KONTA哲学=何でも楽しんでやるのだ

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元バービーボーイズのサックス&ヴォーカル、
というのは今さら言うまでもない経歴のひとつとして置いといて、
KONTAのアーティストとしての魅力を探るなら、
バービー以降の活動履歴に注目するべし。
シンガー/ミュージシャンとしての活動はもとより、
役者、音楽監督、舞台演劇での生演奏etc. 
何がそこまで彼に次々と新たな課題に取り組ませるのか?
その答えこそ、KONTAが面白い所以なのである。
手馴れたところで、ラクして音楽やっちゃいけないと思う
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LISTEN!

1998年4月22日発売
DXDL-28
M1:気をつけろ!
M2:ひめごと
M3:気をつけろ!(KARAOKE)



LIVE SCHDULE
■KONTA LIVE<under cover>
2002年9月5日(木)
高田馬場 AREA
open 19:00 start 19:30
3,500(ドリンク別)
【問】
チケットぴあ…………03-5237-9999
ローソンチケット………03-3569-9900
              Lコード 31628
AREA…………………03-3361-1069

Trivandrum
2002年9月7日(土)
渋谷 VIVE LAVIE(ヴィブラヴィ)
open 19:00 start 19:30
2,500(2ドリンク付き)
【問】
03-5485-5498

■横濱学生映画祭
(オープニング・アクトにTrivandrum出演)
2002年9月15日(日)
横浜開港記念会館
open 12:30 start 13:00
入場料 500


OFFICIAL HP & FUN CLUB

OFFICIAL HP:KONTAism.Org
FUN CLUB:KONTAism
http://www.konta-ism.org/
――管楽器、打楽器、弦楽器、三味線まで、多種多様な楽器を操るようになったのは、何がきっかけなんでしょう?

KONTA:
音楽ってやっぱり、書かれたテキストっていうよりは、そこにある音そのもののイメージだと思うのね。楽器の音色そのものに惹かれたとき、この音いいなと思ったときに、いじりたくなるっていうのがきっかけかな。だから、名人の演奏を聴くとその楽器をやってみたくなるという感じに近いかもしれない。

――いろいろな楽器ができると、より具体的に自分の頭の中で曲の完成形を作れてしまいますよね?

KONTA:
だんだんできてきますよね。たとえば太鼓から作り始めたものは、その上に何の音色が欲しいのかを考えながら、コード進行、サウンド、全体を包んでる響き感みたいなものをイメージしていくっていうか。ギターで作り始めた曲はピアノで仕上げるとか、ひとつのもので収まりきらないように曲を作りたいっていうのはいつもあると思う。俺はもともと弾き語り系のシンガー・ソングライターではなくて、バンド志向があったから、まずやっぱりアンサンブルがあるのね。アンサンブルの上でどんなふうに歌いたいかとか、アンサンブルの中でどんな役割を果たしたいかとか、そういう全体の響きっていうことのほうが大事なような気がしてるんで。だからサックスを吹いてても、単音楽器でメロディしかできないから、じゃやっぱり他の楽器で和音が欲しい、その和音にぶつかる別の音が欲しいっていうふうにだんだん広がっていきますね。

――そういう根っからのバンド志向、アンサンブルを作りたいっていうところで、いろんなバンドやユニットを組んだりお芝居の音楽プロデュースをしてみたりして、いろんな音楽を追求しているんですかね。

KONTA:
うーんとね、いろんなことをやってみたいっていうだけなんだね、きっとね。やっぱり、好きなものは一種類だけじゃないから。自分の中にはイケイケ★ロッケンロールみたいな部分もあれば、メロウな部分もありクラシカルな部分もあり、アバンギャルドな部分もあって。それを、その場その場、全部を一片にひっくるめることはたぶん不可能だと思うんで、いろんな場所によって使い分けるというか。自分の中のいろんな部分を出せる場を作っていきたいなっていうかね。アウトプットを多くすればするほど、インプット量が増えてくるんじゃないのかなっていうのがあって。インプット量が多ければ、またそこに触発されて出てくるものも変わってくるだろうし。なんか、そういうことの繰り返しかな。手馴れたところで音楽やっちゃいけないんじゃないかって気がすごいするのね。流れ作業的なところでラクをしちゃいけないんじゃないのかなっていう意識がどこかにずっとあって。

――追求というか、興味の触手の伸び方がハンパじゃないですよね。

KONTA:
何をやるときでも楽しんでやってますわね。楽しまないといいものできないと思うし。その状況そのものを楽しんでいると、結果的に一生懸命になれるのかな。で、その結果的に一生懸命なれることっていうのが、自分の中で一番素直だったり、その場に一番そぐうものだったりが出てくるんじゃないのかなっていう気がするんだけど。

――お芝居の役作りってしますよね?

KONTA:
そりゃしますよ、もちろん(笑)。

――いや、演技が自然というか、“KONTAさんてこういう部分があるんだろうな”と演じているキャラクターを見て感じることがあるので。

KONTA:
うーん、きっと“誰にでもある部分”ていうのがあるから、お芝居の役っていうのは成り立って人に見てもらえるんだろうから。"それ私にもあります"っていうところは俺にももちろんあるわけだし。見る人にとって"それある"っていうものは俺の中にもあるから、それをどうやってお届けするのかっていうことなんじゃないのかなって思ってるんだけど。どんな役をやるにしても自分であることからは抜けられないわけですけど、その役と自分をくっつけるのは、あるひとつの状況と境遇、役の上の境遇みたいなものを背負わされたときに、自分はどういうふうに変わるんだろうかっていうことなんじゃないのかなと漠然と思ってるんだけどね。

――音楽の場合だと“歌の世界に入る”という行為があると思うんですけど、お芝居にも共通するところはありますか?

