【インタビュー】LuckyFes Special「Chevonという光るブラックホール」

2026年6月1日(月)20時から、1時間に及ぶ特別番組LuckyFes Special「Chevonという光るブラックホール」がLuckyFM茨城放送にて放送された(https://radiko.jp/share/?sid=IBS&t=20260601200000)。
このChevonのスペシャル番組を企画し、自ら番組MCを名乗り出たのはDJ DRAGONだ。LuckyFesの企画プロデューサーを務めるDJ DRAGONは、Chevonの魅力に打ちのめされ、いち早く彼らを応援したいとLuckyFesにも招聘、公私ともにChevonファンであることを公言してきた男でもある。
2021年に札幌で結成されたトリオバンドChevonは、結成するやいきなりの12ヵ月で新曲を連続リリースし、結成2年後に初ライブを敢行、2024年リリースの初アルバム『Chevon』を引っ提げての全国ツアーではいきなり全ソールドアウトを記録する事態となった。ツアーのたびに会場は拡大され、Zeppワンマンツアーの追加公演として発表されたのは、なんと横浜アリーナ公演(2026年9月13日開催)、続いてツアーチケット完売を受けて、日本武道館での2days(2026年12月20~21日開催)を追加発表するという前代未聞の快進撃を見せている。
今もなお北海道に活動拠点をおきながら、破竹の勢いで音楽シーン爆走するChevonとはどういうバンドなのか。谷絹 茉優、Ktjm、オオノタツヤという三者三様の個性はどんなルーツで育まれたのか。伝説を生み続けるライブの秘密はどこにあるのか…「Chevonという光るブラックホール」を解き明かすべく、DJ DRAGONがChevonに迫った。

──(DJ DRAGON)圧倒的なライブ、文学的で純度の高い言葉、そしてジャンルを飲み込むサウンド…もうこの世のものではないと思ってしまうほど超越した存在のChevonなんですが…Ktjmさんはまたオシャレですね。
Ktjm:そうですね…そう…なんですか?どういうおしゃれですか?
──(DJ DRAGON)服もそうだし髪型とかも、細かいところにオシャレ感が…。
谷絹 茉優:いやでもこいつ、気を遣うようになったのはバンド始めてからですからね(笑)。バンド始めてからみるみるおしゃれになっていったから。
Ktjm:なんか「裸みたいな服着てるね」って言われたこともある。
谷絹 茉優:遠目から見たら全裸みたいな服を着てた(笑)。
Ktjm:ベージュの服だったんで。
──(DJ DRAGON)裸もいいんですよ。ただ、そういうKtjmさんはリフ名人。ホントにChevonの曲には素晴らしいリフが多くて。
Ktjm:あら嬉しい。ありがとうございます。
──(DJ DRAGON)いつもうまいなって思ってますよ。実は、繊細なロマンチストなんじゃないか、と。
谷絹 茉優:お、知られざるKtjmの裏側?(笑)
Ktjm:ようやくですよ、俺のロマンチストが世に出るのは。みんなに早く知ってほしかったんですけどね(笑)。
谷絹 茉優:は?お前のロマンチストなところ、言ってみろよ(笑)。
Ktjm:俺のロマンチストなところ?…いや、ここじゃちょっと言えない(笑)。
──(DJ DRAGON)(笑)、そしてオオノさんは、最初はドラムをやりたかったけれど、ちょっと予算の都合で…。
オオノタツヤ:予算噛み合わず(笑)。
──(DJ DRAGON)ドラムはやりたい人多いけど、現実的にはなかなか難しいところがありますよね。
オオノタツヤ:そうなんですよ。今でこそお手頃な電子ドラムとかありますけど、当初はどんだけ調べても高いし、生ドラムを鳴らせる環境もないし。っていうことで、しゃーなしでベース。
谷絹 茉優:しゃーなし(笑)。
──(DJ DRAGON)でも体格にも合っているし、パワフルな屋台骨ですね。そんなChevonですけど、皆さんはChevonとはどんなバンドだと思っていますか?

