【インタビュー】吉柳咲良、デビュー作「Pandora」に溢れ出る表現「アーティストと俳優、どちらも存在することが私にとって大切」

ポスト
no_ad_aritcle

吉柳咲良が4月21日、1stデジタルシングル『Pandora』をリリースした。2017年夏、ミュージカル『ピーター・パン』にて歴代最年少タイの13歳で10代目ピーターパン役として初舞台・初主演を飾った経歴を持ち、昨今では朝ドラ『ブギウギ』での水城アユミ役としても話題となった俳優・吉柳咲良のアーティストデビュー作の完成だ。

◆吉柳咲良(きりゅうさくら) 画像 / 動画

果たしてアーティストデビューを飾った「Pandora」はどんな1曲になったのか。「自分の内側から出るものを表現したい」と気付いたアーティストへの憧れ、「ネガティブは悪いことじゃない」と考える吉柳咲良だからこそ生み出された「Pandora」。その制作時のエピソード、アーティスト活動の立ち位置などについて語ってもらった。


   ◆   ◆   ◆

■歌だけは私が人生の中で
■熱心に努力してこれたものの1つ


──アーティストデビューおめでとうございます。

吉柳:ありがとうございます。実は女優になりたいと思う以前は、歌手になりたいと思っていたので、念願叶って、という感じです。しかも「Pandora」のような楽曲でデビューできたことが嬉しいです。私が表現したかった系統を汲み取っていただきました。

──そもそも歌手になりたかったのはなぜですか?

吉柳:幼稚園の頃なので漠然とですけど。当時はAKB48の神7の時代だったので、お遊戯会で「会いたかった」をみんなで踊ったりしてました。もともと人前に立つのが好きだったので、ステージで歌ったり踊ったりする人っていいなと憧れていたんだと思います。カラオケに行くのも大好きで、小さい頃から母と一緒にカラオケに行ったり、車の中で歌っていたので、常に音楽がそばにある生活でした。


──ちなみに、カラオケでよく歌っていたのは?

吉柳:今もそうですが、椎名林檎さんや宇多田ヒカルさんを歌うことが多いです。椎名林檎さんは母が運転する車で流れていた曲を聴いているうちに、私もどんどん好きになっていきました。宇多田ヒカルさんは、恐縮なのですが「声が似ているね」と言われたことがありまして。それで宇多田ヒカルさんの曲を歌えるようになりたいなって思ったのがきっかけです。宇多田ヒカルさんも椎名林檎さんも、紡ぐ歌詞がすごく好きで、昔からずっと聴いてました。

──同世代のアーティストからの影響もありますか?

吉柳:最近だと、ちゃんみなさんの考え方や曲に込める思い、その伝え方がすごく好きです。 言葉の力を歌詞から感じるんです。また、Adoさんの、内側から出る底知れないパワーを表現するところに憧れます。あれだけがなりながら張り裂けそうな負の感情を歌にできるのは本当にすごいなと思います。説得力が強くて、そのパワーが大好きです。

──Adoさんの登場は衝撃的でしたね。

吉柳:ボカロ曲のカバーを歌っているときから聴いていたんですけど、原曲のボカロの声では出てなかったような“人間が表現したらこうなる”っていう感じを的確に歌い上げるのが本当に素晴らしくて、 毎回感動しています。たとえば「乙女解剖」「コールボーイ」などは、Adoさんが歌ってるカバーをひたすら聴いています。


──話が前後しますけど、女優になったのは?

吉柳:やっぱり歌と同じように、小さい頃から芸能界に入りたいっていう夢が漠然とあって。TVドラマもよく観ていたんです。ドラマ『リッチマン、プアウーマン』の石原さとみさんがすごく好きで、“私、さとみさんみたいな女優さんになりたい”と思ったことがきっかけです。小学校6年生の時に、『ホリプロタレントスカウトキャラバン PURE GIRL 2016』というオーディションがあって、そのときの表紙が本当にタイミングよく石原さとみさんだったんです。絶対にオーディションを受けようと決めて、結果、グランプリをいただくことができました。

──オーディションの翌年にはミュージカル『ピーター・パン』の10代目ピーター・パン役が決定していましたから、急激な環境の変化もあったでしょうね。女優として演技をきわめつつも、ゆくゆくはアーティストデビューをしたいという気持ちもありましたか?

吉柳:そのときはそんなに深く考えてなかったですけど、高校を卒業したぐらいのタイミングで、“やっぱり歌が好きなんだ、私”って思ったことがありました。

──高校卒業って1年前ですよね?

吉柳:そうです。それまでミュージカルを経験させていただいたり、ドラマに出演したりする中で、役を通して演じることももちろん楽しいけど、自分自身というものを表現することや、私が好きなもの、やりたいことを発信できる場所があるのっていいなって。それを唯一表現できた場所がSNSだったんですが、高校を卒業したあたりぐらいからは、歌をやりたいって思うようになったんです。


──歌を通して、自分を表現したいという思いが強かったんですね。

吉柳:きっと自分の内側から出てくるものが好きなんです。楽器に興味を持った時期もあってギターを弾き始めたんですけど、上手にできなくて諦めてしまって。ただ、歌だけは私が人生の中で熱心に勉強して努力してこれたものの1つだったなと思います。年々、ミュージカルの演出家の方や先輩方から「歌、上手くなってきたね」って褒めていただいたのが心の支えになったというのもあります。

◆インタビュー【2】へ
この記事をポスト

この記事の関連情報