奥井雅美 feat. May'n「ミラクル・アッパーWL」インタビュー
── 「ミラクル・アッパーWL(だぶるえる)」はニコニコチャンネルで8月からスタートのアニメ『おんたま!』主題歌ですが、タイトル通りのアップチューンですね。
奥井:「“WL”は“LIFE”と“LOVE”の意味です。まず“アッパー”という言葉が出てきて。これ入れたいぞって思ってそこから広げていったんです。『おんたま!』という作品の方から“こうしてください”という縛りはなかったので、自由に考えて、特にMay'nちゃんをフィーチャリングするので、まずMay'nちゃんがカッコよく見える、ということも考えてプロデューサーと相談しながら作っていきましたね。May'nちゃんは歌がうまいから、それを活かせるような曲がいいな。あと“カッコいいのを”というお話もいただいていたので、今までMay'nちゃんが歌ってきたものも参考にさせていただきながら、ありそうでなさそうで……みたいな感じにするのもいいかな? 自分のカラーも出た方がいいしな……といろいろ考えてこうなりました。」
── 作詞・曲は奥井さん。「WILD SPICE」(奥井雅美34作目のシングルで、アニメ『無敵看板娘』主題歌)系のゴリゴリ感のあるロック感じですね。
奥井:「夏だしね。ちょっとロックな感じで、でも女の子の部分もありつつ、という感じ。」
May'n:「カッコいい女の子、みたいな感じがしますね。初めていただいたデモは奥井さんが全部歌ってくれていたんですけど、その時点でもうすっかり出来上がっている感じで、“わー! デモなのにカッコいい!”ってテンションが上がりました。奥井さんぽい曲だなとも思います。普段聴いてすごく好きな感じの曲だし私自身こういうジャンルの歌を歌ってみたいと思っていたので嬉しかったですね。キーとかも本当に自分の好きなところが出せたなと思います。」
── 詞のイメージは?
奥井:「女子への応援ソング。恋したりいろんなことで悩んだり……こういうことって、May'nちゃん世代から私達世代まで、永遠に続くものだと思うんだよね。そういうふうなことを歌いたかった。若い頃は当たり前に恋したりいろんなことがあるけれども、大人になってもそういう気持ちは忘れないでほしい。そんなメッセージをMay'nちゃんと私のふたりで歌うことで、<アニサマ>に来るアニソン大好きな私達世代の人達から、May'nちゃん世代の人達、その間の世代の人達まで……幅広い女子に共感してもらえるんじゃないかなと。そして、男子には、“女の子ってこういうところがあるんだよ”ということをメッセージ的に伝えたかったかなと。」
── 『おんたま!』がまさに、主人公の女の子がそのお母さんとお父さんの若い頃にタイムスリップして、ふたりの間をとりもとうとする、というふたつの世代にまたがるお話なので、そことリンクしている感じもしますね。
奥井:「まあMay'nちゃんと私も親子みたいなものですからね(笑)。」
May'n:「えーそんな!(笑)」
── 詞の口調も今っぽい感じを取り入れてますよね。<落胆↓>とか
奥井:「私、日記とかでも“↓”とか矢印はよく使うので(笑)。」
── May'nさんの世代として、ここはググッとくるというところは?