KONTA:
あるのかもしれないな。詞や曲を書くっていうのは個人的な作業で、心理的にはけっこう辛い作業なわけですよ。上っ面じゃない自分みたいなものを掘り下げていかなきゃいけないわけだから。そうすると"俺はこういうイヤなところを持ってる人間だったんだ"っていうことを気づかされちゃうこともあるわけね。でも、そこまで向き合わないと曲や詞っていうのは、表現という域には達しないと思うし。で、それを形にできたときには客観視できるスタンスを持っていないと聴いてる人に届かないんじゃないかと思うわけ。だから喜怒哀楽みたいなところを越えてしまったところで歌をコントロールしていないと、歌えないような気がする。そういう客観性というか、俯瞰で自分を見るっていうことの訓練を、お芝居でひとつの役を演じるときにしてるのかもしれないね。

――すでに来年の舞台の構想もあるそうで。

KONTA:
来年の話すると鬼が笑うので(笑)。まぁ、しばらくアルバム出してないから、ちゃんとレコーディングしてアルバム出したいっつうのもあるし。まぁ最低限、ライヴは定期的に撃ちたいぞっていうのもありますし。芝居は芝居で、お声をおかけください。どちらにでも飛んで参ります(笑)。

――何でも来い状態ですね(笑)。

KONTA:
やっぱ面白がりたいんだろうね、いろんなことで。そうすると次にやることが前よりもワンステップアップしてますよっていうことだけは言えてるような気はするんだけどな。あ、言いたいような気がするのかな。より正確に言えば。

――ぜんぜん話変るんですけど、料理が趣味だそうで。

KONTA:
小学校2~3年生ぐらいの頃、異常に早起きだったのね。朝5時ぐらいに起きて散歩して、みたいな。で、腹が減るから朝っぱらからしっかりした朝食を食べたいと思うようになって。気づいてみたら、小学3年生にしてコンチネンタル・ブレックファーストのセットを作って喰っている、みたいな。そういう感じで始まってますね。で、あとはまぁ、不味いもん喰うよりも美味いもん喰ったほうがいいじゃない? だから、趣味というよりは実益かな。だって、人間一生は限られているわけで、一日3食喰ったって何食喰えるか限られてくるわけじゃない? そうすると、生きてる間はまぁ美味いもん喰わないと損だぞっていうね。美味いもん喰ったほうが人生楽しいだろうなと。結局あれなのかな、美味いもん喰いたいって思うのと同じように、楽しいことやりたいっていうので、音楽やるのもそうだし、芝居やるのもそうだし、ってことなのかもしれない。

――料理もひとつマスターしたらまたレパートリーを増やしたくなりますからね。

KONTA:
あ、だからそういう意味で言うとあれ、楽器ってね、きっと料理の素材と同じなのね。魚料理できるようになったって喜んでると、漬物の深さに気づいてしまったり。……非常に……非常に深みのない話だなぁ(笑)。

――すみません。

KONTA:
いやいや。俺が単純だからなんだけど。でも、ほんと、そういうことだと思う。俺、喰い物飲み物にこだわらないミュージシャンて共演者にあんまり選ばないというか、結果的にそうなるね。いいミュージシャンて、やっぱりちゃんと人生の楽しみを知らないといけないと思うし。決定的なところでね、温かみとか人間味みたいなものに欠けちゃうような気がするんだよね、どっか。

――食をないがしろにするべからず、と。

KONTA:
そう。食べるっていうことをないがしろにするっていうことは、生きるっていうことをどっかないがしろにしちゃうことだと思うんで。生きるっていうことをないがしろにするっていうことは…ちょっとかっこつけて言うと、音楽っていうのは全人格的なものだから、その欠け落ちたものがどっかに出てくるんじゃないのかなっていうのがあるなぁ。最近だんだんその想いが強くなってきてる。

――なるほど。で、こんな好奇心旺盛なKONTAさんが初のカヴァー・ライヴを。

KONTA:
9月5日に高田馬場のAREAで、タイトルは<undercover>としまして。カヴァーっていうのとは別に、劇作家のベルトルト・ブレヒトの歌を集めてやったライヴは何年か前にあるんだけど。いわゆる流行歌のカヴァーをやるっていうのは初めてで。

――なんでまた流行歌のカヴァーを?

KONTA:
まぁとりあえず、流行ってるからかなぁ(笑)。どっかでねぇ、コピーとカヴァーは違うんだよ、っていう意識が俺の中にはあって。卑しくもカヴァーと言う限りは、自分の身体の中にいっぺん取り込んで、消化して、別な形で出さないと、それはカヴァーとは言わないんじゃないのかなと思っていて。だから"この曲何の曲?"って思いながら聴いてるような曲が、"しまった、この曲だったんか"っていうようなアレンジにしてやりたいなと思っていて。リハーサルは順調に進んでいます。

――カヴァーする曲のセレクト基準はあるんですか?

KONTA:
あんまりないように選んだつもりなんだけど、結果的に俺が子供の頃とか生意気盛りに聴いていたものが中心になっちゃうかもしれない。でももちろん新しいものも入れていくつもりではいる。好きな曲っていうよりは、引っかかって思い出す曲。自分の中に何か引っかかって残ってる曲をやりたいなと思ったんだね。そしたらきっと、自分なりのものが出せるはずだと思って。昔の曲なんか、自分の記憶の中で捻じ曲げてたりして"実はそういう曲だったんか"って思うことも意外にあったりしてね。俺の音楽的ルーツのある面の再発見みたいな意味も出てきちゃうんだろうね。だからそん中で、ある共通項っていうのがあるのよ、俺の中には。それを探ってもらうのも、ひとつの楽しみかもしれない。

取材・文●望木綾子

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