谷絹 茉優:当初から言っていたのは「Chevonってこういうキャラですよ」とか「Chevonってこういう世界観ですよ」というのを提示しないっていうところですね。やりたいこととかカッコいい/ダサいみたいな感覚が3人とも同じ向きで合っていたので、それをただやっていくだけ。「Chevonらしいよね」とか「こういうところがChevonだよね」「こういうバンドだよね」みたいな部分は、周りが付けてくれたものでいいんじゃないか、みたいな。
──(DJ DRAGON)なるほどですね。
谷絹 茉優:ただ、ここまで来たからこそ「今、振り返ったらChevonってこうだよね」みたいなものがKtjmにはあるのではないか…と(笑)。Chevon随一のロマンチストですから。
Ktjm:まぁ…やっぱり…この3人にしか出せない…「きらめき」、「ときめき」…こ、これがその…。
谷絹 茉優:がはは、あきらめるなよ(笑)。
Ktjm:…負けました。僕の負けです(笑)。
──(DJ DRAGON)でもそうだよね。やっぱり聴いた人、観た人がどう感じるかってことですよね。
谷絹 茉優:そうっすね。でも「北海道札幌市のスリーピース・バンドです」っていうのは、大事にしていきたいなっていうのはひとつありますよね。今も札幌在住だし。あとは皆さんが好きにChevonというものを感じてくださいというような感じね。
──(DJ DRAGON)2001年に結成して5年活動しているというChevonですけども、最初に出会ったときはバンド志向ではなかったんですよね?
谷絹 茉優:3人ともバンドなんて考えてなかったもんね。
──(DJ DRAGON)そこが面白いですよね。もともと谷絹さんは配信もしながら歌唱していたんですよね?
谷絹 茉優:そうですね、ひとりでカバーとかやって、高校の時ぐらいから東京に来てちょっとライブやってみたりとかしつつ。
──(DJ DRAGON)あと、作家活動も?
谷絹 茉優:そうそう、小学校の時からずっと小説家になりたくて、そっちがメインでした。あとは役者/声優さんの学校に行きたいなって思ったりとか、高校で演劇をやっていたので、舞台俳優さんもやってみたいなとか、それこそ脚本書きたい、演出家になりたい、舞台監督とかそっちの方に興味があって、歌は高校までは趣味というか、歌うのも好きっていうぐらいでしたね。
──(DJ DRAGON)確かに役者もできそう。
オオノタツヤ:いけるいける。
谷絹 茉優:じゃあ、オファー待ってまーす(笑)。それこそ俳優さんとか役者さんのお知り合いやお友達も増えてきて、この前もちょっと時間がある時に知り合った方の舞台を観に行ったりとかして、触れる機会も多いんですよね。なので、やっていた時を思い出して、舞台と音楽は全然違いますけど、あれはあれで楽しかったなみたいな気持ちが再熱したりとか。声で演じてみたりする機会もラジオとかいろんな場面でやらせていただいたりもするので、時間あったらがっつりやってみたいな。
──(DJ DRAGON)楽しみですね。Ktjmさんは学生時代からずっと音楽を?
Ktjm:ギターはずっとやっていたんですけど、軽音部がなかったので、高校の学祭出たりとか、友達とスタジオに入ってコピーするみたいなことをずっとやってました。ただ、さすがにそれを仕事にしようとは全く思ってなかったんで、普通に就職しようとはしてました。だって現実的じゃなくて夢でしかないじゃないですか。
──(DJ DRAGON)確かにそうですよね。オオノさんも就職しようとしていたんですよね?
オオノタツヤ:就職活動しよっかなと思っていたんですけど、しようかしないかくらいの時に話が来て、もう、ボーカルのその声に「魅了」されまして。
Ktjm:なんかロマンチストがでてきた。
谷絹 茉優:ロマンチストはひとりでいいわ(笑)。ロマンチックが飽和してる(笑)。
Ktjm:大丈夫、ひとりもいないから。
オオノタツヤ:頭の中に宇宙が広がって…これは綺麗な星を見つけたなと思って。
谷絹 茉優:お、お前やろうとしてる?ロマンチックを補填してんの?