奥井:「いろいろ反省点も知りたいねん。こういうことは今の女の子はないよ、というところがあったら聞いとかな(笑)。」
May'n:「私自身は、詞を書く時に全部素になるんですけど、これは奥井さんの素の部分でもあるんですか?」
奥井:「んー、まぁ絶対こんな素だと思いますね。」
May'n:「えー! <自己嫌悪で眠れない>というフレーズとか、すごく好きなんですけど、奥井さんもそういうところがあるのかなって。」
奥井:「みんなあるんじゃなぁい?? 私達みたいな仕事の人ってそれぞれの“アーティスト”イメージがつくよね。May'nちゃんも、そういうアーティストとしてのイメージってあると思う。今はブログとかもあって、ある程度素の部分も出してもいいような時代にはなったけれども、とはいいつつ、やっぱりファンのみんなには出しちゃいけない部分もあるのかなとは思うので……まあ、私らくらいになったら全然自然体でもいいかな? って平気になって、もう何でも出しちゃうんですけど(笑)。だから、アーティストの中にはあまりこういうことを歌わない人、全部前向きで詞を固めちゃう人もいると思うんですよ。まぁもともと私は昔から、何かマイナス要素があって、それを何かの形で乗り越えて終わらせるという詞を書くのが好きなんです。だから、やっぱりそういうマイナスの部分って自分の中にはあるのかな、と思いますね。そういう詞をよく書きますね、ちょい根暗なんで(笑)。」
May'n:「私もです(笑)。」
奥井:「作る曲暗いって言ってたもんな(笑)。」
May'n:「普通に生きていても、ずっと明るい子っていないなと思うんですね。だから全体的にはすごく明るくてはじけてる感じはあるんですけど、時に切なくなったりちょっと素に戻ったりするというところがすごく好きで、見ていてすごく勉強になりました。」
── 1番ではマイナスなところから気分が上向きになっていって、でも2番ではそれをちょっと諌めるような言葉がでてきたり、と、1番と2番の詞の対比が面白いですね。
奥井:「1番のサビで元気になっていくんですけど。そうなった時に、恋愛でうまくいってて元気になるけど、調子に乗りすぎちゃうといけないよ、というのを2番で歌っていますね。女の子って男の子より心臓に毛が生えてません? 火事場のバカ力を持っているのは女の人の方ってよくいうじゃないですか。そういうところを歌いつつ、まあ母性的な? おねーちゃんメッセージもちょっと交えてね。May'nちゃんのファンには若い男子もいるだろうからそういう子達に向けてのメッセージ、というのもありますね。May'nちゃんだったらそれをサラッと歌っても全然嫌味ないだろうと思って。」
── おふたりが歌われるパートも1番と2番で入れ替えになっていますが、分担の意図は?
奥井:「主題歌になる時大体1番を使うでしょう。フィーチャリングだからまずMay'nちゃんから始まらないと、と1番のAメロはMay'nちゃんのソロにして、Bメロは私……じゃあ間奏あけのソロは自分から、みたいな感じですね。ライヴでふたりで歌うこともイメージして、あまりひとりでボーッとするところが長すぎてもダメかなと。1行ずつ交替で歌うという形もあるんだけど、ちょいちょい歌う人が変わると流れが掴めなくなるのでまとめて歌った方がいいところもあるから、ソロパートはAメロ、Bメロとそれぞれ完結していたほうがいいかなと。でもあまりひとりぼっちじゃさみしいからハモろうかなと。」
── レコーディングは?
奥井:「レコーディングの日がJAM Projectの武道館の2日前だったんですね。私の声の調子もあまりよくなくて、今ここで無理をすると武道館までに戻らないなと思ったので、最初に歌っていた私の仮歌を残して私の歌い方をイメージしてもらって、May'nちゃんの本番を先に録ったんです。全て録り終わって綺麗になったところに私が自分のパートを録りなおしてコーラスを加えたという感じです。May'nちゃんの歌入れは超速かったです! やっぱりうまいから。」
May'n:「いつもと違う環境……スタジオも違うしスタッフさんも違うし、ディレクションしてくださるのが奥井さん!? って思うとすごく緊張しましたね。でも曲自体すごく好きで、たくさん練習もしましたし、歌う場所もたくさんいただけたので、すごく楽しんで歌えました。レコーディングでは、流れというかノリを重視して途中で切ったりせず1曲通して歌ってましたね。元気にいきたいなと思って。この曲をひとりで歌っているならもうちょっと抑揚をつけたりとかするかもしれないですけど、奥井さんとふたりで歌う曲と思うと、そんなにいろいろ考えないでいいかな、疾走感のある曲なので勢いでいっちゃうほうがいいかな、という思いで歌っていました。」
── おふたりの声のハモりが、イメージしていた以上にしっくり溶け合っていてビックリしました!
