赤と白の衝撃! 英米のロックファンを虜にするプリミティヴなロックンロール

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赤と白の衝撃! 英米のロックファンを虜にするプリミティヴなロックンロール
赤と白で統一された、ひと目見たら忘れられないファッションと、ギター/ドラムのみというギリギリの編成にもかかわらず十二分にドライヴする音。昨年、イギリス音楽誌の表紙を総なめにするとともにセンセーションを巻き起こした姉弟デュオ(元夫婦という噂もある)、ホワイト・ストライプスの人気は今年に入っても止まるところを知らず、その勢いは彼らの母国アメリカへも逆輸入されてヒートアップする一方だ。

そんな彼らのブレイクのきっかけとなった3rdアルバム『ホワイト・ブラッド・セルズ』(“白血球”という、これまた象徴的なタイトル)が国内でも6月19日にリリースされた。また7月27日にはFUJI ROCK FESTIVAL 02でのステージも控えており、今から心待ちにしているファンも多いことだろう。今回、2人のうちでスポークスパーソン的な役目を引き受けている(?)Vo/Gのジャック・ホワイトに話を訊くことができた。

取材・文●妹沢奈美

僕は自分達のミスがすごく気に入ってる。改めて聴き返すと素晴らしいアクセントになってるんだ

最新 Album

White Blood Cells
V2 Records Japan V2CP-128
2002年6月19日発売  2,310(tax in)

1 Dead Leaves And The Dirty Ground
2 Hotel Yorba
3 I'm Finding It Harder To Be A Gentleman
4 Fell In Love With A Girl
5 Expecting
6 Little Room
7 The Union Forever
8 The Same Boy You've Always Known
9 We're Going To Be Friends
10 Offend In Every Way
11 I Think I Smell A Rat
12 Aluminum
13 I Can't Wait
14 Now Mary
15 I Can Learn
16 This Protector
17 Joline
18 Handsprings

※17&18 ボーナス・トラック
※CD EXTRA仕様:
  「Hotel Yorba」プロモーション・ビデオ収録

――あなたたちの曲はギターとドラム、そして声という最小限の要素で構成されていますよね。シンプルな編成だからこそ可能なこととは、何だと思っていますか。

ジャック・ホワイト(Vo&G:以下J):「演奏を始めると、観客は楽器の数が少ないことは気にしないみたいだね。ベーシストがいたとしても、大半のバンドはギターがやってることを厚くしてたり、アンプの音が極端に小さかったりしてあまり意味がなかったりするんだ。音の数が少ないと、観客は音楽に聴き入ってくれるし、7~8人ぐらいのミュージシャンが支えないと成り立たないような音楽と違って、“長生きできる”タイプの音楽だと思うよ

――'97年に結成して'99年にデビュー作を発表しましたが、当初からメグと2人で姉弟だけでやろうという意思があったんですか。

J:「うーん、自給自足でここまできたって感じかな

――じゃあ、あなたたちはライヴの際の服やジャケットなどで「赤と白」にこだわってますが、これはどうして?

J:「こだわるというか、そうやって自分達に制限を課すことで予想外のアイデアが生まれたりするから、あえて選択肢を少なくしてるだけ。そのほうが興奮するし、クリエイティヴになれるんだ……。選択の幅が無限にあると、かえって煮詰まってしまう気がするんだよ

――面白いですね。で、新作『ホワイト・ブラッド・セルズ』は衝動が深みのある音として響いてきたんですが、あなたたちが目指していた方向とはどういうものだったの?

J:「僕らの場合は、アルバムごとのコンセプトって決めたことがなくて、それぞれの曲に集中してきたんだ。今回は、例えばカヴァー曲は入れないとか、ブルーズはやらないとか、他のミュージシャンは入れないとか、そういう“やりたくないこと”のリストはあった。でも、あくまでも、それぞれの曲に自分達がやりたいことをすべて乗せていくって感じだったな

――ジャックはプロデューサー、ミキサーとしても活躍しているわけですが、プロデューサーとしてホワイト・ストライプスを見た場合の最大の魅力とは何だと思ってますか。

J:「数え切れないほどのミスだね。僕は自分達のミスがすごく気に入ってて、そのままレコーディングで残すんだ。で、改めて聴き返すと、素晴らしいアクセントになってることが多い。バンドをプロデュースする醍醐味って、そういうことだと思うよ。スタジオに入ってるときは“なんて最悪なプレイだ!”って悩んでも、半年後に改めて聴き直すと、それがアルバムのハイライトだったりするし

――じゃあ、誰でも好きな人をプロデュースできると言われたら、誰をやってみる?

J:「僕が憧れてる人には、僕のような存在にプロデュースさせる価値はないって言われちゃうだろうから、言いたくないよ(笑)。でも……ジョニー・キャッシュとか、いいね
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