるアンプタイプを内蔵するTHR10XとTHR10C。幅広いジャンルをカバーするTHR10とあわせて好みやスタイルに応じて選択できる。
「THR10C」は高級ブティックアンプ、歴史的なヴィンテージアンプのサウンドを集めたモデルでこちらも5種のアンプタイプを用意。イーグルスのジョー・ウォルシュ愛用のアンプをモデリングしたというアンプタイプは「からったとした乾いたサザンロックにぴったりのサウンド、スライドをやる人に」と紹介。イギリスを代表するコンボアンプのモデリングは「イギリスらしいブルージーなディストーションサウンド」、アメリカを代表する小型チューブアンプのモデリングは「自然な感じで実際のアンプと同じくボリュームとトーンのコントロールがよく効く、気持ちがいい音なのでこれでライヴをやってしまいたいというギタリストも出てきそう」とコメント。また、ほかのモデルと異なりディレイではなくテープエコーを採用した本機ならではのサウンドは、代表的な高級ブティックアンプのモデリングでプレイされ、「テープエコーが気持ちよく弾ける、CLASS Aというアンプはレスポンスが評価されているものをモデリングしたもので、ピッキングして素の音が鳴ってる感覚、ぜひ演奏感を確かめてほしい」とした。また、ピッキングのニュアンスをリアルに再現できる点、テープエコーのリアルはCHARも絶賛していることが紹介された。
「THR5A」は、ヤマハがかつて販売してた「AG Stomp」というマイクシミュレーターの心臓部をそのまま搭載したモデル。デモ演奏はサイレントギターで行われ、ピエゾ独特の硬い音が空気感の含んだマイクで実際に録ったような音になることが示された。コンデンサー・マイク、ダイナミック・マイク、チューブ・アンプのタイプ、ナイロン弦用、エレキギター用のクリーンなチャンネルを用意。エフェクトについても触れられ、「アコースティックのソロのCDはコンデンサー・マイクで拾われ、ディレイやリバーブで処理されているが、そういうCDから聞こえてくる音で自宅でギターを気持よく弾きたいという人に」「練習用アンプというより気持よくアコースティックギターを弾こうよ、というモデル」と締められた。
■小型の「APXトラベラー APXT2」などアコースティックギターも多数登場
ギターもいくつか投入されている。まずは持ち運びが非常に楽な小型ギター「APXトラベラー APXT2」(31,500円)。90年代に大ヒットした「APXトラベラー」が装いを新たに復活したモデルで、ナチュラルとオールドバイオリンサンバーストの2色をラインナップする。ピックアップにはヤマハのA.R.T.ピックアップを採用。表板のブリッジの裏辺りに貼りつけた小型マイクにより、表板全体の振動を拾ってナチュラルなサウンドが得られるのが特徴だ。また、APXを小さくしたかわいらしいデザイン、女性や子どもにもおすすめである点などがアピールされた。
昨年発売のAシリーズはラインナップが一気に拡大。これまではマホガニーだけだったA1/AC1のグレードに、サイドバックがローズウッドのモデルを投入(A1R/AC1R 68,250円)。また、全モデルにヴィンテージサンバーストが追加され、現行6モデルだったのが16モデルに増え、より幅広いユーザーの好みに対応可能になっている。価格はA1M/AC1Mが61,950円、A3M/AC3Mが99,750円、A3R/AC3Rが110,250円。また、握りやすいネックシェイプで普段はエレキギターを弾いている人にもおすすめできるモデルと紹介された。これら新モデルは11月1日発売。
▲左からAC3M、A3R、A1R、AC1R。全モデルにヴィンテージサンバーストが追加。 アコースティックギターの年末限定エントリーモデルとして、「F620」(市場想定価格18,800円前後)が投入される。こちらはエントリーモデルながら、ほかのヤマハのギター同様耐熱・耐冷試験をクリア、安定した品質を誇り、1本目のギターにおすすめと紹介。ウレタン塗装による薄い塗膜でパワフルな胴鳴りを実現しているのもポイントだ。カラーはナチュラルとタバコブラウンサンバーストの2色。発売日は11月1日。