奥井:「<アニサマ>のリハーサルで何回か一緒に歌った時に、May'nちゃんの声の艶とかトーンとか出し方をなんとなく自分の中でインプットしていたので、May'nちゃんのいいなと思うところにいい意味で寄り添おうと歌っていたところもありますね。いい方を変えると、いただいちゃおうかなって(笑)。今どきの歌い方ってどうかな、って自分なりの勉強みたいなことも無意識にやっていましたね。それは私が元々コーラスの仕事をやっていたこともあるからかな。そういう風に一緒に歌う人のことが見えたりするんです……年齢関係なく、シンガーとして。例えばMay'nちゃんがメインで私がハモる時は、なるべくヴォーカルっぽくは歌っているんですけど、そういうところもちょっと意識しつつ歌っていたりしています。」
May'n:「私も、普段から奥井さんのステージを観させていただいた時の印象とか、ライヴで歌っている奥井さんとか、そういうイメージがすぐ想像できたので、ハモリ部分とか、奥井さんの歌うところを考えながら歌うということは意識しましたね。」
奥井:「どうしても合わない声というのもあるんですけど、May'nちゃんと私の声は、何となく合う声、ちゃんとハモってなじむ声だったのかなって思いますね。」
May'n:「実は1年以上前、May'nとしてデビューした頃、ライヴで歌っていると“奥井さんにすごい似ている”ということを、いろんな場所で言っていただけたんです。ライブで“奥井さーん!”って呼ばれたこともあるし。声とか見た目とか似てるって言われて。」
奥井:「関西顔ってこと? 真ん中の名古屋出身なのに(笑)。」
May'n:「(笑)そういうふうに最初から奥井さんと私のことをみんなが重ねあわせてくれていたんです。そこからどんどんいろんな巡り合わせがあって今回一緒の曲を歌わせて頂くことになったんですけど、同じ曲を一緒に歌わせてもらうことになってみて、改めて、私も奥井さんみたいに歌いたい! どんどんこれから歌っていってこういうふうに歌えるようになれたらいいな! みたいな気持ちがわいてきましたね。」
── 奥井さんのこういう歌い方が好き、ここを見習いたい、みたいなところは?
May'n:「奥井さんの、地声でギリギリのところで出すうぉぉーっていう声、裏声までいかないんだけど地声でいってるギリギリのところが好きなんです。自分自身の声でもそういう部分が好きなんですけど、奥井さんの声でその歌い方をしている時がすごく好きで。男っぽいカッコよさがありながらも色っぽくて、いろんな表情があってカッコいいです。」
奥井:「歌う時のキーって苦しいくらいのところがちょうどいいんだってデビューの頃から当時のプロデューサーに言われていたんですよね。ライヴで歌う時だったらまあ体もあったまっているし勢いで出るかな、くらいのキーに設定しておいたほうが、歌によってはすごく伝わりやすいんじゃないか、って。実際そうやって歌っていると歌える音域が広がっていくし、自分でも好きなんです。昔の歌でもうちょっとキー下げて歌っておけばよかったなって思うこともたまにありますけど(笑)、そういう高いキーはできる限り歌い続けたい、自分の声に挑戦していきたいですね。」
── 逆に、奥井さんがMay'nさんの歌声のここがいい、というところは?
