ビリー・ジョエル「僕はテレビ向きではない。聴かれるべきで、見られる必要はない」

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今年春、米CBSネットワークから、ビリー・ジョエルのマディソン・スクエア・ガーデンでの公演をおさめた特別番組『Billy Joel: The 100th - Live at Madison Square Garden』が放送されたが、ジョエルは、自身はテレビ向きのアーティストではないと考えているそうだ。

ミュージック・ビデオを作るのでさえ好きではないという彼は、『Variety』のインタビューで、こう話している。「テレビに出ることにはあまり関心がない。自分はテレビ映りがいいとも思わないしね。僕は、(音楽が)聴かれるべきで、(姿を)見られる必要はないアーティストの1人だと思ってる」

「カメラの前にいるのは好きじゃないんだ。テレビに出るときはいつも、さえない奴って気分になる。ピアノに固定されているからね。動き回ることもできないし、ボディ・ランゲージも使えない。ピアノに向かってるだけだ。それに、カメラの前だとロックンロールって感じにもならない。じっとしているだけだ」

さらに、テレビ番組では、編集され、間違いがなかったことにできるのもフェイクのようで嫌だという。その上、テレビの構造自体がそもそも、自分がやっていることとは反りが合わないと考えているそうだ。「大きなスクリーンなのに、スピーカーは本当に小さいじゃないか。何を優先しているかは一目瞭然だ」

ジョエルはこのインタビューで、2月に約16年ぶりのニュー・シングル「Turn The Lights Back On」をリリースしたが、この先、アルバムは作るつもりはないとも話している。「ないよ! もう誰もアルバムを作っていないじゃないか。このご時世、ニュー・アルバムを作るのはテイラー・スウィフトかオリヴィア・ロドリゴだけじゃないかな」

曲作りを苦痛に感じているのも一因らしい。「一種の拷問だね」「曲を作っている間は、88本の歯を持つ大きな黒い獣が僕の指を咬みちぎろうとしているって気分になる。気が狂いそうになる。自分が望んでいるほど得意ではないんだ」

以前はそれが原因で、「僕はアルコールの問題や自己嫌悪を抱えていた。ハードルの設定を高くしていたから」という。

ビリー・ジョエルは来月25日で、2014年1月から続けてきたマディソン・スクエア・ガーデンでの月一度の定期公演を終了する。

Ako Suzuki
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