| フジファブリックのメンバーからコメントが到着しました!!! |
|
| ――今日(11/10)は、記念すべき1stアルバムの発売日ですね!
志村: 実は今日、この取材に来る前にCD屋に寄って僕らのアルバムが並んでるのを確かめてきたかったんですけど、時間がなくって。実は、僕が中学生くらいにMDが流行り出したんですが、その時に一番高いMDを買って、ずっととっておいたんですよ。ちょっと恥ずかしい話なんですが(笑)…、「僕がいつかメジャーデビューする時に、そのアルバムをここに入れよう」と思って。
山内: おお~、エエ話やなぁ、それ。初耳やし(笑)。
――そんなアルバムが完成した今の率直な感想を!
志村: いろんなタイプの曲が入っていて、飽きのこない作品になったなと。自分で言うのも何なんですが(照笑)、何度も聴きたくなるようなアルバムができました。
――自身が納得のいく作品を作るには、制作過程でいろんな苦しみがあったと思うんですけど。
山内: 僕ら楽器陣は、各自が家でやっていることが大きく影響すると思うんです。で、レコーディング現場で志村くんが作詞をしてる風景を見て、だいぶ悩んでるようでしたね。
――その悩みどころとは?
志村: 一曲一曲に想いを込めて書いているので、表向きのところでも深いところでも、あまり同じようなことを言いたくないっていうのがあったんですね。それは音楽をやる以前に自分の考えがしっかりしてないとできないと思うんです。あとは、フジファブリックの曲は、自分の意見を押しつけるというよりも、聴いた人がいろんな風に受け取れるものでありたいんですね。例えば、日常の中の一場面を切り取ったようなものだったり、その時その時に自分が感じた想いを描いたり。それは意識してというより自然にやっているところなんですが…。
――こだわり派のロックバンドとしては、曲順にもこだわっていると思うんですが。
山内: 大事ですよね。曲が出揃った時に、メンバー各々で好きな曲順を決め合ったんです。他の人に見えないようにしたりして(笑)。そうやってみんなで出し合った意見を基に、最終的に今の曲順に決まったという感じですね。
志村: この曲順にしたことによって、アルバムの世界観がより膨らませられたんじゃないかなと思います。
――アルバムの中で、スムーズに出来上がった曲と難産だった曲は?
志村: 「陽炎」は、けっこうすんなりできましたね。この曲を作った翌日に、新曲用の“デモテープ発表会”を控えていて(笑)、「ヤバイ…、新曲がない」って言いいながら夜中に家で一人でピアノを弾いてたんですよ。そしたら、30分くらいでこの曲のメロディが降りてきて、歌詞も同時にスラスラできました。難産だった曲は……、「赤黄色の金木犀」。自分で作ったデモのヴァージョンは、なかなか好きになれなくて。でも、バンドでサビのテンポを少し速くして録ったら、すごくいい感じに聴こえて、好きになれたんですよね。
――フジファブリックの考える、“いい曲”の基準とは何ですか?
山内: みんながいい曲だと思っていると、演奏もノッてくるんですよ。だから、その曲に対してメンバー全員がノッて演奏してる曲が“いい曲”なんじゃないかと。
志村: 僕は、自分自身にあるんです。後で自分が聴いた時に、何度も繰り返し聴きたくなるような作品を作る……。でも、批評家的にはなりたくなくて、いち音楽リスナーとして、いい音楽を作りたいと常に思っているんです。
――そんなフジファブリックのみなさんが、いい音楽を作るために普段の生活で心がけていることは何ですか?
志村: 本を読んだり、映画を観たり、人並みにいろいろやってますけど、何事も無関心になってしまうことが一番恐いんです。何も感じなくなる人間にはなりたくないですね。映画では、スタジオ・ジブリものの作品が好きです。いい映画を観終わった後って、なんかすごくいい気分になって、デカい音でギターをかき鳴らしたくなったりするんですよ(笑)。
山内: 僕は本を読むことですかね。別に、「本、読むぜ」とか気合いいれて読んでるわけではないんですが(笑)。宮部みゆきさんの小説は好きですね。本じゃない時は、音楽を聴いたりもしています。でも、どっちかしかできないんですよ。集中して聴いたり、読んだりするので。
――その辺のこだわりは、CDのジャケットにも表われていると思うんですが。アートディレクションには志村さんの名前もありますね。
志村: 僕と紫宮夏希さんというデザイナーと、いろいろディスカッションしながら作ったんですけど。CDの帯に小さな微生物を入れるべきか、入れないかで、何時間も電話で言い合いしたり(笑)。
山内: そうそう(笑)。志村くんはバンドの中でそういう独特の世界観を持っているので、一番のアイデアマンですね! 取材・文●水越真弓 |
|