【インタビュー】Lead、4年半ぶりアルバム発売「99.99%僕たちの意見しかない」

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9月4日、10thアルバム『XTLIKE』をリリーするLead。彼らがニューアルバムを発売するのはじつに4年半ぶり。

◆撮り下ろし写真

本作は、メンバー全員が楽曲制作に関わった作品から橘慶太(w-inds.)が彼らのために書き下ろした「GRAVITY」まで、グループ結成22年目にして初セルフプロデュース。Leadの好きなものだけを収録した特別な作品となった。ダンス&ボーカルグループが構築してきたLeadミクスチャー、ここに完成。そんな今作の収録曲について谷内伸也、古屋敬多、鍵本輝の3人にたっぷり解説してもらった。

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◾︎Leadとしての強いメッセージをより濃く、より強く楽曲に落とし込んで表現してみたい

──なんと、オリジナルアルバムのリリースは4年半ぶりです。

谷内伸也:オリンピックですね。周期が。

古屋敬多:その間コロナもあって。2年ぐらい準備して、制作したんで、アルバムのなかでは過去イチ時間をかけた作品になってるんですよ。

──アルバムにはコロナ禍の2020年にリリースした「Tuxedo」から2024年に配信した最新曲「Don’t Stay」まで4年間のLeadが詰め込まれているわけですね。

伸也:惜しみなく全部入れました。


──そんな濃厚なアルバム『XTLIKE』。まずはこのタイトルの読み方と意味を教えて下さい。

敬多:“エクストライク”と読みまして、これは造語です。今回、ありがたいことにアルバム10枚目。そこから、みんなでタイトルを考えてるときに、まず10を意味するXは入れたいなというのが出てきて。そのあと、伸也からXLというのが出てきたんですよ。

伸也:LeadのLと10枚目のXで。でも、それだとありきたりなんで造語とかないかなっていってたら敬多から出てきたのがXTLIKE。

敬多:これが生まれたのはお風呂場でした。

伸也:XLサイズの!?

敬多:そんな豪邸に住んどる訳ないやろ(笑)。普通サイズの湯船につかっていろいろ呟きながら出てきたひとつがXTLIKE。これには4つの意味があって。10枚目のアルバムという意味の「X」、Leadにとって特別なアルバムになるだろう意味の「EXTRA」、強いインパクトを残したいという意味の「STRIKE」、今作の制作の裏テーマはセルフプロデュースでみんなが好きなものを好きに詰め込んだという意味の「LIKE」。それらを合わせて作った造語がXTLIKEです。

──アルバムの裏テーマ=セルフプロデュースというのは制作段階からあったんですか?

鍵本輝:元を正していくと、一番最初に僕たちが活動を始めた頃から掲げていた目標ではあったんですね。それがグループ結成から22年、ようやく今作で1枚のアルバムとして形になった感じです。その間各々が成長していって、コロナ禍でそれこそ動画編集とか。自分たちが表現したいものを自分たちクリエイトすることに挑戦する時間もあったので、随分前から楽曲制作は自分たちでもやってたんですけど、Leadとしての強いメッセージをより濃く、より強く楽曲に落とし込んで表現してみたいという気持ちが高まった。それが今作という感じです。

──いままでのアルバムと聴いた感触が圧倒的に違うのはそういうところですね。

全員:はい。

輝:Leadチームのなかでいろんなアイデアや目的、方向性の議論が交わされていくなかで、この『XTLIKE』は99.99%僕たちの意見しかない。それぐらい自分たちの「LIKE=好き」だけが出てる。


──そうして好きを詰め込んでいったら収録曲がトータル14曲になっちゃった。いまどきいないですよ、こんなに曲数を詰め込む人は。

輝:そこは意地です。本当はまだまだ入れたい曲があって、16曲ぐらい入れたかったんです。ここ数年自分たちはこれを歌いたい、やりたいという楽曲が溜まってて。本来ならそれを20周年のタイミングで1枚のアルバムにして出したかったんですね。

──いまから2年前に。

輝:はい。でも、コロナ禍でいろんなものがストップしたなか、20周年だからというので自分たちのエゴを押し切っていま出すのはどうなのかと考えて。そこから今回アルバムを出すにあたって「あの曲レコーディングしているよね」「でも、いま出すならこっちかな」というので何度も曲を選び直していって。残ったのがこの楽曲たちです。

──アルバムはオープニングのM1〜2でこれからのLeadのスタートをきって。M3〜4では従来のLeadをいまの僕たちがやったらこうなりますよというのを提示。M4〜9は自分たちの好きな洋楽に寄せたサウンドで、大人なLead像の姿も見せつつ、M10〜12は従来のみんなが大好きなLeadに振り切ったパンチ力ある楽曲を並べて、M13〜14はアルバムのハイライトとして未知の可能性へと振り切りきった新たなLead像を見せる。そんな手応えを感じた作品だったのですが。これ、曲順を決めるのは大変だったでしょう。

