【ライブレポート】7ORDER、第2章の幕開け。ファンミーティング&2025年全国ツアー開催も発表

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7ORDERが7月31日、COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにてこれまで名古屋・東京・福岡・大阪の全国4箇所を巡ったライブツアー<7ORDER NEW SINGLE RELEASE TOUR 2024>千穐楽公演を行い、グループとして初のリリースツアーを完走した。

◆ライブ写真

夜公演・アンコールの際のMCでは、リーダーの安井謙太郎が「僕らからお知らせがあります。7ORDERのファンクラブ『Lucky’s club』、初のファンミーティングを行います!」と、10月11日に新体制となって初めてのファンミーティング<Lucky's club party>を渋谷・duo MUSIC EXCHANGEで開催することを発表。チケットは、8月3日から先行発売がスタート予定。 そして、2025年1月からの全国ツアーの開催もフライング予告、こちらの詳細は後日発表される。

以下、7月4日に行われた東京・立川ステージガーデン夜公演のライブレポートをお届けする。

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7ORDERにとって2023年は波乱の年だった。全国アリーナツアーを大盛況で終えた直後の6月にメンバーの森田美勇人が脱退。結成5周年を目前に控えていた中での突然の発表とあって、ファンの間に大きな衝撃が走った。残った6人で活動を続けることを選択した彼らは、軌跡を集成する目的で年末に全国ツアー<7ORDER LIVE [ONE,] -DUAL Endroll>を開き、7人時代の7ORDERを第一章として総括。第二章幕開けを告げる楽曲として新曲「But (裏)」を作り上げた。 しかし、その「But (裏)」の発売日に、今度はメンバーの阿部顕嵐が俳優業に専念すると発表。音楽活動には流動的に加わることとなり、今回のリリースツアーには不参加となった。果たして今回は5人でどんなライブを見せてくれるのか。苦境を乗り越え7ORDERが新たに動き出したことに対する喜び。一方で、メンバーがひとりいない寂しさ。会場に集まったファンの胸中には期待と不安が入り交じっていたに違いない。

ライブは、その新曲「But (裏)」から静かにスタートした。イントロのダークなピアノが響き渡る中、5人は舞台の左右からゆっくり登場して、ステージ中央へ。天井から伸びた飾り気のない白いピンスポットが5人を照らし出す。「But (裏)」は7ORDERが初めてチャレンジしたスロウテンポのオルタナティブR&Bで、MVでは揺れ動く感情をコンテンポラリーダンスで表現。ライブでも白・赤・緑のライトが明滅するなか、MVさながらのエモーショナルなダンスを繰り広げた。この曲の歌詞には、第二章開幕までへの苦悩や葛藤が綴られているが、ラストのサビではまぶしいほどの白色ライトが5人の背後から照射。覚悟を決めて前に突き進む5人に後光が差したかのように見えた。


一転して、次はアップテンポなヒップホップ調のナンバー「Power」。5人は横一列になって曲名通りのパワフルなダンスを披露しながら、時折、ステージを左右に動いて客席を扇動。総立ちになった観客はビートに合わせて上に掲げた手を前後に振り、場内がヒートアップしていく。

2曲を終えたところでリーダーの安井が「東京!会いたかったぜー!」とシャウト。続けて「7ORDER初のリリースライブ。今日1日、みんなと心の距離を近く過ごしたいので、そのつもりで! ガンガン行くのでガンガン来てくださいね!」と焚きつけた。その間に真田、長妻、萩谷、諸星はそれぞれの担当楽器をスタンバイし、安井が順番にメンバーを紹介。「ここからはバンドコーナーいくけど、一緒にライブを作ってくれるかい?」と呼びかけ、爽快なパワーポップ「BOW!!」へと突入した。立て続けに披露された「SUMMER様様」はポップロックなサマーソングで、爽快感がさらに上昇。この日は東京都心で初の猛暑日を記録する暑さだったが、会場もそれに負けないくらいの熱気にあふれた。

歌い終えた安井は、場内の盛り上がりに思わず「元気だね、みんな!」と反応。続けて「今日はニューシングルのリリースツアーなのに新曲をつくってきました」と告知した。その新曲は、彼らの所属会社であるL&L’sの社歌。今後、その会社を母体にしてグループが活動していくことを報告するとファンから温かい拍手が送られた。社歌を作った理由について、社長を務める安井は「(会社が)みんなにも関係あるものにしたくて作りました」と説明。「大切なことをたくさんこの歌に詰め込んだんで、みんなにも大事な曲になって欲しいです。めっちゃ簡単な振付と掛け声があるんです。俺らっぽいでしょ? 社歌にまでコール&レスポンスがあるって」と紹介した。

