伝説のギャングスタ・ラップ・グループN.W.A.を脱退したドクター・ドレが’92年に設立したDEATH ROW RECORDING。
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 『THE CHRONICLE-The Best Of The Works』/DR. DRE
2001年12月19日発売 VICP-61731 2,520(tax in)
1 Nuthin’ But A "G" Thang 2 Gin & Juice/Snoop Doggy Dogg 3 Afro Puffs/The Lady Of Rage 4 Natural Born Killaz/Dr.Dre,Ice Cube 5 Murder Was The Case(soundtrack)/Snoop Doggy Dogg 6 Lil’ Ghetto Boy 7 Let Me Ride 8 California Love/2Pac,Dre And Roger Troutman 9 Fuck Wit Dre Day(And Everybody’s Celebratin’) 10 Serial Killa/Snoop Doggy Dogg,D.O.C.,Rbx & Tha Dogg Pound 11 Stranded On Death Row 12 Nuthin’ But A G Thang(Remix)
 
●冠どおり自己名義の曲も含んだデス・ロウ時代のドクタードレ・ワークスのベスト。期待された未発曲はないものの、収録された殆どがメガヒットした曲なだけに初級者には最適。コアな人には、何とエンハンストでM1、9のビデオ・クリップ(スヌープがメチャ若い!)、ギャラリー、スクリーン・セーバー、さらにオリジナル・ポスターが作れちゃう機能までアリと、至れり尽せり。しかもかなり凝ってる作りなんだ、コレが。
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当時の配給元はインタースコープであり、ドレのマネージメントをしていたシュグ・ナイト(註1)との二人三脚でのスタートとなる。
翌年’93年にレーベル第一弾としてリリースされたのは、そのドレの1stソロ・アルバム『The Chronic』で、余裕のマルチ・プラチナムを獲得し、一躍ヒップホップ・シーン最註目のレーベルと化す。
その『The Chronic』にも大々的にフィーチャーされた新人ラッパー、スヌープ・ドギー・ドッグ(当時)を始め、ランD.M.C.、オニックスらを伴って、<The Chronicツアー>を敢行。全世界のヒップホップ・ファンが註目する中、『The Chronic』で名を挙げたスヌープが1stアルバム『Doggystyle』をリリース。リリース直前にスヌープ本人が殺人罪で逮捕される、というスキャンダラスな事件(註2)が、アルバムの話題性へさらに拍車をかけ、『The Chronic』を越える大ヒットを記録。
その後、ドレが保護観察中だったにも関わらず飲酒運転で再逮捕されるなど、レーベル周辺の慌しさも治まらぬ中、’94年にドレ&スヌープ(&レディ・オブ・レイジ)が初来日。
ドレとスヌープの圧倒的な存在感、エンターテイナーぶりを見せつけ、名曲「Who Am I?」を2回やっちゃうくらいの盛り上がりで大盛況に終わった。さらにスヌープ主演の映画『Murder Was The Case』の制作やサントラ『Above The Rim』をリリース。
また、’95年に『Doggystyle』や前述サントラにも参加し、既に註目が集まっていたグループ、ドッグ・パウンドが1stアルバム『Dogg Food』をリリース(註3)し、『Doggystyle』には及ばないまでも当然大ヒットを記録。
更に2パックも移籍(註4)し、デス・ロウ帝国安泰かと思いきや、なんとレーベル・トップのドレがレーベルから離脱するという事件が勃発! 追い討ちをかけるかのように移籍後第一弾アルバム『All Eyez On Me』をリリースした直前に起きた衝撃的な2パックの死(註5)。急速に勢いを失ったデス・ロウだがスヌープの2ndアルバム『Doggfather』や2パックの未発音源(MAKAVELI名義『The 7Days Theory』やベスト盤『Greatest Hits』)、2パック主演映画のサントラ、これまた待望のレディ・オブ・レイジのデビュー・アルバム『Necessary Roughness』などをリリース(註6)するも、’97年には保護観察期間中に拳銃不法所持、暴行容疑などでシュグが刑務所へ。そして’98年にはスヌープまでも離脱し、ノー・リミット・レコーズへ移籍。レイジ、コラプト(ドッグ・パウンド)らも次々と離脱する。ま
たレーベル設立当初からのメンバーで、ドレ離脱後の制作面での屋台骨であったダズ・ディリンジャー(ドッグ・パウンド)が、’98年にソロ・アルバム『RETALIATION, REVENGE AND GET BACK』をリリースするも、すぐに離脱し完全に停滞期へ突入。怪しげなコンピレーションや未発表曲集(2パック「Thug Nature」など良い曲をストックしている)のリリースが続いていたが、’01年夏、遂にシュグが出所(註7)。
レーベルを新たにロウ(Tha Row)と改め本格始動し、まずはドッグ・パウンドの未発表曲集『2002』(註8)、スヌープの未発表曲入りベスト・アルバム『Greatest Hits』(註9)をリリースする。
更に、西海岸では知られた存在のMC、クルックト・アイ(Crooked I)がデビュー・アルバムをリリースする予定とか…。また結局発売しないらしいが、あのジェニファー・ロペスのポルノ・ビデオなんてのも所有してるらしく、いろんな意味でシーンを盛り上げてくれそうな予感あり。
’90年代のヒップホップの歴史を作り、今後更に新たな風をシーンに送り込むレーベルであり、目が離せない。 |