清春:最愛作、誕生。『FOREVER LOVE』特集【Interview】
清春:「TATTOO」と「Lorelei」以外は全部そうなってます。それだけだったんだ、そのとき残したかったものが。自分にも、結果的にレコーディング中に他界しちゃった父にも。居なくなった後も父が聴いてる。そんな歌でありたいなと思って。
清春:そうだね。順番的には「輪廻」を先に書いてて、このときは生まれ変わり、輪廻転生したらいいなとまだ希望を持ってるんだけど。父の病状も悪化していって日々衰えていくんで。それとレコーディングがシンクロしていった状態だね。マンスリー(ライヴ)もそことシンクロしてたんだけど。レコーディングはまだよかったの。歌詞を書くことで落ち着けてたから。ただ歌入れだとかライヴは集中できない自分が嫌だった。夏頃から(父が)危険な状態になったときが5~6回あったのね。でもライヴは飛ばせないからさ。ライヴを飛ばすというのは父も母も反対だと思うし。9月の終わりに他界したんだけど……レコーディング厳しかったね。でも結果的に“間に合った”というは自分の中では大きいんだ。これ、遅れてたら父もね、自分のせいだと思っちゃうでしょ。“仕事に行きなさい”ってことはずっといってたし、書いてくれてたから。完成してよかった。
清春:それで落ち着けた。仕事してるとき以外の僕らの普段の普通の生活や行為が、最期のほうは父にはまったくできない状況だったので、それを普通にしてる自分が後ろめたい気分だった。だから“仕事しなさい”といってる父に対して、父に対しての歌詞を書いてるときがもっとも後ろめたくない時間だった。僕の目標は父に「輪廻」を聴かせることだったのね。アルバムまでは、月が経つにつれて無理だってことが分かったんで。でも意識があるときに「輪廻」を届けられてよかった。でもさ、ホントはアルバムを聴く前にこんな話をすると暗くなってしまうじゃない?(笑) でも歌詞見るとすぐに分かるし、公式にも発表しちゃってるんでね。だから思ってることをいま話してるんだけど。このアルバム録ってるときは父のことしか頭になかったから。
清春:永遠の愛、永遠の命。最初は“リンカネーション“にしようと思ったんだけど、いまは生まれ変わるというよりは“ずっと生きてる”っていう感覚なの、僕的に。永遠の命をもらいにいったのかなって。今回、周りに助けてくれる人がいっぱいいて。そういう自分も幸せだったし。僕、前作のときに“(音楽活動は)もういいかな”ってのがあったりしたんだけど、“待ってる人がいるんだ”って改めて父が教えてくれた気がする。生きていく上で、これがあるから嫌なことがあっても頑張れる、忘れられるというものの一つに僕の音楽があるんであれば、ミュージシャンというものの死も自分で幕を引くものじゃないというのも教えられた半年だった。このアルバムが間に合ったのも、きっと待ってるファンに早く会いたいという気持ちが強くあったからなの。黒夢5枚、サッズ5枚。これまで5枚目はラスト・アルバムだったんだけど、これでそこを越えられたから、いまはゼロっていう感覚なのね。次で本当に新しく踏み出せる。結果的に父がそうさせてくれたのかなって気もする。だから、ものすごく前向きな、永遠の希望に満ちた気分なんだよね、いまは。なので、早くみんなの前に立ちたい。
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