真心ブラザーズ 2001/05/16 @赤坂BLITZ
1:流れ星 2:遠い夏 3:橋の上で 4:青春のひかり 5:あの夏、ふたりは 6:重なるように 7:LOVE 8:遠くまで来て 9:この愛は始まってもいない 10:ひこうきぐも 11:明日はどっちだ! 12:人間はもう終わりだ! 13:流星
アンコール:素晴らしきこの世界 |
「流れ星/遠い夏」 Ki/oon Records KSC2-368 1,223(tax in)
1 流れ星 2 遠い夏 3 青春のひかり
「橋の上で」 Ki/oon Records KSC2-369 1,020 (tax in)
1 橋の上で 2 奥多摩湖
「この愛は始まってもいない/流星」 Ki/oon Records KSC2-370 1,223(Tax in)
1 この愛は始まってもいない 2 あの夏、ふたりは 3 流星
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| 3月から始まった真心ブラザーズの失恋3部作シリーズ。このトリを飾る3枚目となる両A面シングル「この愛は始まってもいない/流星」の発売日となったこの日は、同時に彼らの赤坂BLITZライヴが行なわれた日でもあった。
あいにく季節の変わり目にありがちな、じめじめとした天気だったが、会場は“超”が付くほどの満員ぶり。まともにステージを観ることもままならないくらいの状態だ。
それもそのはず、今年に入ってからの彼らのライヴと言ったら、3月に2回行なわれた下北沢シェルターのみなのだ。まさにファン待望のステージと言っていいだろう。
そんな期待高まるフロアを前にまずステージに現われたのはYO-KING。あちこちから湧く歓声はどこへやら、まず「流れ星」、「遠い夏」を披露。これらは3部作の幕開けとなった2曲だ。
「今夜限りのライヴです。はっきり言って緊張してます」
そんなYO-KINGの言葉からもわかるように、なるほど、この日は一連のシリーズを敷いたステージになるようだ。続く楽曲も第2弾シングルとなった「橋の上で」を淡々と披露していく。
途中、桜井秀俊のヴォーカル曲「あの夏、ふたりは」では、サイクルズの森川亜希子をゲストに迎えてふんわりとしたデュエットを。続く未発表曲「重なるように」「LOVE」では、YO-KINGがそれぞれギターとピアノ1本で弾き語り。もちろんこれらも、今回のシリーズの流れを意識した作品だ。
特に「ピアノも弾けるんだぜ~」とおどけながら弾きはじめた「LOVE」では、つたない音で聴く者もドキドキさせる反面、歌としてはシンプルかつストレートに心に突きまくる。
気恥ずかしいけど、さまざまな形で聴かせる“愛”の溢れた歌ばかりが並ぶステージは、淡々としつつも、あちこちに哀愁を帯びたような切なさやしんみりとした空気があちこちに広がっていくようだ。見守るファンも特に大きな歓声をあげるでもなく、それぞれのスタイルで楽しむという感じ。「拝啓、ジョン・レノン」や「サティスファクション」のような、いつもの弾けた楽曲こそ少なかったものの、だからこそこのステージがスペシャルなものになっているのかもしれない。
それでも後半では「明日はどっちだ!」「人間はもう終わりだ!」などのロック色の強いナンバーが並び、ライヴはクライマックスを迎える。そして最終曲となったのは、やはりと言うべきか、吉田拓郎のカヴァー「流星」。一連のトリを飾っている作品であり、YO-KING自身が今回の到達点として目標としていた1曲だ。
「この曲を最後に持ってくることで、オレらがこの曲を超えられたかどうかを判断してもらえたらいいかなと」
そんなことを言っていた彼らだけに、ステージの上でもそのギモンを投げかけて、ひとまず幕を降ろすという趣向なのだろう。
そして待望のアンコール。新曲ばかりが続いた本編に背を向ける形で始まったのは「素晴らしきこの世界」。人気曲だけあって、イントロから歓声が湧き、フロアももうひと盛り上がりして、スペシャルなステージは終了。
今回のステージは、いつもの彼らのそれにくらべれば多少賛否両論の出るものになったかもしれない。しかしこれもスペシャルなこの日だからこそ。早くも彼らは次の新たなチャレンジに突入しているらしい。それがどんなものになるかはわからないけれど、また私たちを楽しませてくれるものになるのは間違いないはずだ。
また新しいスペシャルなステージを観せてくれることを期待して、次を楽しみに待ってみたいと思う。 |
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