Ktjm:あはは、やるね。

──(DJ DRAGON)バンド活動が波に乗ってきて、「音楽で生きていくぞ」となったのはどの辺のタイミングだったんですか?
オオノタツヤ:僕は親の仕送りが止まってからですね。
──(DJ DRAGON)それは生々しいですね。それまでは仕送り生活で?
オオノタツヤ:学生だったんで家賃とかも払ってもらっていたりしていたんですが、バンドは親からありえないぐらい反対されていて。その話をするたびに喧嘩をして、「バンドを続けるんだったら、じゃあもう仕送りもしないからね」「わかりました」って。もうやるしかないなっていう。
谷絹 茉優:いやでもほんとに、ここ数年は「この年末までにこれぐらい行ってなかったら辞める」「これぐらい行ってなかったら辞める」っていうのを延長し続けてきた感じなんですよ。「もう大丈夫だね」ってなるまでは、ほんとに「ここまでいかなかったら、俺は辞める事になると思うから頑張ろう」っていうような感じで。
──(DJ DRAGON)自分たちで目標は設定していたんですね。
オオノタツヤ:そのスタイルが今も続いている感じがあるよね。はるか先の「ドームでやりたい」みたいな目標を決めるってより、近々の目標をね。
Ktjm:計画に近いよね。
谷絹 茉優:それこそドームという目標があるのなら、じゃあドームをやるにはこうしたらいいんじゃないかみたいな、大谷選手のマンダラみたいなもので、2~3年後に決まってることを逆算して「じゃあ今は、ここまでにこれをしなきゃいけないね」っていう近い目標をタスクでやっていくみたいな。
──(DJ DRAGON)なるほど。
谷絹 茉優:そうじゃないと、うちらは多分動けないというか、大きな目標だけ漠然とあっても、それに向かってひた走れないというか、「○日までにここ取っちゃったから、ここまでにやるよ」っていうしっかりとしたやり方じゃないと、ケツに火がつかない3人なんで。そういう決め方は今も継続してやっているかもしれない。
──(DJ DRAGON)自分たちの計画に対して順調ですか?
谷絹 茉優:計画以上にはなっているよね。
Ktjm:いや、びっくりですね。
──(DJ DRAGON)思っていたよりキテる感はあるのね。
谷絹 茉優:そうですね。だって1~2年前に「横浜アリーナを含んだツアーの追加公演を武道館2daysにしよう」とか言ってたら、変な目標すぎて張っ倒されるよね(笑)。だから、今は目標以上のスピード感でしっかりやってこれているかなというのはありますね。
──(DJ DRAGON)でも落ち着いていて、浮き足だっていないですよね。
谷絹 茉優:いやー、そこはうちらがうまく見せれたところでもある(笑)。
──(DJ DRAGON)いやでもここまですごい勢いで上り詰めると、気持ち的にも浮かれちゃうでしょ?
