pic by YUKI KUROYANAGI 現在の世界のポップ・ミュージック・シーンを担う若きクイーン、クリスティーナ・アギレラのおよそ3年振りの来日公演である。前回の来日時は、まだあどけなさを残したキュートなアイドル・スターだったが、今回は昨年秋発表の2ndアルバム『ストリップト』同様、大胆過激なセクシー・イメージにグッと変身して帰ってきた。デビュー時以来、やたらと“清純派ヒロイン”、ブリトニー・スピアーズのライバル役的に語られることに対しての反抗からだろうか? 彼女の昨年のその変身ぶりには賛否両論巻き起こったものであった。が、いざフタをあけてみたらさすがは実力派の歌姫、このアルバムも5曲ものシングル・ヒットを生み、いまだに世界各国のチャートの上位にランクインし続ける大ヒットを記録中。こうして妖艶な大人へと成長を遂げたクリスティーナに、全公演ほぼソールド・アウトの熱いリアクションで日本のオーディエンスも応えた。 pic by YUKI KUROYANAGI ライヴはいきなりスクリーンにクリスティーナの映像が映し出されるところからスタート。そこで大歓声が沸き上がると、そのままステージには10数人のダンサーが群れをなして現れ、そこからクリスティーナが登場。セクシーでデンジャラスな“新生クリスティーナ“を打ち出した「Dirrty」でショウは幕を開けた。日本の観衆の前に久々に姿を現したクリスティーナの格好は、黒を基調とした肌の露出度の高いセクシーな衣装に、毛先を赤く染めた黒髪といった、やはりここ最近お馴染みのセクシャルなイメージ。ダンサーとは下半身ごと絡んでくる大胆なダンス、デビュー曲の「Genie In A Bottle」では鉄の鎖に妖しく繋がれ、原曲イメージを大きく覆すパフォーマンスを行うなど、演出面もかなりきわどい。マドンナが自分の娘に「ブリトニーの真似はいいけど、クリスティーナはダメよ」としつけている理由もわかる気がした。しかし、そんな強がっているクリスティーナも、いざファンを目の前にして話し出すと、素の23歳の女のコ。「日本には幼い頃に住んでたから第二の故郷よ!」という言葉は無邪気にはずんでいたし、観衆からの「I Love You」という叫びには「me,too」と気さくに答えたり。こんな一面には一瞬ホッとさせられる。 そうこうしているうちに、ショウは今の彼女を代表する名バラード「Beautiful」で幕を閉じた。かつて“ブリトニーの対抗馬”と呼ばれた少女は、結局大ヒットした『ストリップト』同様、批判意見を言う連中のことなど跳ね飛ばして、芯の強い屈強なエンターティナーとして飛躍しつつある…。そんなことを実感させた、見ごたえあるステージだった。 取材・文●沢田太陽 ■関連記事 ●二十歳のディーヴァが結びつけた全米No.1エンターテイメントと渋谷女子高生文化(2001年のライヴ・レポート) ●クリスティーナ・アギレラ、アイドル時代の本音を激白 ●クリスティーナ・アギレラ、父親に虐待されていた少女時代を語る ●マドンナ、娘にクリスティーナ・アギレラの真似を禁じる |