「Love u Lucky me」と名付けられた社歌は、軽快な8ビートにキャッチーなメロディーが乗った楽曲。サビのフレーズが覚えやすく、その場で多くのファンが声を揃えて歌っていた。2番まで歌ったところでグッとテンポを落としてブルージーな展開に。安井が「株式会社L&L’s。透明度の高い経営のために言いたいことを言っておく必要があると思います。今日言いたいことがあるのはコイツだ! さなぴー!」と真田に振ると、ビートがストップ。ご指名を受けた真田は、「言いたいことスか? 僕、顔濃いし、見た目も年上っぽい感じがするじゃないですか。僕のあだ名、“さな爺”なんですよ。けど、いちばん年上、社長だからね!」と安井に意見。「あぁ、若返りの薬があったらなぁー」と叫ぶと、会場がどっと笑いに包まれた。


その後は、2020年発表の初オリジナル曲「Sabãoflower」と、チャットモンチーの「シャングリラ」のカバーを披露。「シャングリラ」では安井と諸星がスタンドマイクで歌唱し、ステップを揃えた振付も披露。大好きな音楽を心から楽しむ7ORDERのエンタメ精神を感じた場面だった。

ここで長めのトークコーナーへ。新曲「But」に込めた思いや、そのMV撮影で顕嵐がやらかした珍プレーなどを明かしていく。ツアーに不在の顕嵐の話題に触れたのはメンバーの愛情だろうし、ファンに向けた思いやりでもあるだろう。トークはその後、5人の地元自慢話へ。メンバーのプレゼンを聞いてどこに行きたいか観客がジャッジすることになった。

トップバッターの真田は、地元・足立区が「金八先生のロケ地。自分も出演していた」とアピール。所沢出身の萩谷は「航空記念館がある。音楽ホールがある。良いサウナがある……あと、パルコがありました」と過去形で地元をレペゼンして場内を笑わせる。3番手の諸星は、地元・川崎が南部と北部で環境が違うことを挙げ、「北部は山しかない。ウチの近くの木にカブトムシがたまります」と自然の豊かさで勝負。横浜出身の安井は「赤レンガ倉庫、みなとみらい、桜木町……」と次々に観光名所を挙げていった。ラストは茨城県出身の長妻。 「まず、広~大っな敷地!」と切り出したところで場内が大爆笑。「隣の家がない。目の前は田んぼ。コンビニまで遠い。散歩しているおじさんがデカい亀をくれた」など、次々とローカル自慢を語っていく。最初の「広大な敷地!」というアピールが刺さりまくり、会場に集まったファンが行きたい地元1位は長妻に輝いた。


後半戦は、ミドルテンポの「F」から緩めにスタート。心地良い横揺れグルーヴに合わせ、5人は軽快なステップを踏み、会場の温度をゆっくりじっくり上げていく。今回のツアーではメンバーのパーソナルな部分も出していきたいと語っていた彼らだが、それを実現させたのが次のブロック。まずは、長妻と安井によるシティポップ調のユニット曲「aigre-doux」を披露。その次は日替わりメニューになっていて、真田と萩谷、そしてベースでサポートに入っている憲人/KNTの3人でパンキッシュな「タイムトラベラー」を演奏。この3人は同じ大学出身ということも明かされた。続いては、諸星と長妻がラップとボーカルで掛け合う「MONSTER」。 途中からは萩谷も加わり、激しく燃え上がるようなダンスパフォーマンスで魅了していく。ちなみに他会場では、真田への誕生日プレゼントとして萩谷が作曲した「ソラノイロ」や、安井の誕生日を祝ってメンバーが作詞作曲した「雨が始まりの合図」を披露。7ORDERはそれぞれが際立つ個性の持ち主であり、第二章では各メンバーのカラーや特色をさらに打ち出していくことを予感させるステージだった。

ライブはここからラストスパートへ。「Love Shower」ではイントロのようなSEが鳴りやんだと思うやいなや、5人がちりぢりになって客席の1階・2階・3階に出現。会場のあちこちからキャーという黄色い声が上がる。メンバーは狭い通路や椅子と椅子の間を歩きながら歌っているので観客との距離は50cm程。安井がMCで「今日は心の距離を近く」と話していたが、心だけじゃなくカラダも近い。しかも、今回の「Love Shower」は爽やかなEDM調の原曲を、石毛輝(the Telephones)がライブ用にハード&エッジーにアレンジ。ビートが強調されたトラックと距離の近さが狂騒を生んでいく。