奥井:「私はどちらかというとロックテイストなんですけど、May'nちゃんはソウルフルな部分が歌声にあって。艶っぽい色っぽいところが歌いまわしとかにもあって、自分があまりやらない歌い方で面白いな、今後自分でもやってみたら面白いかもな、と感じるところはありますね。昨年の<アニサマ>で一緒に歌う予定だった曲は「Get along」なんですけど、リハーサルでMay'nちゃんが歌っているのを聴いていると、林原めぐみさんと私だったらそうは歌わないだろう、というMay'nちゃんなりの歌い方があってそれがすごく素敵だった。その印象が強かったんです。May'nちゃんの歌を聴いていると今の若い人の才能というか、時代って進化しているんだなということを、いろんなところに感じますね。大人になると、頭がガチガチになって自分の物差しでしか考えなくなりがちですけど、俺流がありすぎるというのもよくないなと思うんです。柔らかい頭で若い才能や他を素直に認められる大人でいたいなと思いますね。今回一緒に歌ったことで、May'nちゃんの歌声だけじゃなく、歌いまわしとか、そういう部分でもいろいろいただいたところはあったかなと思います。」
◆PVは、「May'nちゃんがカッコいいんです!」
奥井:「“WL”は“LIFE”と“LOVE”の意味です。まず“アッパー”という言葉が出てきて。これ入れたいぞって思ってそこから広げていったんです。『おんたま!』という作品の方から“こうしてください”という縛りはなかったので、自由に考えて、特にMay'nちゃんをフィーチャリングするので、まずMay'nちゃんがカッコよく見える、ということも考えてプロデューサーと相談しながら作っていきましたね。May'nちゃんは歌がうまいから、それを活かせるような曲がいいな。あと“カッコいいのを”というお話もいただいていたので、今までMay'nちゃんが歌ってきたものも参考にさせていただきながら、ありそうでなさそうで……みたいな感じにするのもいいかな? 自分のカラーも出た方がいいしな……といろいろ考えてこうなりました。」
── 作詞・曲は奥井さん。「WILD SPICE」(奥井雅美34作目のシングルで、アニメ『無敵看板娘』主題歌)系のゴリゴリ感のあるロック感じですね。
奥井:「夏だしね。ちょっとロックな感じで、でも女の子の部分もありつつ、という感じ。」
May'n:「カッコいい女の子、みたいな感じがしますね。初めていただいたデモは奥井さんが全部歌ってくれていたんですけど、その時点でもうすっかり出来上がっている感じで、“わー! デモなのにカッコいい!”ってテンションが上がりました。奥井さんぽい曲だなとも思います。普段聴いてすごく好きな感じの曲だし私自身こういうジャンルの歌を歌ってみたいと思っていたので嬉しかったですね。キーとかも本当に自分の好きなところが出せたなと思います。」
── 詞のイメージは?
奥井:「女子への応援ソング。恋したりいろんなことで悩んだり……こういうことって、May'nちゃん世代から私達世代まで、永遠に続くものだと思うんだよね。そういうふうなことを歌いたかった。若い頃は当たり前に恋したりいろんなことがあるけれども、大人になってもそういう気持ちは忘れないでほしい。そんなメッセージをMay'nちゃんと私のふたりで歌うことで、<アニサマ>に来るアニソン大好きな私達世代の人達から、May'nちゃん世代の人達、その間の世代の人達まで……幅広い女子に共感してもらえるんじゃないかなと。そして、男子には、“女の子ってこういうところがあるんだよ”ということをメッセージ的に伝えたかったかなと。」
── 『おんたま!』がまさに、主人公の女の子がそのお母さんとお父さんの若い頃にタイムスリップして、ふたりの間をとりもとうとする、というふたつの世代にまたがるお話なので、そことリンクしている感じもしますね。
奥井:「まあMay'nちゃんと私も親子みたいなものですからね(笑)。」
May'n:「えーそんな!(笑)」
── 詞の口調も今っぽい感じを取り入れてますよね。<落胆↓>とか
奥井:「私、日記とかでも“↓”とか矢印はよく使うので(笑)。」
── May'nさんの世代として、ここはググッとくるというところは?
