【インタビュー】ポルノグラフィティ、最新曲「ヴィヴァーチェ」に香る芳醇なサウンドと26年目への一歩「目線は下げずに歩み続けたい」

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■ギターソロってどっちかって言ったら
■入口より出方の方が大事なんですよ


──アレンジに関しては、宗本さんとどんな方向性で詰めていった感じですか?

新藤:ストリングスは必要だよねっていう話は最初の段階でしていたかな。あとはわりとストレートなJ-POPの手法を踏襲していった感じだったと思う。こういうキラキラとしたタイプのポップスが自分は好きなんだなとあらためて思いながら。あ、でも間奏とギターソロをどこに入れるかはけっこう話し合ったかもしれない。

──ちょっとシンフォニックな雰囲気になる間奏を経て大サビ入り、その後にギターソロが入ってくるという流れは、すごく気持ちよかったです。

新藤:その順番はちょっとこだわったかな。流れを変えて何度かやってみたりしつつ。

──今回のギターソロに関しては、どんな思いで演奏されました?

新藤:出た、ギターソロ論争。康兵が「入れろ」って言うから入れました(笑)。

──いやいや(笑)。9月に放送された『EIGHT-JAM』に出演された際、昭仁さんも「ギターソロはなくさせない」とおっしゃってましたもんね。

岡野:まあまあ、一応テレビ上…って言うとアレですけど(笑)、僕はそういう立ち位置に回ろうと思ってね。もちろん新藤のギターソロがあったほうがいいと思ってますし。

新藤:ギターソロはね、康兵がすごくこだわるんですよ。なんとなく弾くと、「ここ、もうちょっと違ったやつありませんか?」とか、わりと言ってくるので(笑)。まあ「ヴィヴァーチェ」に関しては勢いのある曲なので、その勢いを殺さないようなソロがいいなと思いながら弾いてましたね。


──ちなみにアレンジが上がってきた段階では、晴一さんのギターソロのところがポコッと空いている感じなんですか?

新藤:そう、駐車場みたいにポンと空いてるんですよ。「はい、ここに車を止めてください」みたいな(笑)。

──あははは。康兵さんの駐車場は止めやすいですか?

新藤:まあね。コード進行とかも含め、いろいろ気を使ってくれてるなっていうのは感じます。その上でポーンとスペースが空いてます(笑)。

──ギターソロに関しては事前にじっくり考えた上でレコーディングに臨むのか、現場でのアドリブを大事にしていくのか、どっちのパターンが多いですか?

新藤:昔は全部きっちり作っていってたけど、今は現場で「ちょっと時間ちょうだい」って言って考えたりすることもあります。全編アドリブってことはないですけどね。それだと似たようなものばかりになっちゃう可能性があるので。毎回悩むのは終わり方かな。ギターソロって、どっちかって言ったら入口より出方の方が大事なんですよ。その後の展開にどう繋いでいくかという意味で。なのでそこはアレンジャーと相談しながら決めますね。どういう音で終わった方がいいのか、どういうまとめ方した方がいいかっていう部分は現場でけっこう話し合います。

──今回のギターソロは、その後のサビに心地よく繋がっていく最高の流れを生んでいますよね。

新藤:そうね。ただ、俺が弾いたギターソロに康兵がもっとすごいストリングスを重ねてくるっていう。そこが康兵の意地の悪いところですよ(笑)。

──昭仁さんは今回の仕上がりをどう感じていますか?

岡野:サウンドにおいてはストリングスがすごく印象的ですけど、ちゃんとギターが主役になるように構築されていますよね。康兵は僕らのライヴサポートをやってくれていたプレイヤーでもあるし、同時にアレンジャー、プロデューサーとしての視点を持っているので、それがしっかり生きているアレンジをしてくれたと思います。

──その上で響く昭仁さんのボーカルも最高ですよね。歌詞に込められたメッセージをストレートに聴き手へと届けてくれています。

岡野:今回のボーカルは自分のスタジオで、すべてを自分オペレーションで録ったんですよ。事前に何度も歌い重ねることができたので、本チャンはしっかり自分の体にこの曲が入った状態で歌うことができました。その過程で歌詞を精査することもできたので、それによって3番のサビの歌詞を変えたりもしたんですよね。最初は1番サビと同じ歌詞にしてたんだけど、やっぱり最後にもうちょっと展開が欲しいなと思って。そういうことができたのも自分オペレーションのいいところだったと思います。

──では最後に、26年目を踏み出した今の思いを聞かせてください。

岡野:楽曲、ライヴ活動、そして自分の歌に関して、これからも目線は下げずに歩み続けていきたいですよね。その上でまたいろんな意味での山に登り、いい景色が見れたらいいなと思っています。

新藤:25周年を経て、今はポルノとしての活動が緩やかになっている時期なので、この先に関してはまだ明確に考えていることはないかな。でも、スタッフから「エンジンかけてください」と言われ、ファンの方が喜ぶ姿が鮮明にイメージできるタイミングが必ずくるはずですからね。そこで自分たちからどんなものが生まれてくるのかが今は楽しみです。

取材・文◎もりひでゆき

■新曲「ヴィヴァーチェ」

2024年10月30日(水)配信開始
配信リンク:https://pornograffitti.lnk.to/vivace
※カナデビア企業ブランドCMイメージソング
作詞:岡野昭仁
作曲:新藤晴一
編曲:宗本康兵 / Porno Graffitti



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