1. 流転 2. 大地の囁き 3. 敦煌 4. 最初から今まで 5. 花 6. 疏勒川 7. 莫高窟 8. Romantic Energy 9. ヤルダンの天女 10. 異邦人 11. 陽関古道 12. 花まつり 13. 月牙泉 14. 花まつり 15. 月牙泉 16. コンドルは飛んでいく 17. 盛唐楽坊 18. 十面埋伏 19. LOVERS ※DVD付
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| ――世界各国を廻って忙しかったと思うのですが、『敦煌~Romantic Energy~』のレコーディングは一体いつしていたのですか?
張:10~11月ですね。今回のレコーディングでは自分の体力の限界、精神力の限界に挑戦しましたね!
周:楽譜をもらってリハーサルで練習して、それからレコーディングに入るんですけど、プロデューサーがインスピレーション豊かな人でよくアレンジを変えるんです。つまりその都度楽譜も変わる。そうなると別のメンバーがレコーディングしている間に変更後の楽譜で練習をしてまたレコーディング、というのが何回もありました。
――以前、デビューアルバムも大変だったってお聞きしましたが、それよりも?
張:比べ物にならないくらい、今回のほうが大変! レコーディング最中にステージもあったし、前作よりもいいものを…と欲も出ていたので大変でした。
――よりよくするために意識したところは?
張:前作2作までは“いかに美しい音色を出すか”“いかに美しいメロディを再現するか”に集中していたんですが、今作は“いかに自分達の音で物語を伝えられるか”に力を入れていたので、そこが大変でした。
周:今回のアルバムは、主に“敦煌”にまつわるストーリーで構成された作品なんです。
――雄大な土地、シルクロードの町というイメージがありますが、敦煌は中国の人にとっても特別な場所なんですか?
▲プレゼント用にサイン中! 上の画像を | 周:ええ。砂漠の大画廊といわれる“莫高窟(ばっこうくつ)”や、三日月の形をしたオアシス“月牙泉”など世界遺産、自然保護になっているところがあるので特別な感じがします。あと、ビデオ撮影した砂漠のヤルダンは、許可されたパスがないと入れなくて、誰もが入れるという場所じゃないんです。そういう悠久の歴史あるところに自分達の足跡を残せたのはラッキーでしたね。
張:シルクロードや敦煌は、私たちの使ってる古典楽器にとっても重要な土地なので、そこで演奏できたってことは、今後の演奏にも役に立つと思います。
――なるほど。今回、アルバム収録曲には、GLAYのTAKUROと、喜多郎がそれぞれ書き下ろした曲がありますね。かたやロックバンドのギタリスト、かたや雄大な音を得意とするシンセサイザー奏者として有名ですが、すごくタイプの違う2人です。この2曲で受けた印象の違いはありましたか?
張:全然違った印象を受けました。喜多郎さんの「大地の囁き」は過去を回顧するというか、過去から現在のストーリー性があるものなんですけど、TAKUROさんの「流転」は現在の音だ、と感じました。
周:年齢の差も関係してると思います。喜多郎さんは中国の音にも自分のイメージをしっかり持っている方なので、メロディもきれいだと思いました。TAKUROさんは若い人なので、音は非常に現代的。とても個性が強いと感じました。
――ほかに「花」(ORANGE RANGE)や「異邦人」(久保田早紀)などのカヴァー曲もありますが、原曲を聴いてからレコーディングするんですか?
周:はい、先に聴きます。原曲はどういったイメージで、どういったメッセージ性を持っているものなのかを知った上で自分達の音で表現するために、聴いてますね。
――今回、アルバムの中で新しく挑戦したと思った曲は?
周:「疏勒河(そろくがわ)」ですね。私は古琴を演奏してるんですが、この曲のメロディラインは中国古典楽器にないメロディラインなんですね。一回で2オクターブの音を出さなくてはいけないので、同時に2本の弦を押さえなければいけなくて。それは新しい挑戦でしたね。
張:私は「ヤルダンの天女」ですね。この曲は哀愁を帯びたストーリーがあるんです。なのに、私の性格は開放的でおおっぴらなので(笑)、この曲を取り入れて、成熟した女性をいかに表現するか、私にとって新しい挑戦でした。
――そして、このアルバムを引っさげ、日本ツアーが3月から始まりますが、どんなツアーになりそうですか?
張:新しいアルバムの楽曲をいっぱいしたいので、コンサート自体もストーリー性のあるものにしたいと思ってます。
――世界各国でコンサートをされましたが、あらためて思う日本の観客とは?
周:日本の観客の前で演奏するのは簡単ではないです。鑑賞レベルが高い。自分達が用意周到でいかないと。全身全霊で臨まないと。音響もすばらしいので、自分の演奏技術もしっかりしていないといけないですよね。
取材・文●星野まり子 |
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