Ktjm:いやでも、まだまだ焦ってる。
谷絹 茉優:まだ足りないというか、焦りはありますよ。
Ktjm:いつ消えてもおかしくない状態というか。
谷絹 茉優:うちらはバズってここに連れてきてもらったわけじゃなくて、みんなが道を進んでいるところを、すごい速さで壁をよじ登ってきたみたいな感じというか、意外と順当に階段を登ってきたから、逆に「うわ、すげえとこまで来てるぜ」っていう感覚はないよね。
Ktjm:意外と地道にやってる感はあるよね。
谷絹 茉優:ここからもっともっと上げていかないといけないし、これも通過点にしていかないと、いつ消えるかわからんでっていう。で、このスピード感で来ちゃってるから歴史もないし、活動歴はどうしても浅いので、なんていうかノウハウがしっかり身につかないまま来すぎてしまったところに、やっぱり焦りがある。けど、ここから追いついていかなきゃいけないというか、深みを出していく作業をしなきゃいけないので、その部分の焦りもあるしね。

──(DJ DRAGON)新作アルバム『三者山羊』を聴いても、そんな焦りは全く見えないですけどね。Chevonは三者三様の共犯関係というか、バランスが自然に出来上がっていると思うんですけど。
谷絹 茉優:自然だね。
オオノタツヤ:自然だったから、今できているのかな。
Ktjm:全く意識していないというか「誰々が何々をやる」って決めているわけでもなく、それぞれがやりたいことをやってたら、自ずとバランスがよくなっている。
谷絹 茉優:ワンマンになっちゃうと「その人のバンド」というかシンガーソングライターになっちゃうんで、うちらは3人で合わせて集合的にChevonになりたくて、そこのパワーバランスはうまく分散したんですよね。それぞれの得意なこととか、やりたいこと/やりたくないことが噛み合った上で、さっきも言いましたけど、かっこいいとかダサいの感覚が一緒だったんで、意見が割れることもなければ、何も言わなくても同じ方向は向けている。
──(DJ DRAGON)『三者山羊』も変な力が入ってないというか、逆に力抜けてるなって感じました。個人的には「さよなら、アイリーン」が収録されていたのが胸熱で。
谷絹 茉優:インディーズ・アルバムからの曲ですね。
──(DJ DRAGON)初めてLuckyFesに出てもらった(<LuckyFes’24>@GARDEN STAGE 2024年7月15日)でギターの弦が切れた時、急遽アカペラで歌った「さよなら、アイリーン」が鮮明に残っていて。
谷絹 茉優:あー、そうだね(笑)。あの規模のフェスとは思えない「ギター1本だけで出る」という状況で、案の定弦が切れてどうしようもなくなるという(笑)。ローディーさんが凄い早さで弦を張ってくれていて、それ横目で見ながらアカペラで歌った。
──(DJ DRAGON)不謹慎ですけど、俺的には美味しかったというか、バンドの底力を見た瞬間でしたよ。
谷絹 茉優:あの時、<LuckyFes’24>でトリを務めるNEWSの皆さんも観に来てくれていて、私、(加藤)シゲアキさんと仲良しなんですけど、シゲアキさんが「Chevonのファンだ」っていろんなところで公言してくれていたので、NEWSファンの方々も観に来てくれていたんですよ。だから、「今まで演ったことない曲をアカペラで歌います」って言った時、タツヤが寄ってきて「え?NEWSの曲を歌うんじゃないよね…」って。
オオノタツヤ:こいつ絶対NEWSの曲歌うじゃんって思って(笑)。リハでもなんか歌いたそうにして、ずっとムズムズしてて、ついにここで出すんじゃないかと思ったんですよ。
谷絹 茉優:「違う違う、歌わないから大丈夫だから、任せて任せて」って(笑)
Ktjm:いや、すごい機転が効いてよかった。

──(DJ DRAGON)今ではサブギターが用意されているから、あの時のような現象はもう起きないじゃないですか。だから僕としてはすごい思い出になっているんですよ。
オオノタツヤ:弦が切れたのはあの時だけ?
