【コラム】ア・ロング・タイム・アゴー 〜BARKS編集部の「おうち時間」Vol.043

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今更ながらポッドキャストというものの魅力に気づいた。時事問題だろうがエンターテインメントだろうが自然科学だろうが人文科学だろうがなんだろうが、詳しい人たちのお話を思い立ったその時に手っ取り早く好きなだけ聞けるってすごい。仕事や家事をしながらでも寝起きのはっきりしない頭でも、自発的な努力なしにどんどん知識が流れ込んでくるっていう仕組みマジすごい。外出自粛で在宅時間が増えるまでは、面白そうだとは思っていても音楽やラジオを聴くのに忙しくて「人の話をじっくり聞こう」という境地になかなかたどり着けなかった。ステイホーム中の数少ない収穫である。

とはいえずーっと真面目な話ばっかりだとくたびれちゃう。自宅作業のあいだ流し聞きするのにちょうどよい番組はないものか……と手当たり次第に探していて出会ったのが、子ども向けの読み聞かせシリーズだ。自分が知らない言語のものを選ぶと、ストーリーが入ってきすぎないしちょっとした異文化体験もできてなおよろしい。語学力も知力も乳児レベルの筆者は、子どもの頃に好きだったディズニー作品やセサミストリート、きかんしゃトーマスなどを中心に、いろんなお話をわかったようなわからないようなぼんやりした感じで楽しんでいる。

▲今日のテーマ曲

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■‎Disney Magic of Storytelling


ABC 11によるディズニー作品の読み聞かせ番組。『ファンタジア』の「魔法使いの弟子」に始まり『リメンバー・ミー』のスペイン語版、『ミッキーのクリスマスキャロル』など、折に触れていいとこついてくるラインナップも嬉しいのだが、そんな中にしれっと混ざるスター・ウォーズ回が熱すぎた。C-3POとR2とBB-8が「レイア将軍が〜」「タトゥイーンに〜」とか話してるのを童話スタイルで聞かせてもらえる日が来ようとは。



■Thomas & Friends Storytime


『きかんしゃトーマス』75周年記念企画の一環として発表され、5月にスタートしたおはなしポッドキャスト。冒頭の汽笛からすでに泣ける。音楽や効果音も彩り豊かで、まるでアニメを観ているみたいに楽しめます。戸田恵子版に慣れ親しんできた世代にとっては、トーマスさんが時おり垣間見せる圧倒的陽キャ感もなかなか新鮮。

■Sesame Street Ready for School Challenge

エルモと一緒に社会性を身につけよう!的な就学準備シリーズ。おともだちを作るには?朝おきたらなにすればいいのかな?等々、加齢とともに忘れかけていたフレッシュな気持ちが呼び起こされ、その都度己の人生を振り返り見つめ直すことになるのでこれはなるべく元気な時に聴きたい。

■Story Seeds

子どもたちと作家陣のコラボレーションで生まれた物語が楽しめるこのシリーズは、3月に第1シーズンが始まったばかり。創作風景や作家インタビューなども交えた国語の授業っぽい構成で、聴いているうちに「自分もお話を作ってみたい」という気持ちになること間違いなしです。小さい頃に聴いてたら人生変わってたかもしれない。

■Conta Pra Mim?


FafáさんとThiagoさんがいろんなお話を紹介してくれるブラジル発のポッドキャスト。語り手の熱演と凝った演出、ストーリー展開に沿ったかわいいBGMのおかげで、言葉がわからなくてもものすごく楽しめます。大人にとってもためになるお話が多そうなので、いつかポルトガル語ができるようになったらちゃんと聴きたい。

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このほかにも、「ネコ vs イヌ」「チョコレート vs チーズ」など身近すぎるテーマを例に討論の進め方が学べる番組や、10歳の女の子による自己啓発系番組、寝付けない子のためのマインドフルネス指南まで、キッズ向け番組の世界には気になるものがまだまだたくさんある。当然ながらいずれも低刺激な作りなので、自宅作業中の力尽きタイムに聴くのにもぴったりだ。ジュリー・アンドリュースが“外出できない子どもたちのために”とスタートさせた読み聞かせシリーズをはじめ、ステイホームの動きをきっかけに生まれた新番組の今後の展開にも期待したい。



文◎minoue(BARKS)

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