アンセム、渾身の新アルバムを完成!

2004.07.23 03:26

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心地よい殺気の中で気の遠くなるようなレコーディングを経て作り出されたニューアルバム


来年デビュー20周年を迎えるベテランのヘヴィメタルバンド、アンセムが、
自分たちの信じるロックを突き詰めたアルバム『エターナル・ウォリアー』を完成させた。
同じ地点にいることを嫌い、納得いくまで何度も録り直しを繰り返すことで
レコーディングに約4カ月間もかかって完成された今作は、
あらゆる妥協を排除したアンセムにしかできないヘヴィメタル・アルバムになった。
煮詰まってしまったバンドの危機を乗り越えるため、
過激ともいえるカンフル剤を注入したのだ。
このアルバムにかけた情熱を
リーダーの柴田(B)と坂本(Vo)に直撃した。

自分たちが納得できるものを作るには、この方法しかなかった。【PART.1】

アンセムからのコメント映像!
コメント映像、スタート!

▲上の画像を

最新アルバム



『エターナル・ウォリアー』

VICP-62775 \3,045(tax in)
2004年7月21日発売

01.オンスロート
02.エターナル・ウォリアー
03.ソウル・クライ
04.ライフ・ゴーズ・オン
05.レット・ザ・ニュー・デイ・カム
06.ディストレス
07.ブリーディング
08.オメガ・マン
09.イージー・マザー
10.マインド・スライド

ライヴ・スケジュール


<ANTHEM TOUR 2004>
●8/25(水)福岡 DRUM Be-1
[問]キョードー西日本 092-714-0159
8/27(金)大阪 BIG CAT
[問]キョードー大阪 06-6233-8888
8/28(土)名古屋 E.L.L.
[問]グランドライン 052-935-7558
8/29(日)松本 ALECX
[問]メディック 0266-28-3496
9/4(土)川崎 CLUB CITTA’
[問]044-246-8888

<インタビュー PART.1>

――再結成してからこれで3作目。アンセムらしい出来で感動しました。音がすごく良いですね。レコーディングはこれまでにない方法だったということですが。

柴田直人(以下、柴田):これだけ長期間やっていると、ある程度のラインでアンセムらしいアルバムを作ることは簡単にできちゃうんですが、去年一年間ずっと、そういうことに危機感を感じていたんです。“継続は力なり”っていいますが、続けてりゃいいってもんじゃないと。そういう慣れをぶち壊すために、今までのノウハウは一切捨ててやってみようと。リハーサルもそこそこに、曲のアレンジも作り終えずに、それで何ができるかということに賭けようと思ったんです。

――すべてヘッドアレンジでレコーディングに向かったということですか。

柴田:レコーディングの前日に集まって、ああしようこうしようと決めて、翌日にそれを延々録音していくんです。悪い言い方をすれば“行き当たりばったり”ですね。でも狙いとしては、閃いたものをすぐに録音するということだったんです。練っちゃうと、今までのセオリー通りのものができてしまう気がして。

――レコーディングに時間がかかりそうですね。

柴田:いつ終わるかまったく分からなかったし、本当に終わるかどうかも分からなかったですね。でき上がりの予想図がないので、闇の中を疾走しているようなカンジ。その時閃いた勘だけが頼りですから。それで録音後にロンドンでミックスダウンをしたんですが、そこで聴いてみて初めて、とんでもないものができ上がったことがわかったんです。それを持ち帰ってメンバーに聴かせたところ、今までになかったほど興奮していましたね。結果的にはすごくバンドらしくて音もいいし、緻密に作ってあるように思われるかもしれないけど、実はまったく逆の方法論で作ってあるんです。むき出しのバンドの音ができたと思います。

――だから一曲が長いんですね。

柴田:今までは“ギターソロは短くてもいいだろう”とか、“もう長くなるからAメロに戻らなくてもいいや”ということがあったけど、今回はそういうことも関係なし。結果的にイントロは長いしソロは長いし、曲自体が長くなりましたね。今までのアンセムらしくありながらも、それとはまったく違うという印象ですね。