奥井:「いろいろ反省点も知りたいねん。こういうことは今の女の子はないよ、というところがあったら聞いとかな(笑)。」
May'n:「私自身は、詞を書く時に全部素になるんですけど、これは奥井さんの素の部分でもあるんですか?」
奥井:「んー、まぁ絶対こんな素だと思いますね。」
May'n:「えー! <自己嫌悪で眠れない>というフレーズとか、すごく好きなんですけど、奥井さんもそういうところがあるのかなって。」
奥井:「みんなあるんじゃなぁい?? 私達みたいな仕事の人ってそれぞれの“アーティスト”イメージがつくよね。May'nちゃんも、そういうアーティストとしてのイメージってあると思う。今はブログとかもあって、ある程度素の部分も出してもいいような時代にはなったけれども、とはいいつつ、やっぱりファンのみんなには出しちゃいけない部分もあるのかなとは思うので……まあ、私らくらいになったら全然自然体でもいいかな? って平気になって、もう何でも出しちゃうんですけど(笑)。だから、アーティストの中にはあまりこういうことを歌わない人、全部前向きで詞を固めちゃう人もいると思うんですよ。まぁもともと私は昔から、何かマイナス要素があって、それを何かの形で乗り越えて終わらせるという詞を書くのが好きなんです。だから、やっぱりそういうマイナスの部分って自分の中にはあるのかな、と思いますね。そういう詞をよく書きますね、ちょい根暗なんで(笑)。」
May'n:「私もです(笑)。」
奥井:「作る曲暗いって言ってたもんな(笑)。」
May'n:「普通に生きていても、ずっと明るい子っていないなと思うんですね。だから全体的にはすごく明るくてはじけてる感じはあるんですけど、時に切なくなったりちょっと素に戻ったりするというところがすごく好きで、見ていてすごく勉強になりました。」
── 1番ではマイナスなところから気分が上向きになっていって、でも2番ではそれをちょっと諌めるような言葉がでてきたり、と、1番と2番の詞の対比が面白いですね。
奥井:「1番のサビで元気になっていくんですけど。そうなった時に、恋愛でうまくいってて元気になるけど、調子に乗りすぎちゃうといけないよ、というのを2番で歌っていますね。女の子って男の子より心臓に毛が生えてません? 火事場のバカ力を持っているのは女の人の方ってよくいうじゃないですか。そういうところを歌いつつ、まあ母性的な? おねーちゃんメッセージもちょっと交えてね。May'nちゃんのファンには若い男子もいるだろうからそういう子達に向けてのメッセージ、というのもありますね。May'nちゃんだったらそれをサラッと歌っても全然嫌味ないだろうと思って。」
── おふたりが歌われるパートも1番と2番で入れ替えになっていますが、分担の意図は?
奥井:「主題歌になる時大体1番を使うでしょう。フィーチャリングだからまずMay'nちゃんから始まらないと、と1番のAメロはMay'nちゃんのソロにして、Bメロは私……じゃあ間奏あけのソロは自分から、みたいな感じですね。ライヴでふたりで歌うこともイメージして、あまりひとりでボーッとするところが長すぎてもダメかなと。1行ずつ交替で歌うという形もあるんだけど、ちょいちょい歌う人が変わると流れが掴めなくなるのでまとめて歌った方がいいところもあるから、ソロパートはAメロ、Bメロとそれぞれ完結していたほうがいいかなと。でもあまりひとりぼっちじゃさみしいからハモろうかなと。」
── レコーディングは?
奥井:「レコーディングの日がJAM Projectの武道館の2日前だったんですね。私の声の調子もあまりよくなくて、今ここで無理をすると武道館までに戻らないなと思ったので、最初に歌っていた私の仮歌を残して私の歌い方をイメージしてもらって、May'nちゃんの本番を先に録ったんです。全て録り終わって綺麗になったところに私が自分のパートを録りなおしてコーラスを加えたという感じです。May'nちゃんの歌入れは超速かったです! やっぱりうまいから。」
May'n:「いつもと違う環境……スタジオも違うしスタッフさんも違うし、ディレクションしてくださるのが奥井さん!? って思うとすごく緊張しましたね。でも曲自体すごく好きで、たくさん練習もしましたし、歌う場所もたくさんいただけたので、すごく楽しんで歌えました。レコーディングでは、流れというかノリを重視して途中で切ったりせず1曲通して歌ってましたね。元気にいきたいなと思って。この曲をひとりで歌っているならもうちょっと抑揚をつけたりとかするかもしれないですけど、奥井さんとふたりで歌う曲と思うと、そんなにいろいろ考えないでいいかな、疾走感のある曲なので勢いでいっちゃうほうがいいかな、という思いで歌っていました。」
── おふたりの声のハモりが、イメージしていた以上にしっくり溶け合っていてビックリしました!
