 ▲TAKASHI “MR.PAN”MANABE(Vo&G) |
――みなさんのそのスタイルと音楽ルーツは?
MR.PAN: 60年代のUKのマージ―ビート好きが集まって結成しました。カイザーズ(スコットランドのバンド)やビートルズが好きで。
MR.SHEEN: 初期~後期までのずっとビートルズ好きって人は多くいるけれど、彼らの初期の、’60年代UK全体のムーブメント、つまりマージービートなんですけど、そこら辺って意外と知られてないですよね。そこらが俺ら好きなんですよ。
MR.PAN: うん、だからビートルズでも「リボルバー」くらいまで!
――なるほど。でも、みなさん’70年代生まれですよね。’60年代の音楽なんてリアルタイムじゃないですよね。
MR.SHEEN: うん、その前にも好きだったロックンロール、ロカビリーを聴いてる時点で、すでにリアルタイムのものじゃなかったですからね。別に違和感は全然なかったですよ。
MR.PAN: ’60年代ってむしろ日本人向けだと思いましたね。8ビートだし。そこらへんでパンクバンドは多いけど、マージービート演ってるバンドいなかった。そこを俺らが演るってのも、大きかったな。
 ▲SHINYA“MR.SHEEN”KUSUBE(Dr&Vo) |
――今はみなさん革ジャン姿ですが、ライヴはスーツですよね。それは前から?
MR.PAN: うん。やっぱり’60年代マージービートの人たちってスーツだったからね。Gerry&The Pacemakersとかカッコよかったからね~。
MR.SHEEN: ストーンズもそうで、いわゆる正装だよね、ステージに上がるときって。
MR.LAWDY: ひきしまりますやん、スーツって。動きやすいですよ~。破れてたりしますけどね(笑)。
――なるほど(笑)。そしてライヴでも既に演奏している「ハートをわたそう」を収録したシングル『YOU’VE GOT MY HEART』をリリースしましたけど、すごくシンプルなロックンロールですよね。THE NEATBEATSはどうやって曲を作っていくのですか?
MR.SHEEN: 基本、MR.PANが作ってきたものに、メンバー4人で一斉に演ってみますね。PANのイメージをそのままに曲をガラっと替えることはしないかな。
MR.LAWDY: うん、自分たちそれぞれのパートをしっかりやると。
MR.PAN: 僕は、曲作るときは早いですからね。煮詰めるとうまく行かないタイプだから、作るって思ったときに3分くらいで固めちゃう。それにレコーディングも歌以外は一発録りだからね。でも僕らの曲ってシンプルかな? むちゃくちゃ凝ったつもりなんだけど(笑)。うん、イメージはむちゃくちゃ凝ってるんですよね。
――メロディは聴き手が素直に聴けるシンプルなものだけど、一音一音の素材にはこだわってるのかな、とは感じますね。そういえば、楽器や器材はヴィンテージものを使ってますよね。
MR.PAN: うん、最初は見た目のカッコよさから入りましたよね。ステージならスーツ着て、ヴィンテージのオールドギターやアンプで立ってる姿ってカッコいい! そういう演出って部分は大きいし、大事だと思うんですよ。
MR.SHEEN: うん、自己満なんだよね(笑)。自分達でセッティングしてカッコいい~!って言えるかどうか。海外で買い付けてみんなで喜んでるから、もうマニア集団(笑)。
 ▲KAZUYA“MR.LAWDY”TOSA(G&Vo) |
MR.LAWDY: ああ、カッコいいね!って瞬間的な感情から食いついて、それで音を出したらたまたまヴィンテージならではの味のある音が出て、THE NEATBEATSはこうなっていった、という感じだね。仮に俺ら、最新器材が好きだったら、そういう音を出すバンドになってたかもしれないしね。
――ふむ。ルックスをきっかけに始まって、そこから好きなバンドたちの音楽とリンクして音にハマっていったということですね。
MR.PAN: うん、そういう自己満でいいと思うんだ。2ndアルバム出したときにね、THE HIGH-LOWSのマーシーから突然電話があって、「いいよ、このアルバム!」って言われてね! それからTHE HIGH-LOWSと一緒にイベント出させてもらったりしてね。だから、分かる人には分かるんだ、自己満でいいんだって思いましたよ。
MR.LAWDY: 今までも、そうやって、いろんなレーベルの人から声をかけてもらったしね。
――そのサウンドに乗せるPANさんの歌詞も日本語で分かりやすい直球ですよね。ひねりなしで。
MR.SHEEN: うんうん。僕ね、ライヴでも叩きながら口ずさむんですよ。口ずさめる歌詞って単純にいいんだと思うな。
MR.PAN: 詞を書く僕としては……ん~、何も考えてない(笑)。
――以前は英語詞で歌ってましたけど、それはアメリカのレーベルから1stアルバムを出す関係で?
MR.SHEEN: いや、何も考えずに、英語だろうと。
MR.LAWDY: うん。誰も「英語だろう!」とも「日本語でやろう!」とも出なかったしね。しょっぱなにアメリカのレーベルで出したのも、たまたま人伝えに廻りに廻って僕らの音を聴いた向こうの人が声をかけてくれた、って感じだからね。今日本語になったのも、ごく自然。気づいたら、PAN、日本語で歌ってた(笑)。
――なるほど。このシングル曲はライヴでも演奏されてますが、MCでは笑わせて、音楽では踊らずにはいられないような、楽しいライヴですよね。
MR.PAN: うん、音源がシンプルなだけに、ライヴは濃くしたいよね。
 ▲SEIZAN“MR.ROYAL”MIURA(B&Vo)
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MR.ROYAL: 昔からTHE NEATBEATSって、いつでもどこでも、常に楽しく踊れるってバンドだったんだよね。そこはバンドに入る前からカッコいいなって思ってた。
MR.SHEEN: ライヴは大事だからね。口コミで広がるのって、結構確かなんだよね。やっぱ、俺ら、現場主義だから。これがTHE NEATBEATSだ!っていうのが出せればいいね。
――これがTHE NEATBEATSだ!の「これ」ってなんでしょうか?
MR.PAN: ん~、今までいろんなバンドと対バンして、いろんな人と出会って、それで変わってきているからね。音楽面だけじゃなくてメンタル面でも。そこがCDでもライヴでも出るといいな。
取材・文●星野まり子 |