『CHUNKY GOD POP』 UNLIMITED RECORDS COCP-31860 2,100(Tax in) 1 PUNK 2 FEED BACK '78 3 TRUE MIND 4 FAR EASTERN 5 STAY TOGETHER 6 NO MORE NO DOUBT 7 NOBODY KNOWS |
TAKUIよりミニボールペンをプレゼント! 詳しくはこちらから。→ 応募締切は2002年7月31日(水)なので、お早めに。 | TAKUI LIVE 2002 <CHUNKY SEVEN GOD TOUR> 8/27(火)新潟 CLUB JUNK BOX 8/30(金)仙台 CLUB JUNK BOX 9/1(日)札幌 KRAPS HALL 9/5(木)大阪 BIG CAT 9/6(金)名古屋 E.L.L. 9/8(日)福岡 DRUM Be-1 9/12(木)東京 渋谷公会堂 [問] BEAT&LOOSE 03-5765-6806 | | ――今作はタイトでスピード感溢れるものになっていますね。
TAKUI: まずひとつ、サウンド…音の作り方が変わりました。今までみたいなヘヴィなサウンドじゃなく、もっとポップで…フットワークの効いたスピード感のあるものをやりたいなって思うようになってきました。
――歌詞に関してはいかがですか?
TAKUI: 歌詞は結構寸前にならないと書かないほうなんです。昔は曲を作ったらすぐに詞を書いてたんですけど、それだと歌う頃には新鮮さが無くなっちゃってですね、歌う時に古ぼけて感じてしまうことがよくあったんで、もうリハーサルが始まる直前に書くという感じ。それこそレコーディング前日まで書かなかったとか。
――あせったりしないですか?
TAKUI: そりゃ、すごいあせりますよ、やっぱり。でもいざっていうときにリアルじゃないと…と思うんで。
――弱冠23歳ですけど、詞には非常に深みがありますよね。こだわりや譲れない点があることと思いますが。
TAKUI: ま、自分の中で出てくる言葉を綴ってるだけ…ですけど、“譲れない”のは“自分で書くこと”だとは思います。多分、訴えたいからヴォーカリストをやってるんだと思うし、伝えたいから曲を作ったわけで、自分の言葉で叫びたいと思うから詞がある。常に第三者に対して“自分はこう思っている、それをあなたはどう思いますか”という繰り返しが欲しいなって思ってます。
――人によっては、歌詞を作ることは“自分の引き出しを一つずつ開け、自分自身を切り取っていく非常につらい作業”とも“自分をさらけだしていく勇気のいるもの”とも言いますが、そういう感覚はありませんか?
TAKUI: いや、そう思ってますよ、やっぱり同じです。詞を書くのは難しいですから。…曲だったらいくらでもできるけど、詞はそうはいかないですね。浮かんでくることももちろん大事なんですけど、それが歌詞として成立していないといけないし、そもそも意味が伝わらなければいけない。いい言葉でも、それがメロディにはまらないとやっぱりダメだし、もちろん自分が歌いやすくなくちゃダメ。例えば、ハイトーンな場所では「い」のような口を横に開く言葉よりも「お」の方が声は出やすいわけで、歌いやすい言葉に変えてしまうこともありますから。
――低い声域の抜けのよさも特筆ですよね。プロモーションビデオにもなった1曲目「PUNK」のハモとか。
TAKUI: 自分の本質はよくわからないですけど、基本的に癖のない歌い方をしようっていうのが僕のテーマです。癖の強い人は強いですよね? だからそういうのを一切なくしてます。本当にただ口をデカく開けて、のどを開いて腹で歌うってだけです。これが自分のポリシー。
――それこそが“TAKUIっぽさ”を作り出すポイントでしょうか。
TAKUI: うん。それを続ければ、僕の真似っていうのは誰にも絶対できないと思うんですよ。だって自分自身で“自分を作っていない”んですから。
――そこも音楽に対する絶対的な自信や確固たる信念の表われですね。 TAKUI: あの…自分で自分を実感することが大事だと思うんです。もちろん気付くことも大事。僕は以前美容師を志していて、いろいろと自分なりに努力していたつもりなんですけど、でもそのうち自分が美容師になるイメージがなくなったんですよね。自分に髪を切る才能があるのか?って不安もあったり。でも、ミュージシャンになることに関してそういう不安は何ひとつなかったんです。やっぱ歌いたかったのもあったし、曲を作れたことやギターも弾けたということもありましたけど、何よりその決心が揺るがなかったのは、何より自分の才能を信じていたから。 ――そしてそれは、未だに揺るがない。 TAKUI: それがなくなったら音楽をやめるんでしょうね。でもそれが続く以上いい曲は作れると思う。