[INTERVIEW Part 2]

──そうなるといいですね。さて、今回「Lookin’ On The Sunny Side」ではパッヘルベルの「カノン」のリメイクもされて
たりもしますよね。
t-kimura:
そうなんですよ。この曲は、制作前のミーティングで、何か面白いことやってみようよって話になって、カヴァ
ーやリメイクを1曲入れようという案が出たんです。でも、実際どんな曲をリメイクするかで相当悩んだんですよ。ラップ・
ヴォーカルなんで、昔の曲でカヴァーできる曲ってなかなかないんですよね。’90年代以降の曲をカヴァーしてもあまりイン
パクトないし。そこで、もともと好きだったクラシックとかバロックを使ってみようと思ったんです。実は僕、12年前にもハ
ウスで「カノン」のリメイクをしたことがあったくらい好きな曲なんで、今回それをmove風にアレンジしてみたんです。
──原曲の優しさをそのままに、moveの持つ音と歌の魅力が活かされてますよね。
t-kimura:
そここそが狙いだったんですよね。やっぱり、音楽を作り出していく人間は、その人の聴いてきた音の年輪みたい
なモノが出せてこそ、そこにその人が作る意味があると思うんですよ。僕やmotsuも長く音楽やってますからね、自分達が通
ってきた音を、今後も自分なりに噛み砕いた状態でいろいろとミックスさせていけたらいいなと思ってますね。
──次にアルバム・タイトルについですが、『BOULDER』はyuriさんが付けたそうですね。
yuri:
はい。今回は絶対にタイトルはyuriが付けてやろうと思ってました(笑)。BOULDERって、直訳すると“丸い石”の
ことなんですよ。ロック(岩)のゴツゴツした角を、3人の個性で削って丸く滑らかにしていけたらいいなという意味も込
めて提案したんですけど、2人ともすごく気に入ってくれて、これに決定したんです。まさに、今のmoveそのものみたいな
タイトルだし、このアルバムを物語っていると思いますね。
──moveは今年で結成8年目になるわけですけど、今後お互いに望むことはありますか?
t-kimura:
音楽面ではとくにないけど、motsuは(ネットで)変な動画をダウンロードするのはやめて下さい。
motsu:
kimuraさんはお酒を控えて下さい(笑)。そして、yuriちゃんは浪費癖をなんとかして下さい(笑)。
yuri:
はぁーい(笑)。motsuさんは遊び癖を控えて下さい(笑)。kimuraさんは、これからも優しくて、大きな気持ちで
包んでくれるkimuraさんでいて下さい!
t-kimura:
はい。最近ちょっとお腹ばっかり大きくなってきてるんでね、心を大きく持てる人間になっていきたいと思って
ます(笑)。
取材・文●武市尚子