2025年11月29日、30日に千葉・幕張メッセイベントホールにて＜カリスマガンボツアー＞が行なわれた。同ツアーは、“カリスマハウス”で同居する7人の「カリスマ」たちによるキャラクタープロジェクト『超人的シェアハウスストーリー「カリスマ」』による過去最大規模のライブツアー。そんな「カリスマ」らしいワチャワチャが詰まっていた、30日公演をレポートする。

オープニングムービーに合わせて、カリスマたちのCVを担当する声優7人が鍋の中から姿を現す。しかし、見えているのは上半身のみというシュールな絵面だ。会場から笑いが起きると、伊藤ふみや役の小野友樹の「カリスマガンボ、いただきま〜す」という声でライブがスタート。「カリスマガンボ」を歌いながらステージに登場すると、まずは「カリスマピザパーティー」で盛り上がっていく。曲終わりにそれぞれのキャラクターを表現するようなポーズをキメ、続くのは「カリスマ・イン・ダ・ハウス」。ダンサーたちも加わり、観客も声を上げて、会場は熱気を帯びていった。

会場を見渡し、小野が「どいつもこいつも凡人だな」とつぶやくと、「俺たちは、カリスマです！」と声を合わせる7人。1人ずつ改めて自己紹介しつつ、千穐楽を迎えたことを噛みしめていく。天堂天彦役の橋詰知久は、声帯の不調から完全復帰。カリスマメンバーと会場からは、「おかえり！」という温かい声が上がっていた。

次のコーナーは、「ゆたしくねガンボ」。曲が終わったタイミングで沖縄の名産品を手渡されたメンバーが、“カリスマなモノボケ”を披露するというコーナーだ。まず指名されたのは草薙理解役の山中真尋。シーサーを手に持って「それ、シーソーやないかい！」とモノボケすると、会場からは「おぉ〜」という反応が返る。続いてテラ役の大河元気はゴーヤ、湊大瀬役の日向朔公はサーターアンダギーでモノボケをして盛り上げ、ターゲットは猿川慧役の細田健太へ。“ちんすこう三部作”なるモノボケをするも、やや不発。2連続で指名されてしまった。その流れで「カリスマさびら」をパフォーマンスし、会場を沖縄色に染めていった。

次の企画は、「お子様ランチガンボ」。なんやかんやで“かりちゅま声優”として小さく変身した7人は、将来の夢を語ることに。リアルで欲望たっぷりの夢を語り合うと、コーナーを進行していた日向がスモック姿でステージに登場して他の6人を呼び込む。キャラクターのイメージカラーのスモックに着替えた7人で披露したのは、「とってもかりちゅま」。本当に子どもたちが遊んでいるかのような、ワチャワチャな空間を作り上げていった。

元の衣装に着替えたところで、「お風呂ガンボ」へ。お風呂が沸いたことを知らせるSEに続いて「今年一番やらかしたこと」を発表するという、まったく癒やされない（？）企画だ。トップバッターを飾った山中は、ツアー中1度も「とってもかりちゅま」を間違えずに歌えなかったと懺悔。だが、判定はNGで、「これでダメなの！？」とメンバーたちはざわついていた。細田と大河が一発でクリアし、流れを味方につけた山中も、2回目でクリア。その後も小野、日向、橋詰とクリアし、ステージに残ったのは本橋依央利役の福原かつみ。雑草剤で芝まで枯らしてしまったという懺悔でクリアしたところで、「カリスマ温泉郷」がスタートする。温泉のセットの中に浸かりながら、リラックスした雰囲気でパフォーマンスをしていった。

続いては、凡人（『カリスマ』のファンの呼称）がメンバーからの質問にコール＆レスポンスで答えるという「富士山ガンボ」。トップバッターを飾った日向の「この中で一番セクシーなのは？」という質問は、会場のあちこちから「天彦！」との声が上がる。その後も凡人からさまざまな声が返っていき、ステージも会場もカオス状態。ラストは全員で「カリスマガンボツアーは？」、「最高！」というコール＆レスポンスが決まっていた。十分に温まったところで、「FUJIYAMA　CHARISMA」がスタート。全員で歌って、踊って、会場が一体となっていた。

企画＋楽曲というカリスマらしいシュールな雰囲気で進んでいくライブ。お買い上げされたメンバーが“何かしらやる”という「お買い物ガンボ」では、福原と日向による「ねんねむりんりん」、橋詰と細田による「ほわしゃぱ☆クリスマス」、小野、山中、大河による「カリスマハウスの事件簿～消えた秩序の笛～」とユニット曲がパフォーマンスされていった。早口言葉「ケツパラガス」選手権なる「伝説ガンボ」では、激ムズ早口言葉にさまざまな速さで挑戦。大河、細田、日向、小野、福原、山中とクリアしていくも、ラストの橋詰は爆速で失敗に終わる。肩を落としながら思わずため息をついていたが、気を取り直して「カリスマ伝説」で再び盛り上がっていった。

そして「おつカリスマ！忘年会」、「カリスマジャンボリー」と駆け抜けて小休止。ここで、「カリスマ」がテレビアニメ化されることが改めて発表されると、会場からは「おめでとう！」という歓声が巻き起こっていた。

ラストスパート前、「皆さんと一緒に時間と空間を共有して楽しめていることを、心から幸せに思います。『カリスマ』が見せてくれる景色を一緒に楽しんでいってくれたら嬉しいです」（山中）、「『カリスマ』って自由に楽しめるコンテンツなのに、こんなに一体感があるなんてなかなかないんじゃないかなって思います。これからも皆様の日常のお供として、『カリスマ』を覗き見しながらアニメ化なども待っていただければと思います」（福原）、「日を追うごとに『カリスマ』のこと、凡人の皆さんのことを好きになっていて、今日が現時点で一番好きな状態。もっともっと好きになることは決まっているんだから、いろんなことをやらせてくれよっていう気持ちが止まらないです」（細田）とそれぞれ挨拶をしていく。

日向は涙を見せながら「気合を入れて鍋の中から登場した時に、皆さんの顔を見てすごい安心したんですよ。こんなに応援してもらえるコンテンツに参加できてよかったなって。自分自身も熱くなって楽しむことができました」（日向）とコメント。さらに「『カリスマ』には大きな夢がありまして。友だち100万になったらみんなでおにぎりでも食べたいな、という。チャンネル投稿者数が現在35万人前後。我々がおにぎりを食べるために、皆様にお力を貸していただけるように笑顔で精一杯走ることだと思っています。応援の方よろしくお願いします」（大河）、「喉を壊した状態でもステージに立つことを許してくださって、皆様から温かい声援をいただいて。僕は皆さんの顔を映したものを動画で撮っておいてもらって、それを見ながら生きていたいなって思ったんです。それくらい皆さんの笑顔が僕らに力をくれています」（橋詰）、「『カリスマ』っていいな。このひと言に詰まっている気がします。僕らはこの瞬間にすべてを置いてきました。受け取ってもらえていると嬉しいです」（小野）と熱い思いを伝えていった。

そしてラストは「超カリスマ凡踊り」、「めちゃめちゃカリスマ」で大盛り上がり！　笑いあり、涙ありだった『カリスマガンボツアー』。不思議と元気になってしまう『カリスマ』は、これからもまだまだ大きくなっていくのだろう。そんなことを感じさせられたライブであった。

文◎高橋梓
写真◎江藤はんな(SHERPA+)