【ライブレポート】44MAGNUM、4月4日の“聖なる日”に鳴らした現在地と身体的限界を突破したサウンド

2026.04.13 21:42

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44MAGNUMが4月4日、東京・高田馬場CLUB PHASEにて<20260404 Special Live>を開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

開演は約20分遅れ。だがそれは遅延ではなく演出だった。LAメタル黄金期の文脈にある、“焦らし”という美学。期待値を極限まで引き伸ばし、爆発の瞬間にすべてを回収する。その古典的手法を今この時代に再提示する意思表示。待つ時間すらもコンテンツになる。それが44MAGNUMの流儀だ。そして、その緊張が臨界点に達した瞬間ステージは幕を開けた。

Mötley Crüeの「Live Wire」から映画『E.T.』のテーマへと繋がるSEが響き、もはや儀式のように繰り返されてきたこの導入が、観客の記憶と現在を接続する。オープニング曲は「The Wild Beast」。アグレッシヴなリズムと抒情的なギターが交差し、コールアンドレスポンスで客席を煽って「I’m on Fire」「“Champ”」へ。一切の迷いなく叩きつけられる音が、オーディエンスの温度を一気に引き上げ、“44の世界”を起動させる。

ドラムは宮脇“JOE”知史。10代でのデビューから日本ハードロック・シーンを支え続けてきた重鎮が刻むビートは、過去でも懐古でもない、今の重量だ。

“応援団代表”を自称するゲストプレイヤーのSEXX GEORGEがベース。その低く構えたフォームから放たれる重低音は、まるでNikki Sixxを想起させながらも、より粘り気のある日本的グルーヴへと昇華されている。

ギターの広瀬“JIMMY”さとしは、華麗なアクションと、抒情と攻撃性を同居させたフレーズで空間を切り裂く。

そして、パーキンソン病と向き合うボーカリストの梅原“PAUL”達也はゴシック調の椅子に鎮座、その姿はまるで“帝王”だ。

その横に立つのは実子のSTEVIE。親子ツインボーカルという唯一無二の形態は、単なる支えではなく音楽として成立し、なおかつ“物語”として機能している点にこのバンドの特異性がある。

PAULは主に椅子に座ってのパフォーマンス。しかしそれは制限ではなく、その状態で鳴らすロックとして、完全に成立している。

「4月4日をみんなと迎えるの、何回目かな…」──PAUL

淡々と語られる一言に、年月の蓄積とここまで続けてきた理由が滲む。MCを挟み「HOLY ANGEL」「Ow!」を披露。GEORGEがオーディエンスに向かって「今日いいです。いつもいいけど、今日はもっといい」と叫び、初期のパンキッシュなナンパー「At Last I’m A Free Man」と共に客席のボルテージを高めていった。

この日の44MAGNUMは、“過去の再現”ではなく“現在の更新”と言えるものだった。抒情的で、エアロスミスを彷彿とさせる初期のラブバラード「You Love Me,Don’t You?」へと流れ込む展開は、黄金期の記憶を呼び起こしながらも、決してそこに留まらない。

さらに「High School Uproar」「Baby, Come Together」ノリの良いマグナムロックを披露。ラストブロックは名曲「Your Heart」「LOCK OUT」でのコールアンドレスポンスで客席を煽り、最高潮の客席と共に本編の幕を閉じた。

アンコールは、まずJIMMYが登場。インスト曲「SAD WINGS」をベースにしたJIMMYのロングソロだ。純白のフライングVタイプが照明を反射し、ステージ上にひとつの美を成立させる。そしてメンバー全員がステージに揃い初期の代表曲「l’ m Lonely Man」が会場に鳴り響きアンコールが終了した。

再び登場してダブルアンコールがスタート。ライブ定番曲「Satisfaction」の恒例コールアンドレスポンスでクライマックスを迎えたかと思いきや、雷鳴のSEが会場内に轟いた。そのSEに観客は条件反射のように拳を突き上げ、代表曲「STREET ROCK’N ROLLER」がすべてのオーディエンスに突き刺さり、この日のショーは終了した。

この日、最も象徴的だったのはPAULの所作にあった。座って歌っていたPAULが、ライブ後半ゆっくりと立ち上がる。演出でも義務でもない。音に導かれた結果としての立ち上がり。その瞬間、フロアの空気は変わった。歓声ではなく、もっと生々しいどよめき。不安と歓喜が同時に立ち上がり、空間を満たした。その中でPAULは歌う。そこにあったのは技術ではなく、存在そのものが音になる瞬間だった。

撮影◎JUNYA KATO

 

■<44MAGNUM -20260404 Special Live->4月4日(土)@東京・高田馬場CLUB PHASE セットリスト
01.The Wild Beast
02.I’m on Fire
03.“Champ”
04.HOLY ANGEL
05.Ow!
06.At Last I’m A Free Man
07.You Love Me,Don’t You?
08.High School Uproar
09.Baby, Come Together
10.Your Heart
11.LOCK OUT
encore
-SAD WINGS(INSTRUMENTAL)- ※広瀬“JIMMY”さとしGuitar Solo
12.l’ m Lonely Man
W.encore
13.Satisfaction
14.STREET ROCK’N ROLLER

 

■イベント<Narciss Presents SAITAMA Summer Rock Festival 2026「Burningsplash – 60分 BATTLE -」>
8月9日(日) 埼玉会館 小ホール
open12:30 / start13:00
▼出演
44MAGNUM
EARTHSHAKER
SUPER BLOOD
SEX MACHINEGUNS
JUNYA project
(問)浦和ナルシス 048-8248771

 

■ワンマン<44MAGNUM -CLUB GIG CIRCUIT 2026->
9月19日(土) 東京・高田馬場CLUB PHASE
9月21日(月/祝) 神奈川・新横浜 NEW SIDE BEACH!!
open17:30 / start17:30
詳細:44magnum2001.com