昨年10周年モデルとしてキルテッドメイプルのモデルがリリースされたサイレントギターには、完全限定モデルとしてフレイムメイプルのモデルが登場。カラーは落ち着きのあるルートビアを採用した「SLG110 SFM RTB」と「SLG110 NFM RTB」の2モデルだ。発売は11月10日、価格はいずれも78,750円。
エレキギターの新製品としては、PACIFICAのマイク・スターン・シグネチャーモデルがモデルチェンジ、「PACIFICA1611MS」(231,000円)がリリース。基本仕様は変わらないが、生産拠点をヤマハの自社工場に移し、非常に高い完成度でお届け。完成したギターに一定の振動を与えることでボディ全体の振動の伝達効率を高めるヤマハ独自のI.R.A.処理が施されているのが特徴。生で聴いてもボディ全体の鳴りが高まっているという。また、マイク・スターン直筆認定証が同梱される。ファンはもちろん、個性的なギターが欲しい上級ギタリストに弾いてもらいたいとした。11月1日発売。
エレクトリック・アコースティックギター「LJX16CP」もモデルチェンジし、「LJX16CPII」が登場。変更点は一体型だったピックアップを各弦独立エレメント方式のアンダーサドル型になったほか、A.R.E.処理が施されている。A.R.E.処理は木材に水と熱を加えることで長年引き込んだサウンドを再現するもの。この処理がなされたモデルの中では「LJX16CPII」が最も低価格であることがアピールされた。価格は173,250円で、11月1日発売。
▲左から、エレキギターPACIFICA1611MS、アコースティックギターのLJX16CPII、F620のNTとTBS、サイレントギターSLG110 SFM RTB、SLG110 NFM RTB。
■超軽量・コンパクト、気軽に持ち運ぶ即戦力シンセMX49/MX61
シンセサイザーでは「MX49」(市場想定価格49,800円前後)、「MX61」(69,800円前後)が登場。MX49はエレキギター並みの3.8kg、一方のMX61は4.8kgでいずれも非常に軽いのが特徴だ。サウンドはフラッグシップモデルMOTIFゆずりのクオリティで、音色を素早く探せるカテゴリーボタンや、ワンアクションでレイヤーやスプリットができるなど、使い勝手の面でも初心者にもぴったりのモデル。また、バンド活動を再開するきっかけを探している鍵盤経験者、気軽さと即戦力を求め2台めを探している人にもおすすめとした。また、パソコンとUSB接続が可能で、MIDIだけでなくオーディオの入出力も可能。持ち運びのしやすさを生かして、ツアー先でも制作作業ができる点などがアピールされた。オプションとしては、ブラック、レッド、ネイビーの3色を揃えた専用ソフトケース(6,000円前後)、専用ハードケース(MX49用が28,000円、MX61用が30,000円)キーボードスタンドLG-1(12,800円前後)がラインナップされる。
▲MX61(左)とMX49(右)。88鍵搭載機の上の重ねられたMX49を見ればそのコンパクトさがわかるはず。
デモ演奏にはGakushi氏が登場。ソフトケースに入ったMX49を背負ってその軽さ・コンパクトさを体現したあと熱いプレイを披露。「音は普段使っているMOTIFにひけをとらない」「ツアー先に持って行きたい」とコメントした。また、演奏時にはMIDI対応楽器とつなげて使うことで、演奏を視覚的に表現することができるiOSアプリ「Visual Performer」の画面がスクリーンに映しだされ、Gakushiのプレイをビジュアルで盛り上げた。
▲Gakushi氏はMX49を背負って登場し(写真左)、MX61とMX49の演奏を披露(中)。ソフトケースは各3色をラインナップ(右)。
◆DTX430K 製品詳細ページ