Ktjm:いや他にもあるけど、ギターが1本しかない時に弦を切ったのはあの時だけ。
──(DJ DRAGON)奇跡的な瞬間だったんで「Ktjmくんありがとう」って感じ。
Ktjm:弦を切ってまさか感謝されるとは(笑)。
谷絹 茉優:ファンの中でもあの時のライブは結構伝説になってますからね。「さよなら、アイリーン」を1回だけアカペラでやったっていう。
Ktjm:いやー、LuckyFesとの繋がりがありますね。

──(DJ DRAGON)しびれた瞬間でした。あと『三者山羊』の「B.O.A.T.」ね。スタジアム感のある楽曲で、僕は勝手に「怪獣」から「宇宙」へスケールアップしたと思っていますけどね。
オオノタツヤ:ああ、確かに「大行侵」の別バージョンみたいな感じもあるね。
──(DJ DRAGON)「大行侵」のスケールが大きい曲だけど、怪獣が暴れる地上から宇宙のようなパワーを感じた1曲でした。
谷絹 茉優:そうですね。それこそ「大行侵」は地面を踏みしめている感じもありますけど、「B.O.A.T.」は前後左右上下もわからないようなところに放り出されて、それでも進んでいこうという、人生で1回はあるであろう場面を、メジャーデビューに際して書いたらいいんじゃないかと思った曲なんです。その時点で横浜アリーナと日本武道館公演が見えていたので、その時にどういう音が鳴っていたらカッコいいかを思って、それがバシッとはまった感じですね。
──(DJ DRAGON)この曲は、横浜アリーナに響き渡る様子が目に浮かびますよ。
谷絹 茉優:でも別にメジャーデビューに向けて書いた曲ではないんですよ。元々あった曲で、これが合うんじゃないかっていうことで、そこからアレンジして書き直したって感じ。そもそも北海道で2週間くらい山にこもって制作合宿をしたんですけど、その時に10何曲か作って、アルバムに入れる全13曲が綺麗な13角形になるような曲をはめて並べていっただけですよね。なので、アルバムに向けて作った曲というのはひとつもないんです。さっき言っていただいたように、すごい力が抜けている感じがあるのは、そういうところにもあるのかなと思います。
──(DJ DRAGON)アルバム13曲の中で、僕が1番気に入った曲は「春の亡霊」なんです。これはイントロが鳴った瞬間から「これいい曲じゃん」って思いました。
谷絹 茉優:嬉しい。
──(DJ DRAGON)Chevonの曲って春の曲がいいですよね。北海道って冬が長いから「春が待ち遠しい」という話を聞いたことがあるんだけど、雪の降らない街に住んでいるとその感覚ってないんですよ。
谷絹 茉優:確かに雪解けには、季節が変わる感じがあります。
Ktjm:春は楽しみだもんね。
──(DJ DRAGON)だからChevonには「春の意味合いが違うのかな」「だから深みがあるのかな」って勝手に思ってました。
オオノタツヤ:もしかしたら想像以上にあるかもしれないですね。
──(DJ DRAGON)言葉の響きもすごい綺麗で、例えば松任谷由実とか桑田佳祐とか宇多田ヒカルもそうなんだけども、すごく通ずるものがあるなと思っていまして、言葉選びは意識しているところですか?
谷絹 茉優:そうですね、私はずっと小説家を志望していたので、バンドを組む当初から言葉は私に書かせてくれと言っていて、2人も異論なく「谷絹が書いたもので曲を作ろう」と決まっていました。それぐらい言葉は譲れないものがあるというか、歌詞は多分何よりもこだわってるところではありますね。
──(DJ DRAGON)詩とか台本のように文字として書くのと、音楽で奏でる詞ではまたちょっとニュアンスが変わってきたりすると思うんですけど。
谷絹 茉優:そうなんですよ。やっぱり全然違うものなんで、最近になって「歌詞を書くのが上手くなったな」って思っています。それまでは、歌詞としての文章というより歌詞の体を成している感じなだけ。歌詞を書くってことが上手くなったと思い始めたのは、ほんとここ1年ぐらい。
──(DJ DRAGON)そしてアルバム『三者山羊』が発売されてまもなくシングル「Capretto」(2026年5月13日発売)がリリースされましたが、この歌詞がまたすごくて、過去の曲のワードがいっぱい入ってきてMVも写真のコラージュになっていますよね。このコラージュ感がすごいいいなと思ったんですが、これは…。