奥井:「<アニサマ>のリハーサルで何回か一緒に歌った時に、May'nちゃんの声の艶とかトーンとか出し方をなんとなく自分の中でインプットしていたので、May'nちゃんのいいなと思うところにいい意味で寄り添おうと歌っていたところもありますね。いい方を変えると、いただいちゃおうかなって(笑)。今どきの歌い方ってどうかな、って自分なりの勉強みたいなことも無意識にやっていましたね。それは私が元々コーラスの仕事をやっていたこともあるからかな。そういう風に一緒に歌う人のことが見えたりするんです……年齢関係なく、シンガーとして。例えばMay'nちゃんがメインで私がハモる時は、なるべくヴォーカルっぽくは歌っているんですけど、そういうところもちょっと意識しつつ歌っていたりしています。」
May'n:「私も、普段から奥井さんのステージを観させていただいた時の印象とか、ライヴで歌っている奥井さんとか、そういうイメージがすぐ想像できたので、ハモリ部分とか、奥井さんの歌うところを考えながら歌うということは意識しましたね。」
奥井:「どうしても合わない声というのもあるんですけど、May'nちゃんと私の声は、何となく合う声、ちゃんとハモってなじむ声だったのかなって思いますね。」
May'n:「実は1年以上前、May'nとしてデビューした頃、ライヴで歌っていると“奥井さんにすごい似ている”ということを、いろんな場所で言っていただけたんです。ライブで“奥井さーん!”って呼ばれたこともあるし。声とか見た目とか似てるって言われて。」
奥井:「関西顔ってこと? 真ん中の名古屋出身なのに(笑)。」
May'n:「(笑)そういうふうに最初から奥井さんと私のことをみんなが重ねあわせてくれていたんです。そこからどんどんいろんな巡り合わせがあって今回一緒の曲を歌わせて頂くことになったんですけど、同じ曲を一緒に歌わせてもらうことになってみて、改めて、私も奥井さんみたいに歌いたい! どんどんこれから歌っていってこういうふうに歌えるようになれたらいいな! みたいな気持ちがわいてきましたね。」
── 奥井さんのこういう歌い方が好き、ここを見習いたい、みたいなところは?
May'n:「奥井さんの、地声でギリギリのところで出すうぉぉーっていう声、裏声までいかないんだけど地声でいってるギリギリのところが好きなんです。自分自身の声でもそういう部分が好きなんですけど、奥井さんの声でその歌い方をしている時がすごく好きで。男っぽいカッコよさがありながらも色っぽくて、いろんな表情があってカッコいいです。」
奥井:「歌う時のキーって苦しいくらいのところがちょうどいいんだってデビューの頃から当時のプロデューサーに言われていたんですよね。ライヴで歌う時だったらまあ体もあったまっているし勢いで出るかな、くらいのキーに設定しておいたほうが、歌によってはすごく伝わりやすいんじゃないか、って。実際そうやって歌っていると歌える音域が広がっていくし、自分でも好きなんです。昔の歌でもうちょっとキー下げて歌っておけばよかったなって思うこともたまにありますけど(笑)、そういう高いキーはできる限り歌い続けたい、自分の声に挑戦していきたいですね。」
── 逆に、奥井さんがMay'nさんの歌声のここがいい、というところは?
奥井:「私はどちらかというとロックテイストなんですけど、May'nちゃんはソウルフルな部分が歌声にあって。艶っぽい色っぽいところが歌いまわしとかにもあって、自分があまりやらない歌い方で面白いな、今後自分でもやってみたら面白いかもな、と感じるところはありますね。昨年の<アニサマ>で一緒に歌う予定だった曲は「Get along」なんですけど、リハーサルでMay'nちゃんが歌っているのを聴いていると、林原めぐみさんと私だったらそうは歌わないだろう、というMay'nちゃんなりの歌い方があってそれがすごく素敵だった。その印象が強かったんです。May'nちゃんの歌を聴いていると今の若い人の才能というか、時代って進化しているんだなということを、いろんなところに感じますね。大人になると、頭がガチガチになって自分の物差しでしか考えなくなりがちですけど、俺流がありすぎるというのもよくないなと思うんです。柔らかい頭で若い才能や他を素直に認められる大人でいたいなと思いますね。今回一緒に歌ったことで、May'nちゃんの歌声だけじゃなく、歌いまわしとか、そういう部分でもいろいろいただいたところはあったかなと思います。」
◆PVは、「May'nちゃんがカッコいいんです!」
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