――実際レコーディングはどれくらいの時間をかけたんですか。

柴田:お正月明けから入って、ロンドンでミックスダウンが終わったのが4月中旬でした。ヴォーカル録りは最後だから、(坂本)英三は大変だったと思いますよ。前の日まで歌詞どころかメロディすらないわけですから。

――坂本さんは今回のやり方についてどうだったんですか。

坂本英三(以下、坂本):ヴォーカル録りは2月中旬から2カ月近くかかりました。再結成してから3枚目で、落ち着いちゃってくることが一番イヤだったし、先が見える曲展開なんかを出した段階で、俺らが自分に対して興奮できなくなる。それだったらアンセムの名前でアルバムは出したくないですからね。とにかくスゴイものを作るという目的で地図のないところに飛び込んだわけだから大変だろうとは思ってたけど、ここまでキツイとは正直思ってなかった。その分、でき上がったものを聴いたときは予想以上に凶暴なものができたなと思いました。こんなにスゲェもん吐き出したんだという感動が、あとからフツフツと来ましたね。

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心地よい殺気の中で気の遠くなるようなレコーディングを経て作り出されたニューアルバム


来年デビュー20周年を迎えるベテランのヘヴィメタルバンド、アンセムが、
自分たちの信じるロックを突き詰めたアルバム『エターナル・ウォリアー』を完成させた。
同じ地点にいることを嫌い、納得いくまで何度も録り直しを繰り返すことで
レコーディングに約4カ月間もかかって完成された今作は、
あらゆる妥協を排除したアンセムにしかできないヘヴィメタル・アルバムになった。
煮詰まってしまったバンドの危機を乗り越えるため、
過激ともいえるカンフル剤を注入したのだ。
このアルバムにかけた情熱を
リーダーの柴田(B)と坂本(Vo)に直撃した。

自分たちが納得できるものを作るには、この方法しかなかった。【PART.2】

アンセムからのコメント映像!
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最新アルバム



『エターナル・ウォリアー』

VICP-62775 \3,045(tax in)
2004年7月21日発売

01.オンスロート
02.エターナル・ウォリアー
03.ソウル・クライ
04.ライフ・ゴーズ・オン
05.レット・ザ・ニュー・デイ・カム
06.ディストレス
07.ブリーディング
08.オメガ・マン
09.イージー・マザー
10.マインド・スライド

ライヴ・スケジュール


<ANTHEM TOUR 2004>
●8/25(水)福岡 DRUM Be-1
[問]キョードー西日本 092-714-0159
8/27(金)大阪 BIG CAT
[問]キョードー大阪 06-6233-8888
8/28(土)名古屋 E.L.L.
[問]グランドライン 052-935-7558
8/29(日)松本 ALECX
[問]メディック 0266-28-3496
9/4(土)川崎 CLUB CITTA’
[問]044-246-8888

<インタビュー PART.2>

――ヴォーカルも相当気合が入っていますね。

坂本:各パートの気迫が半端じゃないんですよ。歌う寸前まで完成形を知らないわけですよ。歌い終わって初めて完成形を知るわけですから。最初デモで仮のメロディをはめていくんですけど、それが生の演奏をバックにするとどんどん変わっちゃうんです。本間(大嗣/Dr)くんが魂を入れて、柴田さんがそれに触発されてパッションをぶち込んで、(ギターの清水)昭男は好き放題に弾きまくる。それらがオレに襲いかかってくるみたいで。ここにショボい歌を入れたらマズイじゃないですか。負ける気はしなかったけど、すんごいプレッシャーになりましたね。でもいいカンジに、オレもその気迫に乗れて歌えたんでよかったかな。一つ一つの音が積み重なるたびに、凄みを増していったからね。

