『Comfort Eagle』 Sony Records International SRCS-2534 2001年8月22日発売 2,520(tax in) 1 Opera Singer 2 Meanwhile, Rick James... 3 Shadow Stabbing 4 Short Skirt/Long Jacket 5 Commissioning A Symphony In C 6 Arco Arena (Instrumental) 7 Comfort Eagle 8 Long Line Of Cars 9 Love You Madly 10 Pretty Pink Ribbon 11 World Of Two | | Cakeの中心人物であるJohn McCreaは、プロテインのシェイクをかき混ぜながら午前中は血糖値が低いんだと説明した。彼は2杯目を飲み干してから、音楽を支えるバンドについて語ってくれた。 「僕らはカントリーミュージックのパラダイムから登場したんだ。みんなからパーティで歓迎してもらえるようなね。かなり大衆寄りだから、僕らは現在のカウンターカルチャーの夢の外側に取り残されたようなものさ。自分たちを真似する怒れる暴徒から逃げ出そうとしている怒れる暴徒なんだよ」 たしかにCakeは、現在のオルタナティヴ音楽の鋳型にはぴったりとはまらないようだ。 「僕らはリアルな歌、例えばStaindやCreedの本当にシリアスな作品の間にある口内洗浄液みたいなものさ」とMcCrea「エモーショナルなパワーのある強靱な音楽なんだ。僕らの音楽がそれにフィットするかどうかはわからないけどね。僕らのサウンドはこざっぱりしてるから」 だが、彼らの音楽がすぐに変化することは期待できそうもない。 「それが僕らの目指しているサウンドだからね。ビッグでパワフルな音にしたいとは思っていないんだ。さらに経済的なサウンドを指向してるんだよ」 その経済的なサウンドの多くは、Cakeのこれまでの3枚のアルバムと最新作『Comfort Eagle』で聴くことができる。バンドの曲「Short Skirt/Long Jacket」がラジオで重要な曲になったことは、シンガーのMcCreaにとっても励みになったという。「浮かれちゃったよ、ほんとに。僕は慎重な楽観主義者なんだ。ラジオにも時々は変わったサウンドを入れる必要があると思うよ。非難がましく言ってるみたいに聞こえる? たまには内容をかき回してみる必要があるって考えてるだけなんだけど」 McCreaの権力(個人からレコード会社にいたるまで)に対する懐疑は、このアルバムにおける彼の歌詞へのアプローチを彩っている。 「必ずしも意図的にアルバムに入れたわけじゃないんだけど、不幸なことに僕がこうした曲を書かなくちゃいけない立場にいたから、悪態が次々と口をついて出てきたんだろうな」 さらに彼は、オーストリアの貴族が委託して音楽作品を書かせたことをテーマにした「Commissioning A Symphony In C」を例として挙げた。 「つまり、いかに世の中は全然変わっていないかということなんだ。状況はとっても似ているよ。音楽家や作曲家はいつの時代でも支配者との緊張関係を強いられてきたし、両者の間には誤解が常に存在している。もちろん僕はそんなことは望んでいないけど、そういうことが常套句のように繰り返されていることは真実なんだよ」 そうした感情はアルバムのタイトルトラックにも聞き取ることができる。 「君だって自分の経験に基づいて記事を書くだろう? 物書きにとって最も正直な姿勢は自分の経験について書くことだ。僕は自分の経験したことを曲として書いているんだ」 McCreaはこうした歌詞をアイロニーの感覚で送りだしているかのような印象を受けるかもしれないが、彼はユーモアが目的ではないと主張する。 「僕にしてみれば、笑ってる場合なんかじゃないんだよ。ウケを狙うつもりはまったくないんだ。面白がる人たちはポイントをはずしてるよ」「笑ってほしいわけじゃない。僕にとっては面白いことじゃなくて、悲しい事態なのさ。悲しいからアイロニーに訴えざるを得ない。このばかげた状況に対処する唯一の方法だからね」 McCreaは続ける。 「理想論を言えば僕はアイロニーを認めたくないけど、実践的なレベルでは必要なものだと考えている」「銃を悪だと考える人だって、砂漠の真ん中でならず者に囲まれたら銃をとって自分を守ろうとするだろう。人生は短く、困難なものさ。生き抜くためには手に入る道具を使わざるを得ないんだ」 By David John Farinella/LAUNCH.com | |