『Eduardo and Rodriguez Wage War on T-Wrecks』 EastWest AMCE-7262 2001年06月20日発売 2,400(tax in)
1カモン 2ファット・コップ 3スーパーストレート 4ホラバルー 5ヘッド・ワン・サイコ 6フューチャー・イズ・プラスティック 7ヒア・ウィ・ゴー 8フェイマス 9スプーキー・エグジット 10ナッシング・エヴァー・ハプンズ 11アストロノーツ・BBQ・パーティー 12コープス・エクスプロージョン 13ザ・マン・パート1 14ザ・マン・パート2 15バグ・フリュー・イン・マイ・アイズ
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リガージテーターのお二人のメッセージです。「新譜の発売は7月28日…じゃなくて6月28です」…とか言ってますが、ホントは6月20日発売ですぜ。 | “ミクスチャー・ロック”──'90年代以降、このキー・ワードで語られるバンドやアーティストが次々と登場してきているが、彼等ぐらいに雑食性を極め、いい意味で節操のない例も珍しいのではないだろうか?
そう…ポップでパンクでヘヴィでテクノでダンサブルでトロピカルで(?)ヒップなサウンドを創り出すオーストラリア出身の2人組ユニット、リガージテーターのことだ。
クアン・イエオマンズ(ヴォーカル/ギター)、ベンジャミン・エリー(ヴォーカル/ベース)、マーティン・リー(ドラムス)というトリオでスタートした彼等は、まず'94年に、EP「REGURGITATOR(日本未発売)」でデビュー。
それぞれ、“ガンズ・アンド・ローゼスとジミ・ヘンドリクス”(クァン)、“メタリカとアイアン・メイデン”(ベン)をルーツに持つという2人が曲作りの要ということもあり、当初こそパンキッシュでメタリックな方向性──クァン曰く“グルーヴ・メタル”──を色濃くしていたが、翌年発表のセカンドEP「NEW(日本未発売)」にて大胆にポップ・テイストを導入し、ファースト・アルバムである本邦デビュー作となる『ジューク・ボックス』('96年)をリリースする頃には、ヒップ・ホップ色をより深く採り入れ、地元オーストラリアは勿論のこと、他の欧米諸国やここ日本でも気鋭のミクスチャー・バンドとして頭角を現わし始めるようになる。
さらに、'97年のセカンド・アルバム『ユニット』では、'80年代風のエレ・ポップ・サウンドに挑戦してさらなる大成功を収め、なんと、同作はオーストラリアでトリプル・プラチナムを獲得したというから驚きだ。
その後、サード・アルバム『アート』('99年発売)のリリース直前にラインナップの一角が崩れ、ドラマーのマーティンが脱退。以降、リガージテイターはクァンとベンのユニットの形態での活動へと移行するのだが、作を重ねる毎にサウンドの幅が広がっていった背景について、ベンは次のように語ってくれた。
▲ベン | 「俺達はガキなんだよ。幼稚園児並みの集中力しかないから、次から次へと興味の対象が移り変わっていくってワケ!(笑)」
また、クァン(アジア系の彼はかなりの日本通で、見た目も日本人ソックリ!)は「regurgitator=吐く人」というバンド名の由来が、彼等のサウンドとも密接に関係していることを以下のように説明している。
「つまり、“様々な情報を吸収して吐き出す”とか、“素材を採り込んでリサイクルさせる”といった意味さ。ただ、初期のステージでは、ライヴ前とかライヴの最中に(!)まさに緊張のあまり吐いちゃうメンバーもいたっけ…(笑)」
そんな彼等の、フルレンス作としては4枚目となる待望のニュー・アルバムが、日本では6月の下旬にリリースされることとなった。
「とにかくワケの分からないアルバム・タイトルが付けたかった(笑)」(クァン)ということで、『EDUARDO AND RODRIGUEZ WAGE ON T-WRECKS』なる原題──“エドゥアルド”と“ロドリゲス”というラテン語の名前はクァン&ベンを差し、“T-レックス”とはゴジラのことだという…──が付けられた新作は、これまで以上にヒップ・ホップ色が強い作風となっている。
▲クァン | 「ニュー・アルバムは、ヘヴィでヒップ・ホップの要素が沢山入っていて、『ジューク・ボックス』に近いけど、より良い楽曲が揃い、プロダクション自体も格段に良くなっている。言わば“ファースト『ジューク・ボックス』のグレード・アップ版”なんだ!」(クァン)
「ドラムスのマーティンが脱けたあと、俺達はただのポップ・ミュージックから抜け出したいと考えていた。勿論、俺達の音楽も一種のポップスではあるけど、“ありがちなポップス”にならないように気を付けたということさ。その点、大好きなヒップ・ホップのエネルギーを採り入れることは、ごく自然なことだったね」(ベン)
尚、今回のレコーディングには、前作のツアーからサブ・メンバーのような形でバンドを手伝っているユーゴ人ドラマーのピーター・コスティッチが全面参加。生ドラムのみのストレートな3曲「スーパーストレイト」「フューチャー・イズ・プラスティック」「ナッシング・エヴァー・ハプンズ」(後者の2曲はかなりパンキッシュ!)の他に、打ち込みを多用したナンバーでも、クァン曰く「70%で生ドラムが重ねられており、ピーターのドラミングをサンプリングして使ったりもした」のだそうだ。
そして、リガージテーターにはもうひとりサポート・メンバーがいる。もう5年近くツアー・キーボーディストを務めているシェーン“Buttons”ラドキンがそうで、「テクノ要素が強まって以降、彼の存在は欠かすことが出来なくなった」(ベン)という。ただ、ずっとシェーンは謎の“ボタン恐怖症”に悩まされているらしく、「洋服のボタンに直接触れることが出来ない」(クァン)のがタマに傷なのだとか…?(笑)
さて、これまでにも何度も日本でライヴを行なっている彼等(メジャー・デビュー以前にも来日してクラブ・ギグをやったことがあるそう)の、かの“フジ・ロック・フェスティヴァル”への出演が決定した。
これにはクァン&ベンも興奮気味で、日本のファンのと再開を楽しみにしていると、次のようにメッセージを残してくれた。
「“フジ・ロック”にはずっと出たかったから、凄く嬉しい! 日本のファンは、いつも自然体で僕達の音楽を楽しんでくれるから、その雰囲気が大好きなんだ。僕みたいな“ひきこもり”ミュージシャンでもハッピーになれるよ!(笑)」(クァン)
「俺達の最高傑作とも言うべきニュー・アルバムのリリースに続いて、“フジ・ロック”で再来日なんて最高だよ。だから、みんなも『エデュアルド&ロドリゲス』を買って、ライヴを観て、2本立てで楽しんで欲しい。“フジ・ロック”当日は、ニュー・アルバムから沢山プレイする予定だからね!」(ベン)
ダンサブルなパワーに満ちた、ヒップ・ホップ・テイスト満載のとびっきり“FUN”なリガージテーター・サウンド──アルバムで、生で…両方楽しめるなんて、何と贅沢なことだろう。
未聴のキミも、是非、そのおバカでエネルギッシュな真なるミクスチャー・サウンドに触れて欲しい! |
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