輝:好みを集めるといろんな色があって、正直大変でした。

──しかもLeadってシングルはどの曲もやたらパンチ力高めで個性的だから。

全員:はははっ(笑)。

輝:それだけで22年やってきましたからね。でも、それがLeadなんですよ。ヒップホップをやったと思ったらちょっとロックサウンドにいって。ロックやったと思ったら今度はクラシックなヒップホップやりだして。その次はロックンロール、とか。いろんなジャンルを柔軟にやってきたので。だから『XTLIKE』もいろんなジャンルが入ったものになってて。それを1曲に踏襲したのが「Jack in the Beats」だと思っています。これで「Leadは何色にもなれますよ」というのを表現しました。

──そうなんです! でも、その話をする前に、まずは今作に収録された楽曲について聞いていこうと思います。M2「My Solution」はどんな位置付けにある曲ですか?

伸也:これは2年前の正月明けぐらいにレコーディングしたんですけど。久しぶりに3人でマイクリレーをして。ラップはラップでもこういうテイストのものはやったことがなかったので、ライブ映えしそうだなというのでピックアップした1曲です。

──そこから配信でリリースしたM3「Billionaire」へ。

伸也:曲調は違うんですけど、軸にロックテイストがあるところでM2、3、4曲目と流れていく感じです。

輝:あとはキー的なところも含めて。



──M4の「ロマンスの110番」はシングルでもいけそうな。

輝:狙ってました。恋愛に対しての追いかけ、追いかけられを表現したいなと思って。

──それでトムとジェリーを?

輝:引っ張り出してきたんです。小学校の頃ずっと見てたアニメで。トムとジェリーのあの関係性をラブストーリーにできたらと思って書きました。

──M5の2021年8月にリリースしたシングル「Sonic Boom」。メンバーが手がけた曲がここで初めてシングルに。

伸也:コロナ禍で悶々としていた気持ちがここのなかには入ってますね。いま聴くとよけいそう感じます。

輝:頭からこのM5までは音圧で押せ押せなんですけど、次の「Free Your」は控えめになるんです。



──M6「Free Your」は英詞多め、洋楽テイストな楽曲ですよね。歌も大人っぽくて。

全員:そうですね。

敬多:パフォーマンスするときもクールな感じを出したいですよね。

輝:衣装も真っ黒とか着たい。理想でいうと。

──そんな大人な曲からM7「Don’t Stay」はLead史上最強にダイナミックでエモーショナルなロックチューン。これはNetflixの映画『範馬刃牙VSケンガンアシュラ』のED主題歌ですけど、刃牙に向けて書いた曲?

輝:手持ちの曲だったんですけど、刃牙のED主題歌にエントリーできますよとなったとき、いまLeadが歌うならどういう感じのアレンジかな、メロも変えてみようかってアップデートしてエントリーさせてもらいました。僕の固定概念かもしれないですけど、こういうバトル系の作品はロックというイメージがあったので、曲調はロック。でも、僕たちの根底にはダンスパフォーマンスというのがあるので100%ロックに振り切らなかった。そこが僕の中のこだわりです。アプローチはロックなんですけど、後ろになってるリズム、なんで歪んでるギターにそんなエフェクトのかけるの? ってところで、ちゃんとダンスミュージックに落とし込んでるんですよね。



──なるほどね。

輝:ロックなんだけどBメロはトラップの要素も入ってる? アウトロはボーカルドロップっぽいなという。

──まさにLeadならではのミクスチャー感。

輝:そこにはこだわりました。

──聴いてると熱い歌詞が突き刺ささるんですよね。エモくてテンションが高まります。

輝:そこはウチの先生が(笑)。

伸也:敬多は昔から新刊が出るたびに、今作はどうだとかいってくるような生粋の刃牙ファンなんで。

輝:刃牙にエントリーしますよってなったときから「譲れねぇ」って熱くなってて(笑)。

敬多:絶対やりたかったんですよね。まさか刃牙に関われるなんて思ってもいなかったんで。


──Leadと刃牙、結びつかないですもんね。

敬多:はい。僕らの他にもいろんな方々がエントリーしてたと思うんですが。

伸也:気持ちでいったよね。俺たち!!

敬多:うん!

──歌詞はストーリーに寄せて書いたもの?

敬多:はい。完全に刃牙ワールドに寄せて。多少自分たちの思いもありましたけど。

輝:あと、横文字多めにしてねというのはリクエストしたんです。Netflixというメディアだし、刃牙ファンって世界中にめちゃくちゃいるんで、海外の方が聴いてもなんとなく意味が分かるようにというので。

敬多:だから、なによりも刃牙ファンの方々に失礼がないよう、寄り添えるようにというのを念頭に置いて、ある種自分は刃牙ファンの代表みたいな気持ちで刃牙のストーリーを知ってるからこそいえるメッセージというか、知ってる人なら“ここはあのキャラのことをいってるんだな”というのが分かる仕掛けも散りばめて書いていきました。

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