給料日前の月曜だというの満員御礼、SOLD OUTを出した東京公演。日本ツアーの締めくくりとなるこの日の渋谷CLUB QUATTROは歩くのも容易でないほどの混雑で、ドリンクを買ったりトイレに行くのも一苦労だった。 FEEDERは元々、作詞・作曲のほとんどを自ら行なうグラント・ニコラス(Vo&G)、日本は岐阜県出身のタカ・ヒロセ(B)、そして亡くなってしまったジョン・リー(Dr)という3ピース編成だった。しかし、今回のツアーでは、ドラムに元スカンク・アナンシーのマーク・リチャードソンを迎え、さらにサポート・ギタリストとして、2ndアルバム『Yesterday Went Too Soon』のツアーにも参加したディーン・テディを招いている。
| UKツアーの疲れも見せず、力強い歌声を披露したグラント (C)Yuki Kuroyanagi
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Smashing PumpkinsのBGMが流れる中、予定時間の午後7時から20分ほど遅れて、メンバーが入場。割れんばかりの歓声が迎える。言葉少なに、最新アルバムからの1stシングル「Come Back Around」がスタート。速いリズムとエッジの効いたギターに乗せて“Come Back Around(戻って来いよ)”と繰り返すサビは、まるでジョンに呼びかけているようで、オーディエンスもいきなり引き込まれる。
続いて「We Can't Rewind」「Insomnia」「Turn」と、切なく美しいメロディとハードなバンド・サウンドが同居した、FEEDER節を聴かせてくれる。セットリストも新旧織り交ぜたバランスのよいもので、「ライヴでこれを聴きたい!」とファンがリストアップするような人気曲のオンパレード。オーディエンスを休ませない。とくに、「My Perfect Day」「Seven Days In The Sun」「Buck Rogers」などは、オーディエンスが一体になって跳んだり揺れたりジャンプしたりと、大きな盛り上がりを見せた。
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以前と変わらない、激しいライヴ・パフォーマンスを見せてくれた。 (C)Yuki Kuroyanagi |
スタート時のテンションのままライヴも終盤を迎え、アンコール1曲目はグラントが「Love Pollution」をアコースティック・ギターで弾き語り。ラストから2曲目の「Find The Colour」は、日産エルグランドのCMソング。曲を紹介するとき、グラントがうれしそうに「エルグラント、エルグラント」と連呼していた姿が印象的だった。そして、ラストはゲーム「グランツーリスモ」のBGMにもなった人気曲「Just A Day」。イントロのリフからギターでグラントが煽り、オーディエンスは「チュッチュルッチュー」のイントロを大合唱、大興奮だった。
ジョンの死の約半年後にリリースされた『Confort In Sound』は、よくいえば“しっとり”とした聴かせるタイプの曲が多く、より端的に言ってしまうと“悲しい”雰囲気の曲が多かったのも事実だ。しかし、ライヴに関しては従来通り、いやそれ以上に激しく、かつメロウな、完成度の高いパフォーマンスを見せつけてくれた。FEEDER完全復活の予感を確信に変えてくれたライヴだった。
取材・文●末吉靖永