谷絹 茉優:えっと…私はバンドを組む前からキャンディーズの「微笑がえし」をやりたいと思っていたんです(編集部註:キャンディーズ最後のシングル「微笑がえし」の歌詞の中には、それまでの数多のヒット曲のタイトルが散りばめられており、キャンディーズとファンとの思い出が詰め込まれていると同時に、その想いを永遠に共有するという粋な計らいが込められている)。
──(DJ DRAGON)ほお。
谷絹 茉優:これはファンクラブで言ったことなんですけど、2021年6月9日から12ヶ月連続でリリースしたときの最後の曲が「革命的ステップの夜」という曲で、本当はそこでやるつもりで、だから今も最初の歌詞にちょっとだけその片鱗が残っているんですけど、実際はやりたいことが先行し過ぎちゃって言葉も詰まりすぎたので、一端そのコンセプトは外して、「革命的ステップの夜」は普通にカッコいい曲にすることにしたんです。ただ、やりたい思いはずっとあって、このインディーズからメジャーに行くタイミングで、今まで一緒にインディーズを歩いてきてくれた、言わば自分たちが産んできた子供…過去の33曲と、これからのことを考えて今を書こうと思ったのが「Capretto」です。総集編じゃないですけど、ここから新シーズンに入るにあたって区切りというか、「これまで」と「これからと今」を書きたくて。サビはシンプルに自分のこと…これからのバンドのことを歌っているんですよね。
──(DJ DRAGON)エモさのある曲だなと思っていましたけど、そういうことなんですね。逆にここからは、また新しいChevonがスタートしていくのか。
谷絹 茉優:だから、もうここからがChevonの本領ですよ、という気持ちでいるので。だから次の曲も次の次の曲も次の次の次の次の次の次の次の次の曲ぐらいまで期待していてくれたらなって思っています。
オオノタツヤ:ここから10年~20年続いてさ、曲も100曲を超えてきた頃に、もう1回「微笑がえし」をさ(笑)。
谷絹 茉優:うわうわムリムリ。キャンディーズの「微笑がえし」ででてきたタイトルはヒットした曲だけだからね。「Capretto」で33曲入れたのはかなり頑張ったよ(笑)。
Ktjm:いや、超えちゃおう。100曲いこう。じゃ、俺もギターフレーズ100曲全部入れるわ(笑)。
谷絹 茉優:マジで?すごいじゃん。
オオノタツヤ:節目でやる?
Ktjm:15分くらいの曲になりそう。
──(DJ DRAGON)期待してます。
全員:やめてください(笑)。
──さて、そんなChevonはとにかくライブも凄いということで、どんどんファンが増えていますが、谷絹さんの体幹が凄いという話がありますね。
谷絹 茉優:ははは(笑)体幹ね。確かに最近ちょっとずつ言われるようになってきたんですよ。これまではいろんなの影に隠れてて「ビジュアル」とか「性別どっちなんだろう」とか、「歌が」「ハイトーンが」「歌詞が」「早口が」みたいな話題の影に隠れていたんですけど、最近はみんな慣れてきてくれて、そしたらちょっとずつ体幹の話になってきた。
──(DJ DRAGON)最初見た時に「体幹すごいな」って思いましたよ。
谷絹 茉優:でも私、最近ですよ、片足上げて回りながら歌いだしたのは。
──(DJ DRAGON)「銃電中」の時の回るやつはそうなんだけど、その前から足を上げたりしていたでしょ。その時に思ったよ。武道かなんかやっているんじゃない?って。
谷絹 茉優:これはね、完全にそうです。剣道をずっとやってました。今まで習ってきたことの中で剣道が1番長いんですけど、あれはずっとつま先だけで動いているんで、体幹はかなり鍛えられる。
──(DJ DRAGON)でもあれだけの動きをしても、ほとんど汗もかいてないっていう。
谷絹 茉優:いやいや汗だくですよ。
──(DJ DRAGON)客席から見てるとね、厚着もしているのに汗をかいている印象はない。だから魔物だと思ってた。
谷絹 茉優:うわ、嬉しい。まあ、表情には出さないですけどね。
オオノタツヤ:終わって人間に戻った後は、すごい汗かいているけど。
谷絹 茉優:あっはっは、そうか。
──(DJ DRAGON)3人とも同じイメージですよ。ライブで意識していることってありますか?



