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カナダはトロント出身の新人4ピース・バンド、パイレート。ウエスト・オンタリオ大学で音楽を専攻していたトッド・クラーク(Vo/G)を中心に、1999年に結成された。トッドは大学でヴォーカルのトレーニングを受けたという本格派。トッドはニュージーランド出身で、カナダのユニオンヴィルにある大学に通っていたが、卒業後トロントに移り住む。これを期に新天地でバンドを始めようと一念発起。

メンバー募集はインターネットで行ったというから、今様である。最初に名乗りを上げたのが、ベーシストのルビー・バムラー。彼もまた、音楽のトレーニングを受けたツワモノだった。ルビーは当時トロントにあるオンタリオ・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン(OCAD)に通っており、彼の友人で、ギタリストのクリス・グリノーをバンドに誘い入れた。ドラマーはメンバー・チェンジを経て、最終的にビル・キーリーを迎える。

ビルが加入する直前、パイレートは『For All That's Given Wasted』というEPをリリースしている。これはダークでエモーショナルなポップソング6曲を収めたEPで、トッドのファルセット・ヴォイスが評判となり、その完成度に人々の注目が集まった。EPは即完売し、バンドは期せずしてトロントのクラブ・シーンでスポットライトを浴びるようになる。

『Caught By The Window』のレコーディングは2003年初頭に開始され、トロントのUmbrella Sound Studioで行われた。プロデュースはJoao Carvalho、マスタリングはGreg Calbi(Bob Dylan、Yoko Ono、Lou Reed、The Strokes)が手掛けた。アルバムは「End Game」で幕を開け、希望と喜びに満ち溢れたキラーチューン、「Into Your Hideout」や、ジャム・バンド顔負けの熱いセッションが繰り広げられる「Don't Waste Your Breath」、崇高なムードの「Collide」、軽快な「Overrated」など起伏に富んだ楽曲が展開され、フィナーレの「A Reprise」に収束して行く。この作品は、UKロック的なアンニュイでメランコリックなサウンドをベースに、対照的な明るくキャッチーなポップ・リフを乗せることで、得がたい魅力を滲ませている。トッド・クラークの素晴らしいヴォーカルと、クリス・グリンノーの澄み渡るギター、ビル・キーリーのアップリフティングなドラム、ルビー・バムラーの流麗なベース・・・各々のメンバーの個性は、確かな演奏力に裏付けられており、正にこのことが楽曲の素晴らしさを際立たせている。軽快でメロディアスながらじっくり聴きこめる1枚だ。

『Caught By The Window』はこのアルバムからシングル・カットされたシングル『Into Your Hideout』は、カナダのロック・ラジオ局で8週間に渡りTOP10内にランク・イン。2004年、カナダで最もヒットしたロック・ソングのひとつになった。また、この曲のPVはカナダのMTVにあたるMUCHが選ぶ〈マッチ・ミュージック・アウォード〉で「最優秀インディーズ・ビデオ賞」を獲得した。