――メジャーレコード会社が、よくそんなわがままなことをやらせてくれましたね。

柴田:基本的には制作はまかせてくれました。期日までにマスターテープを納めさえすれば、それまでは何をやってもいいというスタンスでしたね。でも3カ月を過ぎたころには、レコーディングが終わらないどころか、みんな磨り減ってバンド自体も終わっちゃうんじゃないかと思ったこともありました。

坂本:設計図さえあれば10日くらいで録っちゃうんですけどね。

柴田:録ったものを翌日聴いてみると、やっぱり良くなくて、それをすべてボツにしちゃうなんてこともあって。3歩進んで2.9歩下がるみたいなことの繰り返しでした。でも、ヘヴィメタルというジャンルに僕たちはいるけど、そこに残るものが作れたとは思います。

――自分に確固たる自信がないとできない作業ですね。外国バンドでもなかなかいないでしょう。

柴田:メタリカが『ST.ANGER』でやっていましたね。あれもPro-toolsで徹底的に録音したものを編集したっていう。でもそれを真似しようということじゃないです。僕は適当なものを作っておけば来年もまたアルバムが作れるという安定した日常に嫌悪感を抱いていたんです。聴いてる方も演ってる方もダルイというような予定調和をなんとかしたいと考えていた一年間だったわけです。だから、僕らはそういう方法をやりたかったんじゃなく、自分たちが納得できるものを作るには、この方法しかなかったんです。

――ベテランになればなるほど難しい作業ですね。

柴田:それが伝わるか伝わらないかは別にして、作った本人たちがそれを聴いて興奮できたっていうのが一番ですね。自分たちのアルバムを聴いてバンドのモチベーションを上げられるなんて、バンド結成20年、通算10枚目のアルバムでやっとできたことですね。でもそのためには荒療治が必要だった。

坂本:でもそれをやっちゃえば自信になるからね。しんどいけど、その先には絶対にすばらしいものがある。俺らのポリシーなんだけど、とにかく完全燃焼することです。完全に粉々になるまで出し切らないで、なにがアンセムだよ、っていう。

――自信に満ち溢れた言葉ですね。

柴田:今までも一所懸命やってきましたが、作り上げたものに後悔があるんですね。だからそれをフォローしようとして、インタヴューでいっぱいしゃべっちゃうんです。だけどこのアルバムに関しては、あまり喋ることがないんです。とにかく聴いてください、としか言うことがない。今のバンドのすべてです。もう分析のしようもない。

――これだけ歴史が長くなると、アンセムというブランドを守るために保守的になりがちだと思うんですが、そういったことは気にしたりしますか?

柴田:当然そういうことを考えた時期もありますし、そういったことを考えて作った曲も確かにあります。3枚目のアルバム以降は、それとの戦いだったような気もします。でも今回はそういうことがまったくなかったですね。レコーディングを始めてから気がついたんですが、曲が全然足りなかったんです。それで、リハーサルでやってた曲を付け足したりして。だから、アンセムっぽいということを基準に選んだ曲なんかじゃなくて、そのときに演りたいものを演ったということです。

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心地よい殺気の中で気の遠くなるようなレコーディングを経て作り出されたニューアルバム


来年デビュー20周年を迎えるベテランのヘヴィメタルバンド、アンセムが、
自分たちの信じるロックを突き詰めたアルバム『エターナル・ウォリアー』を完成させた。
同じ地点にいることを嫌い、納得いくまで何度も録り直しを繰り返すことで
レコーディングに約4カ月間もかかって完成された今作は、
あらゆる妥協を排除したアンセムにしかできないヘヴィメタル・アルバムになった。
煮詰まってしまったバンドの危機を乗り越えるため、
過激ともいえるカンフル剤を注入したのだ。
このアルバムにかけた情熱を
リーダーの柴田(B)と坂本(Vo)に直撃した。

自分たちが納得できるものを作るには、この方法しかなかった。【PART.3】

アンセムからのコメント映像!
コメント映像、スタート!