◆DTX400K 製品詳細ページ
◆THR10X 製品詳細ページ
◆THR10C 製品詳細ページ
◆THR5A 製品詳細ページ
◆APXT2 製品詳細ページ
◆Aシリーズ 製品詳細ページ
◆F620 製品詳細ページ
◆SLG110SFM RTB 製品詳細ページ
◆SLG110NFM RTB 製品詳細ページ
◆PACIFICA1611MS 製品詳細ページ
◆LJX16CPII 製品詳細ページ
◆MXシリーズ 製品詳細ページ
◆ヤマハ
◆BARKS 楽器チャンネル
毎年秋には多くの新製品をリリースするヤマハだが、今回の新製品は低価格が魅力的な製品が目立つラインナップとなった。低価格とはいえ、単に機能を削った製品ではないのはもちろんのこと。本レポートでは各製品の注目ポイントとともにお届けする。
■ドラムがうまくなりたい人・続けたい人に最適なエントリーモデルDTX430K、DTX400K
▲デモ演奏に使われたDTX430K。従来のDTXシリーズと同じパイプ口径と質感を維持したラックは堅牢性もしっかり確保。設置面積はコンパクトだが、ドラムとしてのパッドレイアウトはキープ。
低価格ながらドラム・セットとして長く続けられる品質を維持、豊富な練習機能を搭載し、上達が実感できるモデルとなっている点をアピール。ラックの堅牢性と演奏時の安定性、さらに打感が向上した新開発のパッド類、床下への振動をおさえつつも理想的な踏み心地を実現したビーターレスキックユニット、フラッグシップモデルDTX900から受け継いだサウンドなど、ほかの同価格帯製品にはないクオリティも魅力だ。また、接地面積は86cm×66cmでコンパクト&軽量で女性でも移動がカンタンなだけでなく、梱包形態は箱が1つのみ(梱包重量はDTX400Kが17.5kg、DTX430Kが23.7kg)ということで、楽器屋で衝動買いしても車で持って帰れる点、運送費も安く上がる点なども強調された。
▲写真左はDTX400K。キックパッド、フットペダル、ハイハットコントローラーが430Kと異なる。中央は接地面積と梱包の説明図。デモ演奏ではさまざまな練習プログラムが紹介(写真右)。
▲iPhone、iPad対応のSong Beatは今後DTXとの連携をさらに高める機能アップを予定。
関連iOSアプリとしては、ドラム用マイナスワン練習アプリ「Song Beats」を紹介。さまざまなジャンルのパターンで練習ができるほか、曲を購入・追加が可能。来年春には、楽譜代わりにドラムロールを表示したり、DTXと接続して採点する機能を搭載予定であることも紹介された。
■人気のギターアンプTHRのバリエーションモデルが3機種登場
続いて登場したのは、リアルな真空管サウンド、ヴィンテージテイスト溢れるデザイン、ギターアンプでありながらオーディオの再生にも実力を発揮することから人気を集めた「THR」シリーズのバリエーションモデル。徹底的に歪みにこだわった「THR10X」(市場想定価格29,800円前後)、ブルース/ジャズ/カントリーをターゲットとした「THR10C」(同29,800円前後)、アコースティックサウンドに特化した「THR5A」(同19,800円)をラインナップする。いずれも「THR10」「THR5」とハードウェアは同じで搭載するアンプモデリングが異なる。これらの音で演奏するだけでなく、PCとUSB接続して録音可能な点もポイントだ。デモ演奏ではその個性的なサウンドが披露された。
▲写真左の左奥の歪みの「THR10X」はオリーブグリーン、右奥のブティック・コンボ・コレクション「THR10C」はダークネイビーメタリック、手前のアコースティック特化の「THR5A」はビンテージゴールド。10の2機種はエレキギター、5Aはサイレントギターでデモ演奏(写真右)。
