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兄妹デュオのRichard CarpenterとKaren Carpenterは、おそらく、カリフォルニアのダウニーが生んだ最高の賜物かもしれない。かつて神童と呼ばれた彼らがスーパースターの座に上りつめるきっかけとなったのは、Herb Alpertであった。彼がこの兄妹を見い出し、当時まだ駆け出しだったレーベル、A&Mの中でも最もビッグなグループの1つへと転身させたのである。

彼らはしばしば、万人受けするソフトポップグループと、あまり好ましくない表現で評されてきた。しかし実際は、Richard CarpenterはBrian Wilsonの製作テクニックを模範とした、見事なスタジオテクニシャンである。いずれにせよ、ヒットシングルは常にすばらしいものだった。そして、根も葉もない言いがかりにもかかわらず、Karenは歌の情感をはっきりとヴォーカルに刻み込んでいた。それが最もよく表われているのが、“Rainy Days And Mondays”のようなメランコリックな傑作である。この歌は今もなお、歌詞に込められた悲しみを、リスナー達に感じさせることができるのである。

Karenは、'83年に拒食症で亡くなった後、ちょっとしたフェミニストヒーローになった(彼女は最後までずっと、最も有名な女性ドラマーの1人であり続けた。実際にはレコードのほとんどのパーカッションのパートは、セッションプレーヤーのHal Blaineによって演奏されたのだが)。デュオとしての彼らは、お涙ちょうだい的なテレビ番組の題材としてとりあげられたり、また、もう少し良いものでは、イギリスの作家Richard Colemanの書く伝記の対象にもなった。彼らの伝説は、今も時とともに成長し続けている。そして、彼らのなつかしのシングルを流す、アメリカのイージーリスニング専門ラジオ局が存在する限り、Carpentersは生き続けるのである。事実、シングルこそが、彼らの伝説を作り上げたのであり、ヒット曲なくしては彼らのアルバムは語れないのだ。

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