Ktjm:僕は割と他のメンバーを見てます。どういう動きしてるかなって横目でチラチラと。例えばタツヤがお立ち台に登ったら、俺も一緒に登ってみたりみたいな。
谷絹 茉優:空いたとこに行くフットサルみたいな(笑)。でも全体のバランス感は確かにそうかも知れないね。
オオノタツヤ:俺は「ファンが喜ぶっていうことを1番にする」より、「自分たちでかっこいいと思ってるものを、ファンにいいと思ってもらえるようにしたい」と常々思ってます。
──(DJ DRAGON)そういう考えは、これまでの対バンやいろんなアーティストからの影響もあるのかな。
オオノタツヤ:それはそうかもしれないですね。
Ktjm:めちゃくちゃあるんじゃないですか。
谷絹 茉優:ステージングは3人で話しますよね。「この人たちのライブ、何がかっこいいんだろう」とか「後ろを向いている時間って本当にないよね」とか。「これぐらいの割合でお立ち台に乗っているよね」「こういう時にこういう動きをしたらいいね」とか。あと、それを参考にして動いているけど、映像を見返して反省してみたら、「思っている場以上に大きく動かないと伝わんないんだね」とか。
オオノタツヤ:マジで、思っている10倍だよね。めっちゃ動いたと思っても、観ると「あれ。全然動いてない」って。
谷絹 茉優:端から端までステージを使ったと思っていても、意外とちっちゃく見えているんだな、みたいな。どれぐらい動いたらお客さん目線で普通の動きに見えるのかっていうのがあって、写真を撮られる時でも、結構ありえない体勢をしたりするのも同じで、日常にない形をとるからかなり腹筋プルプルする。普通の感覚だと小さすぎて、全然決まらないというか様にならない。
──(DJ DRAGON)ギリギリまで攻めないと伝わらないんですね。
谷絹 茉優:ふにゃって動くんじゃなくて、ピシっと動かないと気持ち悪いな、とかね。あと、言い方によって語弊があるんですけど、余裕を持つというか冷静に部分って絶対必要で、「めっちゃうまくできたぞ」みたいな時って、意外と良くないって言われることが多いですよ。「めっちゃ歌った」「すごい没頭して歌えた」「ものすごく感情込められた」みたいなゾーンに入ってすごく満足度が高い時って、意外と空回っていたりとか、ちょっと走ってたり気持ちが先走っちゃっていたりする。意外とちょっと引いた自分もいて、熱を入れている自分を俯瞰で見ている自分を置いておくのはすごく大事。
オオノタツヤ:それめっちゃあるよね。どっちも演ってきたんで、冷静になりすぎてこなしちゃうようなライブも良くなくて、入りすぎちゃってお客さんとの熱量のギャップが出ちゃって、おだっている奴らみたいになっちゃったライブもあったりして、その辺を反省してきてよかったよね。確かに今はみんなで意識していることかもしれない。
谷絹 茉優:かかりすぎず冷めすぎず。
Ktjm:お客さんの熱量に合わせるのも大事じゃない?お客さんがわーってなっている時はこっちも行った方がいいし、落ち着いて曲をしっかり聴いてくれる時は、ちゃんと聴かせようっていう。そこが食い違うと空回りしちゃうんで、お客さんとのやり取りは大事かな。
谷絹 茉優:ナマモノだからね。
──(DJ DRAGON)Chevonのメンバーは、すごくお客さんを見てるよね。
谷絹 茉優:それはあるかも。顔をちゃんと見るし、会場の奥まで意識するかな。
Ktjm:そうだね。俺もちゃんと目を見る。
──(DJ DRAGON)そう、びっくりしたよ。俺が後ろの方で踊ってたら「踊ってましたね」って言われて、え、2階の奥なのに見えてんの?って思って。
谷絹 茉優:見てますよ。奥に誰いるなとか、関係者にいるなとか。
オオノタツヤ:そういうのが見えている時って、冷静でいいライブができたりするよね。