強力な歪みと迫力の低音が魅力の「THR10X」が搭載するアンプタイプは5種類。スラッシュメタル向けのタイプは「激しい歪みながら低音の輪郭がはっきりしている」、エディ・ヴァン・ヘイレンのサウンドを再現したモデリングでは「中域に特徴のある『あの音』が出ている」、リード向けのクランチサウンドはドイツ製老舗ブランドのアンプをモデリングでは、「音が太くて中低域が出てくる、腕のたつ人でないと使いこなすのはむずかしいところまで再現している」と紹介された。
▲ハードウェアは同じだが、それぞれ異なるアンプタイプを内蔵するTHR10XとTHR10C。幅広いジャンルをカバーするTHR10とあわせて好みやスタイルに応じて選択できる。
「THR10C」は高級ブティックアンプ、歴史的なヴィンテージアンプのサウンドを集めたモデルでこちらも5種のアンプタイプを用意。イーグルスのジョー・ウォルシュ愛用のアンプをモデリングしたというアンプタイプは「からったとした乾いたサザンロックにぴったりのサウンド、スライドをやる人に」と紹介。イギリスを代表するコンボアンプのモデリングは「イギリスらしいブルージーなディストーションサウンド」、アメリカを代表する小型チューブアンプのモデリングは「自然な感じで実際のアンプと同じくボリュームとトーンのコントロールがよく効く、気持ちがいい音なのでこれでライヴをやってしまいたいというギタリストも出てきそう」とコメント。また、ほかのモデルと異なりディレイではなくテープエコーを採用した本機ならではのサウンドは、代表的な高級ブティックアンプのモデリングでプレイされ、「テープエコーが気持ちよく弾ける、CLASS Aというアンプはレスポンスが評価されているものをモデリングしたもので、ピッキングして素の音が鳴ってる感覚、ぜひ演奏感を確かめてほしい」とした。また、ピッキングのニュアンスをリアルに再現できる点、テープエコーのリアルはCHARも絶賛していることが紹介された。
「THR5A」は、ヤマハがかつて販売してた「AG Stomp」というマイクシミュレーターの心臓部をそのまま搭載したモデル。デモ演奏はサイレントギターで行われ、ピエゾ独特の硬い音が空気感の含んだマイクで実際に録ったような音になることが示された。コンデンサー・マイク、ダイナミック・マイク、チューブ・アンプのタイプ、ナイロン弦用、エレキギター用のクリーンなチャンネルを用意。エフェクトについても触れられ、「アコースティックのソロのCDはコンデンサー・マイクで拾われ、ディレイやリバーブで処理されているが、そういうCDから聞こえてくる音で自宅でギターを気持よく弾きたいという人に」「練習用アンプというより気持よくアコースティックギターを弾こうよ、というモデル」と締められた。
■小型の「APXトラベラー APXT2」などアコースティックギターも多数登場
ギターもいくつか投入されている。まずは持ち運びが非常に楽な小型ギター「APXトラベラー APXT2」(31,500円)。90年代に大ヒットした「APXトラベラー」が装いを新たに復活したモデルで、ナチュラルとオールドバイオリンサンバーストの2色をラインナップする。ピックアップにはヤマハのA.R.T.ピックアップを採用。表板のブリッジの裏辺りに貼りつけた小型マイクにより、表板全体の振動を拾ってナチュラルなサウンドが得られるのが特徴だ。また、APXを小さくしたかわいらしいデザイン、女性や子どもにもおすすめである点などがアピールされた。
昨年発売のAシリーズはラインナップが一気に拡大。これまではマホガニーだけだったA1/AC1のグレードに、サイドバックがローズウッドのモデルを投入(A1R/AC1R 68,250円)。また、全モデルにヴィンテージサンバーストが追加され、現行6モデルだったのが16モデルに増え、より幅広いユーザーの好みに対応可能になっている。価格はA1M/AC1Mが61,950円、A3M/AC3Mが99,750円、A3R/AC3Rが110,250円。また、握りやすいネックシェイプで普段はエレキギターを弾いている人にもおすすめできるモデルと紹介された。これら新モデルは11月1日発売。
