完成された極上のエンターテインメント アシャンティの初来日公演レポート

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完成された極上のエンターテインメント
アシャンティの初来日公演レポート


1stアルバム『アシャンティ』は世界で500万枚以上のセールス。
続く2ndアルバム『チャプターII』もビルボード初登場1位と名実ともに
全米No.1の歌姫アシャンティ。
ここ日本でも大ヒット中の最新アルバムを引っさげ、
初の来日公演を行なった。その模様をお伝えする。


ソウルフルかつ甘く切ない歌声で東京国際フォーラムを魅了

 セットリスト
2003/10/25 @東京国際フォーラム

01. Intro
02. Shawny's World
03. Baby
04. I Found Love
05. What's Luv
06. Always on Time
07. Down for U
08. Mezmorize
09. Movies
10. Scared
11. Rescue
12. The Story of 2 (Dream Maker)
13. Happy
14. Feel So Good
15. R.Kelly Thoia Thong (ダンサーのみ)
16. Rain On Me
17. Carry on
18. Breakup to Makeup
19. Leaving (Always on Time part II)
20. Foolish
21. Unfoolish

【Encore】
22. Rock wit U
23. Dreams (Acappella)

最新アルバム


『CHAPTER II』

ユニバーサルインターナショナル
UICD-6070 2,427(tax out)


01. イントロ
02. シャニーズ・ワールド feat.チンク・サンタナ
03. ロック・ウィズ・U
04. ワット・アー・ゼイ・ガナ・セイ・ナウ(スキット)
05. ブレイクアップ・2・メイクアップ
06. アイ・ファウンド・ラヴィン
07. レイン・オン・ミー
08. ゼン・ヤ・ガン feat.チンク・サンタナ
09. リヴィング・マイ・ライフ
10. ブラック・チャイルド(スキット)
11. フィール・ソー・グッド
12. キャリー・オン
13. ザ・シュガー・シャック(スキット)
14. ザ・ストーリー・オブ・2
15. OHHH AHHH
16. シャニー・シア(スキット)

17. スウィート・ベイビー
18. U・セイ、I・セイ feat.ガンズ
19. アイ・ドント・マインド
20. アウトロ feat.チンク・サンタナ
21. アイ・ノウ
22. アイム・ノット・スケアード

Ashanti
日本の公式サイトはこちら


10/25(土)、アシャンティの初来日公演が東京国際フォーラムで開催された。アシャンティといえば、6月にリリースの『チャプターII』がオリコン総合チャートでも9位をマークしたり、日本でも30万枚を超える大ヒット。米国でも『チャプターII』はビルボード初登場1位をマークした。ビヨンセメアリー・J.ブライジらとともにR&Bシーンを牽引しているアーティストの一人だ。

そんなアシャンティのライヴは東京国際フォーラムに大入り満員となった。客層は若い女性ファンが圧倒的に多く、ヒップホップ系のファッションに身を固めた人の姿もかなり見られた。やはり同い年ぐらいの同性から見て憧れの存在なのだろう。しかし、アシャンティの場合、がんばれば手の届きそうな身近な雰囲気もあり、そこが魅力の一つではないだろうか。

ライヴは日本人シンガーAsukaがオープニングを務め、「BRAND NEW ARIA!!!」など8曲を熱唱。その後、DJがプレイを始めて盛り上げ始めた。このDJはオープニングだけでなく、その後もセットチェンジやアシャンティの衣装チェンジの間にいろいろな曲をかけるのだが、ショーン・ポール、ネプチューンズ、R.ケリーなどゴキゲンな選曲で楽しませてくれた。

その後バンドが現れ演奏開始。いよいよアシャンティの登場だ。

彼女の管楽器のように澄んだ、そして力強い歌声が響き渡る。CDでは、音全体がかなり軽い仕上がりで、シンプルなトラックに踊るような歌声を“乗せている”といった印象の曲が多いように感じたが、生歌はかなり迫力あるソウルフルなもの。

アシャンティの力強いヴォーカルもさることながら、女性2名、男性1名という3人のコーラスのハモりが美しい。これに加えてときにDJのラップが重なるわけで、歌声だけでもかなり厚みのある編成になる。それにドラム、ベース、ギター、2台のキーボードというフルバンドの演奏が加わるため、音の幅が広くバラエティに富んでいる。

また、オープニングはセクシーなミニスカで登場。やがてステージの進行に合わせ短パンとビキニにチェンジ。ラストは胸元が大きく開いた黒いドレスと目まぐるしく変わる衣装は、彼女が音楽的なスターであるだけでなく、ファッション・アイコンでもあることを象徴していた。


さらに、アシャンティの衣装チェンジのほか、曲に合わせてステージに上がる炎、客席いっぱいに飛び出した風船、ダンスを繰り広げるだけでなく、時に曲のテーマに合わせた寸劇まで演じてしまうダンサーと視覚的な演出に事欠かない。そう「Foolish」のラストでは花火まで打ち上げられたのだ。

ソウルフルでありながらどこか甘く切ないあの声、フルバンドによる演奏、DJのプレイとラップ、そうしたサウンド面が素晴らしいものであったが、視覚面でも非常に楽しめるものであり、ミュージカルのように音と視覚の総合エンターテインメントとなっていた。全米トップアイドルを体感したステージであった。

取材・文●末吉靖永

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