続く「What you got」はダンスパフォーマンスで始めつつ、間奏で楽器隊のメンバーがそれぞれの場所に移動し、バンドパフォーマンスへとスムーズに移行。続く「27」は、4つ打ちの疾走感とロックのエモさを共存させた、盛り上がり間違いなしのアンセム系ナンバー。ダンスとバンドの要素を1曲の中に盛り込む二刀流。異なるサウンドスケープをハイブリッドする二面性。これぞ7ORDERの真骨頂といえるパフォーマンスだ。


演奏を終えると安井が「今日はめちゃくちゃ良い時間を過ごさせてもらえました」と挨拶。「めちゃくちゃ7ORDERらしいライブになったと思います。それはみんながいてくれたから。本当にどうもありがとう」と感謝を告げた。続けて新曲の「But (裏)」「But (表)」について、自分たちの内面をほじくり返して作った曲だと述べ、「ライブでやると“裏”はめっちゃ自分たちだなと思う。これから歌い繋いでいっても、“そうだ、俺たちあのときはあんな気持ちだった”と思う曲。 でも“表”は、どんどんみんなのためのライブ空間の曲になってきたなと思います」とコメント。「最後の曲はあなたに歌ってもらいたい。みんなと1曲つくりたいんだ。みんなの曲にして欲しいんだ。ラスト、ブチ上がれるかい?」と煽って、バンドバージョンの「But (表)」になだれ込んだ。

第二章開幕までの葛藤、迷い、躊躇……。5人はすべてのネガティブな感情を解き放つようなエネルギッシュなパフォーマンスを繰り広げ、観客も感情を爆発させ、声を張り上げ、場内が興奮のるつぼと化していく。ラストのサビ前では、イントロのピアノの旋律をなぞった♪ラララ♪というコーラスを大合唱して会場がひとつに。ボルテージが最高潮に達したところで、この日の演奏は終了した。

観客から大きな拍手が送られる中、最後はメンバーがひとりずつ挨拶。ライブの感想を述べていった。

「この景色、この空間があまりにも素敵で非現実的すぎて、僕たち、一緒に過ごしたよね? 現実だよね?って思うようなライブでした。また一緒に盛り上がって、遊んで、ワクワクして、踊って、歌えたらいいなと思います!」(長妻)

「楽しいドキドキをいつもありがとうございます。最後までみなさんに楽しい時間を与えられるように、僕たちも楽しい時間を過ごせるように頑張りますので引き続きよろしくお願いします!」(萩谷)

「楽しすぎたわ。みんなひとりひとりが最高でした。ひとりひとりが今日ライブしてました。家に帰るまでがライブなので気をつけて帰ってください!」(諸星)

「みなさんと熱い夏を過ごせて幸せです。また会うときまで、みなさんと楽しいことができるとずっと思っていますので、また元気にみなさん会いましょう!」(真田)

最後を締める安井は「最高な時間をありがとう! 嫌なことがあったりとか、いろいろあると思うけど、今日のみんなの感じだったら絶対大丈夫。明日からも1日1日を噛みしめて、踏みしめて、大切に生きていきましょう」と観客にエール。5人はそれぞれに「じゃあね」「バイバイ」と手を振りながらステージをあとにした。


今回のツアーのオープニングは、地鳴りのような雷鳴と土砂降りの雨音から始まった。不気味に響く雷雨の音は7ORDERを取り巻く不穏な空気を表していたのかもしれない。けれども、この日、5人は、躍動感と自信に満ちたライブパフォーマンスでその空気を吹き飛ばした。持ち味の二刀流を存分に発揮し、新しい趣向でも楽しませた。スパークする雷は闇を照らす光。激しく降る雨は土壌を肥やす恵み。雨過ぎて天晴る。7ORDERの第二章は明るい。

文◎猪又 孝
写真◎REALY (RAW Climb)

セットリスト

1. But (裏)
2. Power
3. BOW
4. SUMMER 様様
5. Love u Lucky me
6. Sabãoflower
7. シャングリラ(チャットモンチーのカバー)
8. F
9. aigre-doux
10. タイムトラベラー
11. Monster
12. Love shower
13. What you got
14. 27
15. But (表)

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