▲今からちょうど千年前、紫式部(吉永小百合)は越前国(今の福井県)で好きな書物に読み耽り、物語を書きながら静かな日々を送っていた。そこへ、宮中での権勢を争いに躍起になっている藤原道長(渡辺謙)から娘・彰子(水橋貴己)の教育係を依頼され、京の都へ赴く。そこでの紫式部の仕事は彰子を帝に嫁がせること。その教育の一環として、光源氏(天海祐希)と女たちが織り成す恋愛物語「源氏物語」の話をし始める……。
2001年12月15日より、全国東映系にてロードショー! ●監督/堀川とんこう ●脚本/早坂 暁 ●音楽/冨田 勲 ●出演/吉永小百合、天海祐希、常盤貴子、高島礼子、松田聖子、渡辺 謙、森 光子ほか ●上映時間/143分 |
オリジナル・サウンドトラック「千年の恋 ひかる源氏物語」 日本コロムビア COCQ-83572 2001年12月8日発売 2,940(tax in)
1オープニング~夢かうつつか幻か 2紅葉の道 (越前のテーマ!) 3海賊襲来 4夫の死~タイトルバック(京の都のテーマ) 5光るの君~夢かうつつか幻か 6藤壺への想い 7不義の御子 8六条御息所 9京女の生霊たち 10若紫 11十条帝 12朧月夜 13都落ち 14紫の上 15須磨の嵐 16明石の乙姫 17祟られた帝 18わが都、京 19玲瓏帝即位 20冬の町 21紫の上・殺意 22月の夜のかぐや姫 23屋根からのささやき 24道長と紫式部 25男の方がお考えになる愛とは 26流されて 27越前へ帰る 28大空を通う幻 29終曲
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| 聞くところによると創立何周年記念云々とか、平成の平安絵巻を再現する大プロジェクトとか、尾ひれがいろいろ付いてて小難しそうでソソらない。源氏物語ってストーリーは何気に知ってはいるものの、ちゃんと訳本を読んだこと無い人、俺だけじゃないはずだ!
でも見ると勉強になりますねー、「あー、そうなんだ」って。
そこで一言、「で何が言いたいの?」と。物語上の世界と現実をクロスオーバーさせて構成されているアイデアとか、妖精(松田聖子)の存在とか、ちょっとしたCGとか、なんか意図は解るけど上手く噛み合って作用してない感じ。オチもスッキリはしないわな(まあそういう映画じゃないのかもしれないが)。たとえばその松田聖子が歌うシーンとか、「これ何? 必要なのか?」って考えちゃう(彼女の歌は言うまでもなく上手いけど、唐突に歌われても何だかPVみたいで他意があるように見えてしまう)。
▲見目麗しい光源氏役は、元宝塚で男役を演じていた天海祐希。ロケ地やセットも見モノ! | しかーし、チョッと待て! 天海祐希の光源氏が繰り広げる、め・く・る・め・く・平安美女とのベッドシーン(畳シーンだが)。これはスゴイ!
お相手が、高嶋礼子、南野陽子、竹下景子、細川ふみえ、常盤貴子、果ては岸田今日子まで(さすがに裸は無かったが)。イクところまでイッちゃうねーヒカルさん。野郎供、必見だぜぃ!(女の子は十二単の綺麗な世界を楽しんでね!) |
「夢か うつつか 幻か」……。
そんな内容の映画でした。紫式部を中心に展開する現実世界と、光源氏を取り巻く恋・恋・恋の物語世界。2時間半という長い時間ではあるものの、そこに詰め込むにギリギリなラインで急展開していく内容で、あれよあれよという具合に進みます。
▲紫式部(吉永小百合)と、藤原道長(渡辺謙)。こちらの2人の恋のやりとりもあったりなんかしちゃったりして…。 | しっかし、一夫多妻制が当然の平安時代の宮廷世界、モテ男には様々な女が自然と集まりますネ。うむ、女はちゃんと分かっているんです、権力と経済力と包容力があって、心配なく子供を育ててもいいのね、と思わせる相手が誰かってことを。そんな男をひとり占めしなかった平安時代の一夫多妻制は、かなり合理的です。つまり、男が女を選んでいるようで、実は女が男を選んでいるのです。そして、この映画の女性たちは、ときに嫉妬で狂女になったり、物の怪にとりつかれたりもしていますが、非常にフリーな恋愛が展開され、「viva女性!」って感じです。だって、実在の名作家、紫式部も、清少納言も女性だしネ。(そういう意味で、「Dr.Tと女たち」と合わせて観るといい!)
時代劇ではあるものの、堅苦しく感じずに観られたのは、平安だろうと現代だろうと、どんなときでも「恋」する気持ちは変わらない、ってことでしょうか。様々な恋愛スタイルが登場するこの映画、あなたの恋愛観を見つめなおすのにも、いいかも。
あと、ワタシは「ああ~、母親世代とか、こういう邦画をすすんで観に行っちゃうんだろうな」と感じた映画でした。親孝行したい方は、ご一緒に☆ |
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