【ライブレポート】FES☆TIVE、念願のTOKYO DOME CITY HALL公演に鳴り止まない青春物語
新メンバーとして仁科茉彩が8月に加入。青葉ひなりの卒業公演開催が10月18日にEX THEATER ROPPONGIで行われることも決定しているFES☆TIVEが、9月12日(木)、<FES☆TIVEワンマンライブ-青春心拍->と題したTOKYO DOME CITY HALL公演を開催した。FES☆TIVEが長年目標に掲げてきたTOKYO DOME CITY HALLワンマンのオフィシャルレポートをお届けしたい。
◆FES☆TIVE 画像
ヴィジョンに映し出された映像には制服を着たメンバーたちの姿が。夢を追いかけ、夢を叶えることに夢中だった10代の青春時代を思い返すようにモノローグが流れ出す。「私たちは青春を追い求め続けている」という声、心拍数(ハートビート)が上がるのにあわせ、鳴り響く勇壮なSE。やがて躍動するダンスビートへ変わるのを合図に、メンバーらが舞台へ次々と姿を現した。
ライブの冒頭を飾ったのは「ニホンバレデンセツ」。カラフルな音が弾け飛ぶ楽曲の上で、螺子の壊れた愛らしい人形たちがステージの上でわちゃわちゃと歌い踊り出す。彼女たちの動きにあわせ、フロア中の人たちも一斉に沸いた。“はっ!はっ!踊れ!”と煽るメンバーらの声へ思いをぶつけるように、場内中から飛び交う絶叫の声。冒頭から7人と観客たちが感情のアクセルを思い切り踏み込み、祭り上がる。これぞ、FES☆TIVEらしいライブの風景だ。
一度上がった熱を彼女たちが冷ますわけがない。「HUMAN NATURE WORLD」「コズミック祭大革命」「人類!WE ARE ONENESS!」と、観客たちの理性のストッパーを破壊する爆アゲ曲を立て続けに披露していく。彼女たちの歌声へ導かれるように、フロア中で数多くのペンライトの輝きが激しく舞えば、大旋風を巻き起こすように野太い声が次々と上がった。ときに彼女たちは縦や横に伸びた花道ステージに駆け出し、場内中の人たちの心を熱狂の絆で一つに結び、ブチ上がる景色を描き続けていった。
無数のCO2が吹き上がる中、攻めた歌声で観客たちを刺激した「サカサマサマー」。戦う乙女に気持ちを染め上げた7人が、ステージの上で清く激しく弾けた「オトメ、ケセラセラ」。「大江戸爆裂花火姫」が流れたとたん、場内が一斉に沸き立った。打ち上げた花火のように気持ちを熱く華やかに掻き立てる楽曲の上で、彼女たちは可憐な乙女に気持ちを染めて込み上げる恋心を感情的な声で歌い上げる。「薄紅恋歌」でも7人は、淡い恋心を芯の太い歌声で艶やかに表現し、一人の乙女の恋心を語るように曲を繋げてくれたのも嬉しい。
そんな、揺れ動く切ない乙女心の物語を一瞬で吹き飛ばすように、彼女たちは「カンフーミラクル~愛~」を熱唱。7人がキョンシーダンスをしながら左右へ動くたび、フロアでも同じ動きを真似て大移動してゆく様が胸アツだ。彼女たちはかわいいファイティングな姿でせまり、観客らを興奮させる。その勢いで、もっともっとやらかしチャイナ!!!!!!!
「青春」を語る7人の姿をそれぞれ映した映像の上映後に、メンバーが新衣装姿で登場した。次にFES☆TIVEが用意したのが、ノンストップのメドレーコーナーだ。
キュートな姿で弾けながら、この場に熱狂のかわいい革命を巻き起こした「革命的オーバードーズ」。荘厳かつダンサブルな音の上で凛々しく、逞しく。ときに華やかな様も織り交ぜ、強い意志をぶつけた「Unknown Wars」。可憐な姿で歌い躍る様を通して、恋に揺れる乙女の胸の内を伝えた「YURARI」。クールな表情の裏から熱情した気持ちも覗かせ、凛々しくせまった「Crystal Bullet」。花道ステージを用い、観客たちの熱を肌で感じながら力強く歌いあげた「Fireworks」。最後に彼女たちは、「永遠の愛情がもっと欲しいの」「永久にずっと私だけを見てよ」と雄々しい声で「My chains」を歌い、感情を露にした乙女の姿を、欲望へ突き動かされるままにみせていった。
次のブロックは、4曲を通してひと夏の恋物語を届けるように構成された。キラキラとした音粒たちが五線譜の上で一気にはしゃぎ出す。「マジカルパレード」が飛び出したとたん、フロア中の人たちが異常なほどに沸き上がり、キラキラした輝きを振りまきながら愛らしい様で歌い躍るメンバーらに向け、フロア中から沸騰した声が押し寄せる。FES☆TIVEのかけた魔法は、最強で無敵だ。落ちサビで起きた大合唱。“好きだよと”という声に向けて起きた“好き好き大好き”の声。この一体化こそがFES☆TIVEのライブ。それが欲しくて、7人を求めるように大勢の人たちが高く高く飛び跳ねていた。