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『エターナル・ウォリアー』

VICP-62775 \3,045(tax in)
2004年7月21日発売

01.オンスロート
02.エターナル・ウォリアー
03.ソウル・クライ
04.ライフ・ゴーズ・オン
05.レット・ザ・ニュー・デイ・カム
06.ディストレス
07.ブリーディング
08.オメガ・マン
09.イージー・マザー
10.マインド・スライド

ライヴ・スケジュール


<ANTHEM TOUR 2004>
●8/25(水)福岡 DRUM Be-1
[問]キョードー西日本 092-714-0159
8/27(金)大阪 BIG CAT
[問]キョードー大阪 06-6233-8888
8/28(土)名古屋 E.L.L.
[問]グランドライン 052-935-7558
8/29(日)松本 ALECX
[問]メディック 0266-28-3496
9/4(土)川崎 CLUB CITTA’
[問]044-246-8888

<インタビュー PART.3>

――坂本さんは、アニメタルというもう一つの顔がありますが、気分を切り替えるのに苦労したりしますか。

坂本:いや、アンセムの音が鳴ったら、全部アンセムになっちゃいますよ。アンセムのヴォーカルっていうポジションは“重い”からこそ、やりがいがあるんです。相当な覚悟で臨まなきゃいけないですから。スタジオに入る前までは、けっこう脱力でいるんですけどね。

――ドラムスの本間さんがアンセムに加入したことによって一番変わったことは?

柴田:過去2枚では、本間くんはイケイケのロックドラマーの部分と、曲をまとめるのが上手な部分の2つがあるんですが、そのバランスの良さを曲で出そうとしているようだった。でも今回は、足が肉離れを起こしそうなほど叩かせてしまった。彼はいつも、人から“もうそんなエゲツないことはいいんじゃない”って言われるところまで行こうと言ってたんです。今回の彼は過去の2枚に比べると、リズムの切り込み方というか、そういう面が違うような気がします。いろいろなことができるんだけど、意識的に初期衝動的な方向に振ったというか。

――ギターの清水さんは、今回プログラミングをされているんですか?

柴田:作っている最中に、まったく予定外に、どうしてもここにキーボードが欲しいって僕が言い始めるわけですよ。突然だからキーボードも呼べないんで、清水がデータを家に持って帰って、僕のオーダー通りのキーボードを家で入れてくるわけです。それをスタジオで乗せるんですね。もちろん、プログラマーとしてギタリストと同じくらいの作業をやってるわけじゃないですけどね。

――音がみっちりと詰まったアルバムです。それにしても清水さんは弾きまくりですね。

坂本:「オンスロート」なんか何小節か分からないくらい弾いてますからね。それがシングルだっていうんだから、かっこいいでしょ。

柴田:どうせやるならそれくらいのことをやらないと。僕らはヘヴィメタル・バンドなので、最も自分たちがティピカルにヘヴィメタルだと思う曲をシングルにしたんです。僕らみたいなバンドが、アルバムの中で一番ポップなものをシングルにしてもしょうがないですし。だから一番僕ららしい曲にしました。ま、それのギターソロがあそこまで長いっていうのも…(笑)。

――歌の後ろでもライトハンドとか弾きまくっていますが、ライヴで歌うときってうるさくないんですか?

坂本:いやいや、みんなの殺気が心地いいですよ。本間君もライヴになるとさらに野獣度が上がる人だから、後ろからは彼のビートが刺さってくるし、右からは柴田さんのベースがブリブリ来るし、左からは昭男のギターがガンガン突き刺すし、そんな中で歌えるから燃えますよ。

――今後もロック魂をファンに伝えて欲しいと思います。

柴田:去年は想像以上に厳しい状況でした。あのままバンドが解散してもおかしくないくらいに。でも、今回のレコーディングでモチベーションが再び上がったんで。僕は“そのままなんとなく”っていうのがイヤなんです。本当にやりたいと思わないと身体が動かないんですよ。そういう意味では健全なんですけど、実はやりたいことしかやらないというアーティスティックな面も多いですね。でも僕らのそういうところに共感してくれているスタッフがいるんで幸せです。

取材・文●森本智

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