これは本当うぬぼれじゃないですけど、中学の時「もう俺が出てこなかったら損だな」と思いました、本気で。これだけ曲が作れるんだからやっぱり俺が行かなきゃって。「自分がやらなくても誰かがやってくれるだろう」と思うから人は続かないんであって、今でも「オレが売れなきゃ」って思ってますから。 ――素晴らしい。大事なことです。 TAKUI: ホント大事なことだと思いますよ。それがなきゃ、時代や世界なんか変えられないと思うし。 ――確実にファンを増やし、ライヴ動員も増えていますよね。 TAKUI: すごい地味ですけどね。時間かかってしょうがない、ひとつの場所を必ず2回位演ってるんで。ただ、前回ソールドアウトに時間がかかった会場が、即時に完売したりするような手応えはありますから、それをずっと続けていくんじゃないんですか? 地道に確実に流されず「本当にいい」と言ってくれるリスナーを増やしていく方法…うさぎとかめでいったらかめですよね。アリとキリギリスでいったらアリなわけで。 ――売ることばかり意識して業界戦略に巻き込まれ、才能をスポイルしてしまうアーティストもいますからね…アーティストの歩み方としてそれが王道でしょう。 TAKUI: 僕だって去年などは悩みましたよ。レコード会社側が望む“売れるため”という言葉と、自分の“裏切らないため”という言葉…そこにはものすごい葛藤がありました。僕がファンを裏切らないために活動していくことは新しいファンをつかめないことでもあることは自分でも分かってる。でも、裏切ってでも新しいものを…というのは非常に厳しい。実際、そうやって臨んだシングルは数字的にも自分のテンション的にも辛くて、カップリングで精一杯ロックっぽい歌い方をして、なんとか過去とつなごうとしている自分がいたし。ただ、それを繰り返してきた中で、2002年3~4月のツアーがとても有意義だったんです。“やっぱライヴ中心の活動にしていけば時間がかかっても絶対結果が出るだろう”とレコード会社がやっと理解してくれたから。だから今はすごくやりやすい。ここに至るまでの2年はものすごくつらかったけど(笑)。 ――ビジネス的戦略をアーティストに強いるのは、アーティスト本人を一回り大きく成長させる為の一過程でもあるんですよ。つぶれるアーティストもいますが(笑)。 TAKUI: それも分かってます。理解できてたから実行できたし、それが間違いだったとも思っていない。あのね、今の時代、どんなレコード会社でもすごく気が短いでしょう? アルバム3枚までは面倒みるよという時代じゃない。どんなアーティストでもアルバム1枚で結果を出せと言われる。そんな中で「才能を信じてこいつを武道館までもっていこう! こいつを100万枚のセールスまでもっていこう」というプロセスの中でステップアップを図っている。時間をかけなきゃいけないとは思わないけど、時間を掛けてでも…ってことですよね。そういう点で、本当に僕はレコード会社に感謝していますよ。 ――バークスも応援していますよ。そう言えば10月にはまた新作リリースがあるとか? TAKUI: その作品も7曲入りなんです。敢えて時期を空けて、次作は3rdではなく2ndの延長戦のような感じですよね。レコードでいうとA面B面みたいな感じ。 ――なるほど。 TAKUI: The Beatlesのアナログ青盤で思ったんですけど、あれは2枚組だから「A/B/C/D面」となっていて、それぞれの面で名曲がオープニングになってるんですね。オープニングがあってA面のエンディング曲があって、ひっくり返して次なるオープニングがある。だからオープニングが4回、エンディングが4曲。僕はよくできてるなあって思ったんですね。 ――CD時代になって失ってしまったアナログの世界観ですよね。 TAKUI: そうですね。だからこそ多分、現代の人達って12曲のアルバムを通して聴くことができなくなっちゃってる。それをCDで通しちゃうとどうしても8曲目くらいでだるくなるでしょ? 最後まで聴けるアルバムを作らなくちゃいけないんでしょうけど、やっぱり難しいですよね。 ――TAKUIは新作2枚をライヴでつなげていくわけだ。 TAKUI: ライヴ中心の活動、そしてライヴ映えするような楽曲を詰め込んだアルバムを作ればぜったいファンだって付いてくるし、噂が広がりゃいいライヴ演ってんじゃんってなるし。そういう意味でのアルバムをようやく作れた気がします。僕のアルバムに意見はいらない。ただ「いい!」と思ってくれればそれで嬉しいから。でもライヴは高いチケットを買ってわざわざ観に来るというのはよっぽどのことですよね。だからこそライヴは常にエンタテインメントじゃなくちゃいけないと思う。世界的にもこれだけ音楽が出尽くした中だけど、僕は、本当にいいライヴ/いいコンサート/いい歌というものを伝えられればいいなと思っています。 取材・文●烏丸哲也 | |