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イギリス、ロンドンの南に位置するサリー州出身。6歳からピアノを弾き始め、10代になると独学でギターを習得、ベッドルームに作った簡易スタジオでオリジナル曲のレコーディングを始める。15歳でロンドンの高級レストランでピアノを弾き、客の気をそらすことなく自然に演奏をこなす術をマスターしていた。

「最初はギグをしているようなノリでピアノを思いっきり弾きまくってた。でも4時間も立て続けに弾かなきゃいけなかったから、自分自身も楽しみながら演奏をすることを学んだよ。即興で弾くことも多かったけど、60~70曲はレパートリーができたよ」と彼は笑いながら当時を振り返る。

エルトン・ジョンやビリー・ジョエルのようなクラシックなポップ・ソングをジャズ風にアレンジしたり、あるいはミートローフのようなハードな曲をポップ調に弾いたり。「そこで僕は人前で演奏することの喜びを知ったんだ。人が僕の音楽を楽しんでくれるから、僕も演奏していて楽しい。まぎれもない真実だよ。」

最初に見たミュージック・ビデオはレッド・ホット・チリ・ペッパーズ、最初のライヴ体験はネリー、初めてのフェスはレディング05。そう語るスティーヴの音楽ルーツはジャズに始まり、クラシック・ポップソング、ロック、レゲエ、サーフ・ミュージック、ドラムン・ベースとあらゆる音楽をのみ込んできたと言っても過言ではない。影響を受けたアーティストとして名前を挙げるのも、ボブ・マーリーに始まり、ジェイソン・ムラーズ、ジャック・ジョンソン、ダフト・パンク、アークティック・モンキーズと貪欲なまでに全ての音を吸収してきた。

「僕の友達はドラムン・ベースかロックか、あるいはヒップ・ホップのどれかのジャンルだけを好きで聴いていた。でも僕はどのジャンルも全部好きだったから、すべての音楽ジャンルを聴きたかった。僕は全てのジャンルをブレンドする。色んな要素も持っている自分の曲を誇りに思ってるよ。」

その言葉を実証するかのように、デビュー・シングル「ダーティ・ファンク~パーティは終わらない!」はあらゆるスタイルの音楽を一度に聴くことができてしまうトラックだ。最高のソングライターにしか奏でられない極上のメロディに、きらめく太陽を感じさせるヴァイブ、そこにファンキーなドラムン・ベースのリズムが体を突き上げる。さらにモダンでアーバンなリリックは、一度きりしかない“今”という時間を捉え、燃えるような輝きと希望の物語を伝えている。

しかし、その物語はどこから生まれてきたのだろう。
2007年。高校卒業を迎えた夏。彼の元に殺到したレーベル・オファーの中からRCAと契約を結ぶ。友人の多くが大学への進学の道を選ぶ中、音楽の道を選んだスティーヴ。契約翌日彼が取った行動は、親しい友人たちとともに、鉄道にのりヨーロッパを巡る旅だった。それぞれの道へ歩み始めるその夏、彼らは友人同士で「一度きりしかない時間」を賑やかに過ごすことを選んだのだ。

「僕の曲は全て実際に経験したことがベースになっている。でも全てを恋愛や欲望や別れについての歌にしたくなかった。アルバムのタイトル・トラック「When The Sun Comes Up」はティーンエイジ・ライフを歌った曲だよ。このアルバムにつまった音は、朝の5時までクラブで騒ぐ音であり、街を走る深夜バスの音でもあり、働き詰めの一日を迎える小奇麗な通勤者たちを横目で見ながら、満足した気持ちで座る始発の地下鉄の音でもあるんだ」。

誰もが経験する青春を歌う曲。モダンであり伝統的、エレクトロでありアコースティック。そして、今だけのものであり永遠のものでもあるのだ。

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