この場にいる一人一人の胸の奥へ“好き”の言葉を伝えるように、彼女たちは切ない恋心を抱きしめながら「心拍白昼夢(シンパクデイドリーム)」へ。その切ない恋物語を、消えない思い出として、この場にいる全員の胸の内へ刻むように「夏リア旋律」を歌っていた。この2曲を歌う彼女たちの声は、大切な人へ伝える告白のようにも届いていた。そんな切なく揺れ動く乙女心を、彼女たちは「あの日のファンファーレ」を通して希望という眩しい輝きに変え、未来へ響かせていった。
ライブも終盤へ。ここからは、場内を宴の場へ染めるFES☆TIVEらしい祭り曲を3連発していく。メンバーたちが肩を組み合い、左右へピョンピョン飛び跳ねるたびに、フロア中の人たちも両隣の人たちと肩を組み、声を張り上げて跳ねながら左右へ一斉に大移動。「レフトライト」が作り上げた異常な熱気と盛り上がりだ。大勢の観客たちの張り上げる絶叫がオーケストラのように響き渡る様は、マジに胸アツで、ドキドキが止まらない。そこへ「OIDEMASE!!~極楽~」「シダレヤナギ」と立て続けにぶつけるんだから、目の前には極楽浄土のような超絶ブチ上がった様が広がっていく。いつもながら、天晴れな景色だ。FES☆TIVEのライブに来たのなら楽しんだ者勝ちだ。
ここで、メンバーが、この日の感想を語った。ここでは、青葉ひなりの言葉を取り上げたい。
「デビューした頃から、わたしの目標はTOKYO DOME CITY HALLでワンマンライブをすることだったので、夢が叶えられてすごく嬉しいし、ここまでこれたのは、今まで少しでも応援してくれみなさんのおかげです。みなさんのおかげで、わたし達は今、ここに立っています。わたしは今日で最後のワンマンライブを迎えて、来月卒業となるんですけど。でも、本当にここまでFES☆TIVEみんなと一緒に走ってこれたわたしはすごい幸せでした。みなさんと最後まで最高のライブを作っていきたいし、FES☆TIVEが一番楽しいライブを作れるグループだと信じてわたしは頑張ってきたので、これからもみなさんと楽しいライブを作りたいです」──青葉ひなり
まだまだ宴は続くと言わんばかりに、FES☆TIVEは「ハレとケ!あっぱれ!ジャパニーズ!」をブースト。メンバーと会場中の人たちが一緒に踊りながら左右へ大移動すれば、7人がステージの上をくるくる回るのに合わせ、フロアにいくつものサークルが誕生。「クレイジー フリーキー もっともっとおバカになっちゃおう」という歌詞の一節通りの景色が、そこには生まれていた。最後にFES☆TIVEは「青春ハートビート」を歌い、終わらない青春の物語をこれからも一緒に作り続けようと、仲間たちと約束を交わしていった。
アンコールでは、これからも輝きを追いかける気持ちを胸に歩み続けると誓うように「ぼくたちの輝き」を歌唱。「祭りのあと」では、メンバーたちがフロアへ降り、ファンたちと目の前30〜40センチの距離で触れ合いながら、直接想いを分かち合っていた。
最後の最後にFES☆TIVEは、ここに足を運んでくれた仲間たちへエールを送るように「しゃかりきトップランナー!」を元気いっぱいに歌った。フロア中が沸くのは当たり前。誰もが青春を感じながら、限界を超える勢い。彼女たちが、魂を燃やしてしゃかりきに走り続ける限り、一緒に全力で駆け続けたい。破裂しそうなほど心拍する鼓動をずっと止めたくない。そう感じていられることが、FES☆TIVEと共に作りあげる青春なのだから。
取材・文◎長澤智典
■<FES☆TIVEワンマンライブ-青春心拍->2024年9月12日(木)@TOKYO DOME CITY HALL セットリスト
02. ニホンバレデンセツ
03. HUMAN NATURE WORLD
04. コズミック祭大革命
05. 人類!WE ARE ONENESS!
06. サカサマサマー
07. オトメ、ケセラセラ
08. 大江戸爆裂花火姫
09. 薄紅恋歌
10. カンフーミラクル~愛~
11. 繋ぎパート《革命的オーバードーズ、Unknown Wars、YURARI》
12. メドレーパート《Crystal Bullet、Fireworks、My chains》
13. マジカルパレード
14. 心拍白昼夢(シンパクデイドリーム)
15. 夏リア旋律
16. あの日のファンファーレ
17. レフトライト
18. OIDEMASE!!~極楽~
19. シダレヤナギ
20. ハレとケ!あっぱれ!ジャパニーズ!
21. 青春ハートビート
encore
01. 僕たちの輝き
02. 祭りのあと
03. しゃかりきトップランナー!
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