やなわらばー、「夢を見た」インタビュー

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■INTERVIEW

──この楽曲、優さんが見た夢から誕生したそうですね。

優:変な話なんですけど、一時期、大切な人たちが亡くなっていく夢ばかり見てたんですよ。起きてもまだ、夢と現実が入り交じっているような感覚があって、毎日泣きじゃくりながら目を覚ましてしまうんです。しかもその夢を観るたびに、“なんであんなことを言ってしまったんだろう”“もっと優しくしておけば良かった”と、夢で経験した出来事を思い返してしまうんですね。きっとその夢って、私の亡くなったばあちゃんが“現実でそういう想いをさせたくないから”ということを、私へ伝えようとしたのかな…と思ったんです。

──毎回おばあちゃんが夢の中へ出て来たんですか?

優:うちのばあちゃんは、音楽が好きで歌い手になりたかったんだけど、石垣島で生きてくんで、アーティストとしての夢を棄てなきゃいけなかった人なんですよ。今は石垣島でも自由に音楽を楽しめる環境があるけど、ばあちゃんが若い頃は、そんな自由な環境じゃなかったんです。ばあちゃんは、私が音楽好きなのを知ってたけど、音楽活動を本格的に始める前に亡くなってしまったんですね。私自身、こうやって音楽活動を演ってる姿をばあちゃんに見せたかったので最初夢に出てきたときは、すごく嬉しかったんです。だけどその後から、大切な人たちが亡くなっていく夢を見るようになって。その夢をきっかけに、改めて身近な人たちの大切さを考えるようになっって、この「夢を見た」という曲が生まれまたんです。不思議なことに、この曲を作っていく段階で哀しい夢も減っていき、この作品が完成する頃にはピタッと止まったんですね。

梨生:この「夢を見た」は、やなわらばーでは初めてのラブソングなんです。といっても、男女の愛だけじゃなくて大きな愛を歌っているので、いろんな世代の人たちがスーッと入っていける内容になってます。だからこの楽曲を通して“幸せな瞬間”をいろんな人たちに感じてもらえたら嬉しいですね。

優:家族や恋人、友だちでもそう。ちょっと言いすぎたり、些細なことで喧嘩をしたり。謝りたくても、なかなか素直に謝れないときってあるじゃないですか。そんなときにこの歌を聴いて、素直な気持ちになってくれたら嬉しいなと思います。

──最初はシンプルに始まって次第に楽曲のスケール感が増し、最後には大きな愛で包まれていくような温もりを感じます。

梨生:アレンジャーのNaoki-TさんやプロデューサーであるケツメイシのRYOJIさんの手が加わったことで、8人のストリングス奏者や胡弓、三線、和太鼓などが入り混じってスケールの大きなアレンジになっていったんです。うちらもまた、いろんな歌い方を試して、楽曲に溶け込めるスタイルを探していきました。この経験があったので、声の表情次第で楽曲もいろんな輝きを放つんだということがよくわかりました。ライブでは唄うたびに、そのときごとの表情を伝えていけそうかなと思います。

優:実はこの歌、「拝啓○○さん」のシングルを制作してるときに、「悲しみよ 風になれ」と一緒にC/Wに入れようと思ってたんですよ。でも、この曲がすごくいい仕上がりになったので、RYOJIさんが“C/Wにしておくのはもったいないから、次のシングルにしよう”と言って、今まで取っておいたんです。それくらい大好きな、おっきな手応えを得た楽曲でした。

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