「LONELY IN PARIS EP」 Zomba Records Japan ZJCI-10038 2001年8月1日発売 1,500(tax in)
1 Lonely In Paris 2Do You Reckon 3Wednesday 4Sleepless Night 5Kiss My Lips
『GLOSS』 Zomba Records Japan ZJCI-10042 2001年9月5日発売 2,400(tax in)
1 Lonely In Paris 2My Heart Belongs To You 3 New York Boy 4This Is All I Need 5Everyday 6On And On 7Don't You Worry 8Why? 9I Swear 10Aeroplane 11Another Day 12Gone Too Long
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GLOSSのプロモ・ビデオにインタビュー/コメントを編集した、バークスオリジナル映像をどうぞ! 貴重です☆
| GLOSS…、リヴァプールで結成されたバンドだけれど、この5人が鳴らすのは、いわゆるUKバンドっぽい音とは明らかに一線を画している。
▲ハイドラン・アナ(Vo) | デビューEP「Lonely In Paris EP」の冒頭を飾る表題曲「ロンリー・イン・パリス」で聴くことができる、キラキラとして瑞々しいサウンドと、どこか懐かしく親しみやすいメロディ・ラインは、たとえばカーディガンズのような玉手箱的ポップネスや、'60~'70年代の良質の音楽のような温かみを湛えているし、そこにハイドランのウィスパー・ヴォイスと艶やかなコーラスが乗った時、今度はフレンチ・ポップスのようなキッチュでスタイリッシュな香りも醸し出される。UKバンドお得意の内省やメランコリーは見当たらない。簡単には用いたくない言葉だけれど、こういうのをタイムレスでコンテンポラリーな音と言うのだろう。 が、そんなポップな世界観の中にも、そこかしこにロック的なアプローチが感じられる。
▲ポール・キャヴァナー(G) | 特にギター。EPのM2「ドゥ・ユー・レックオン」にM3の「ウェンズデイ」、1stフルアルバム『GLOSS』のM3「ニュー・ヨーク・ボーイ」やM6「オン・アンド・オン」、M7「ドント・ユー・ウォリー」あたりの、ドライヴィン&エッジーで、時に歪んだギター・プレイは、多分にロック風味。EPラストの「キッス・マイ・リップス」のリフなんか、どことなくテレヴィジョンの名盤『マーキー・ムーン』のギター・サウンドを彷彿させたりもする。実際そのテレヴィジョンのフロント・マン、トム・ヴァーラインのツアー・メンバーを務めていたという、ギタリストのポールのバックグラウンドに拠るものと思われるが、これがいいフックとなっていて◎。
▲ヨナス・シース(Key)
▲マーティン・リンチ(B)
▲ポール・マグワイア(Dr) | EPではさほど感じられないが、アルバムのほうでは、エレクトロニック・ミュージックへのトライアルもなされている。…いや、もしかしたらトライアルではなくて、最初からそういう一面も持ったバンドなのかもしれないけれど。
アルバムM4「ディス・イズ・オール・アイ・ニード」や、M9「アイ・スウェア」などでフィーチャーされているエレクトロ・ビートやノイズ、シンセ音は、自分たちが単なるギター・オリエンテッドなポップ・バンドではないと主張しているようで興味深い。でも、きっと本人たちには何の狙いも思惑もなくて、「やりたいことを自由にやったら、自然にこうなっちゃった」ってなものなのだろう。グロスの鮮やかなポップ・サウンドからは、そんなフリーでリラックス感に満ちた音楽観みたいなものが強く感じられるのだ。 歌詞の和訳を見てみると、女の子らしい、ロマンティックでちょっとおセンチな心情が綴られたものが多い。キャッチーでハッピーでありながら、ちょっぴり切なくてほろ苦いスパイスが効いたサウンドにピッタリだ。
多彩なサウンドと、普遍的な美しさを持ったメロディ、そして女性ヴォーカル/ソングライターならではの視点やキュートさも兼ね備えたグロス。要チェックの新世代ポップ・バンドです。 |
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