▲左からAC3M、A3R、A1R、AC1R。全モデルにヴィンテージサンバーストが追加。
昨年10周年モデルとしてキルテッドメイプルのモデルがリリースされたサイレントギターには、完全限定モデルとしてフレイムメイプルのモデルが登場。カラーは落ち着きのあるルートビアを採用した「SLG110 SFM RTB」と「SLG110 NFM RTB」の2モデルだ。発売は11月10日、価格はいずれも78,750円。
エレキギターの新製品としては、PACIFICAのマイク・スターン・シグネチャーモデルがモデルチェンジ、「PACIFICA1611MS」(231,000円)がリリース。基本仕様は変わらないが、生産拠点をヤマハの自社工場に移し、非常に高い完成度でお届け。完成したギターに一定の振動を与えることでボディ全体の振動の伝達効率を高めるヤマハ独自のI.R.A.処理が施されているのが特徴。生で聴いてもボディ全体の鳴りが高まっているという。また、マイク・スターン直筆認定証が同梱される。ファンはもちろん、個性的なギターが欲しい上級ギタリストに弾いてもらいたいとした。11月1日発売。
エレクトリック・アコースティックギター「LJX16CP」もモデルチェンジし、「LJX16CPII」が登場。変更点は一体型だったピックアップを各弦独立エレメント方式のアンダーサドル型になったほか、A.R.E.処理が施されている。A.R.E.処理は木材に水と熱を加えることで長年引き込んだサウンドを再現するもの。この処理がなされたモデルの中では「LJX16CPII」が最も低価格であることがアピールされた。価格は173,250円で、11月1日発売。
▲左から、エレキギターPACIFICA1611MS、アコースティックギターのLJX16CPII、F620のNTとTBS、サイレントギターSLG110 SFM RTB、SLG110 NFM RTB。
■超軽量・コンパクト、気軽に持ち運ぶ即戦力シンセMX49/MX61
シンセサイザーでは「MX49」(市場想定価格49,800円前後)、「MX61」(69,800円前後)が登場。MX49はエレキギター並みの3.8kg、一方のMX61は4.8kgでいずれも非常に軽いのが特徴だ。サウンドはフラッグシップモデルMOTIFゆずりのクオリティで、音色を素早く探せるカテゴリーボタンや、ワンアクションでレイヤーやスプリットができるなど、使い勝手の面でも初心者にもぴったりのモデル。また、バンド活動を再開するきっかけを探している鍵盤経験者、気軽さと即戦力を求め2台めを探している人にもおすすめとした。また、パソコンとUSB接続が可能で、MIDIだけでなくオーディオの入出力も可能。持ち運びのしやすさを生かして、ツアー先でも制作作業ができる点などがアピールされた。オプションとしては、ブラック、レッド、ネイビーの3色を揃えた専用ソフトケース(6,000円前後)、専用ハードケース(MX49用が28,000円、MX61用が30,000円)キーボードスタンドLG-1(12,800円前後)がラインナップされる。
▲MX61(左)とMX49(右)。88鍵搭載機の上の重ねられたMX49を見ればそのコンパクトさがわかるはず。
デモ演奏にはGakushi氏が登場。ソフトケースに入ったMX49を背負ってその軽さ・コンパクトさを体現したあと熱いプレイを披露。「音は普段使っているMOTIFにひけをとらない」「ツアー先に持って行きたい」とコメントした。また、演奏時にはMIDI対応楽器とつなげて使うことで、演奏を視覚的に表現することができるiOSアプリ「Visual Performer」の画面がスクリーンに映しだされ、Gakushiのプレイをビジュアルで盛り上げた。
▲Gakushi氏はMX49を背負って登場し(写真左)、MX61とMX49の演奏を披露(中)。ソフトケースは各3色をラインナップ(右)。
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