谷絹 茉優:これね、北海道のJOIN ALIVEで、きゃりーぱみゅぱみゅを後ろの方で見てたんですけど、そのときに「奥の方まで見えてるよー」って言われたのがすごい嬉しくて。その時に「うわあ、嬉しい」と思ったし、自分のライブでもすごい大切だなって思ったんですよね。やっぱりバンド始めた最初の頃って、目線とか声を飛ばす意識というのが手前の人に向きがちなんですよ。会場いっぱいの遠くまで思いが至らないというかね。
──(DJ DRAGON)その気付きがきゃりーぱみゅぱみゅだったというのが面白いね。
谷絹 茉優:いや、めっちゃ嬉しかったんですよ。すごく遠くからそのライブを観ていたので、「ステージ前のお客さんは盛り上がってるな」みたいなライブの外にいる感覚があったんですよ。自分の前に壁があるような意識だったのが、そう言われた瞬間にその壁がパンっと無くなって、自分もこのライブの中にいるんだという感覚になった。それからは遠くまで意識するようになりましたね。
──(DJ DRAGON)Chevonのファンはメンバーに見られていますね。
谷絹 茉優:確かに、「目が合った」ってめっちゃ言ってもらいます。遠くの人にも意識をちゃんと飛ばせているのかな。
──(DJ DRAGON)眼力が動いているからね。<LuckyFes’26>も楽しみです。
谷絹 茉優:すごい楽しみだし、今回はでかいシェボンくんのバルーンが<LuckyFes’24>会場にあるからね。
──(DJ DRAGON)そう、個人的にスペシャルなバルーンが作りたくなっちゃって、実際に作っちゃいました。
谷絹 茉優:完全な職権乱用ですよね。あれは最高ですね。

──(DJ DRAGON)2026年もChevonにとって忙しい年にそうですね。
オオノタツヤ:年々その階段の幅が大きくなっているというか、高さがどんどんでかくなっている感じがあるので、焦りもありつつ自信も持ち合わて頑張っていきたいなって思っていますね。
谷絹 茉優:階段というか、もう壁みたいになってる。しかしですね、山羊というのは山岳地帯の生物なんで、壁に見えるようなものも少しのとっかかりで、その蹄で1歩1歩とね、その壁を登っていくという。それが山羊ですから。
Ktjm:ひとまずは<LuckyFes’26>、皆様も来ていただければと思っておりますので、でかいシェボンくんバルーンもおりますので、一緒に写真撮って、遊びに来てください。
オオノタツヤ:我々はライブを1番大事にしてきていて、これから先もそうでありますので、めちゃくちゃ自信あるんで、ぜひ来てください。絶対楽しいので。
谷絹 茉優:生意気な話にもなっちゃうんですが、武道館であったりとか横浜アリーナっていうところも通過点であるように、メジャーデビューがスタートでもゴールでもないというか、Chevonと名乗って生きているうちはやれるだけやります。そこにゴールは作らないということが、うちらのいいとこでもあると思うし、バズもなく、代表曲みたいなものもないままここに来れたのは、一重にライブが良かったから、皆さんの口コミがあったからだと思うので、<LuckyFes’26>なりうちらのツアーなりで目撃してもらいたいなと思っています。一緒に時代を作っている感覚になって、その渦中にいる感じになってくれたら嬉しいなと思います。

インタビュー◎DJ DRAGON(BARKS)
編集◎烏丸哲也(BARKS)
『三者山羊』

2026年4月8日発売
1.冥冥
2.さよならになりました
3.デイジー
4.さよなら、アイリーン
5.FLASH BACK!!!!!!!!
6.るてん
7.DUA・RHYTHM
8.B.O.A.T.
9.ハルキゲニア
10.菫
11.愛の轍
12.春の亡霊
13.銃電中(2026 ver.)
LuckyFM茨城放送 LuckyFes Special「Chevonという光るブラックホール」

2026年6月1日(月)20:00~21:00
出演:Chevon ※インタビュアー:DJ DRAGON
radiko:https://radiko.jp/share/?sid=IBS&t=20260601200000







