伊藤政則、ボン・ジョヴィの過去・現在・未来を語る
ボン・ジョヴィの最新アルバム『フォーエヴァー』の2024年6月7日発売を記念し、40年前のデビュー当時からボン・ジョヴィとの交流を続けてきた伊藤政則によるスペシャル・イベントが、6月13日にタワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIOにて行われた。
イベントでは、伊藤政則のトークと過去の貴重な映像、そしてアルバム発売前にロンドンで伊藤政則が直接インタビューした際の映像を交えながら、ここでしか聞けないトークが1時間10分にわたって披露された。
伊藤政則は、今回の新作『フォーエヴァー』について次のように述べた。
「『僕はこのアルバムはヒットアルバムだと思う。事実“レジェンダリー”は大ヒットしてるじゃないか。だけどアメリカではベテランのバンドが新譜を作ると"なかなかいいアルバムだけ”で終わってしまう。そういうことじゃないんだよ』ってジョンが食事しながら言うんだよ。このへんの彼の素の部分が見えてよかったと思う。確かに“レジェンダリー”の歌詞を読むとバンドは証明するものは証明してきた、だけど今ここにあるのは自分が表現者として曲を作り、歌える喜び、今リハビリの途中だけど歌えているという喜びが自分の体に満ちていく。そういった幸せを言葉に置き換えて歌っている曲が多いように感じるよね。でも総括することも忘れてないのが“リヴィング・プルーフ”のように、亡くなったアレック・ジョン・サッチも、今いないリッチー・サンボラも、かつてのマネージャーのドグ・マギーもデスモンド・チャイルドも、サポートしたバンドも全部家系図に入れて、これが40年の我々の“リヴィング・プルーフ(生きた証)”であるっていう歌詞でまとめあげているのも今回のアルバムの歌詞の中でいいポイントだなと思いますね」
今回のアルバムの収録曲についてインタビュー映像で、「ウィ・メイド・イット・ルック・イージー」と「リヴィング・プルーフ」についてジョンが話す様子が流れた後、伊藤政則はアルバムの2曲目に「リヴィング・プルーフ」が選ばれたことについて、次のようにエピソードを披露した。
「重要なことを言ってますよね。ここが今回のロンドンでのインタビューでの大きいポイントの一つだと思いますね。40年間を総括しているわけじゃない、これからも広がっていく自分たちの人脈と人間関係、そしてあとで付け足していますが、ファンも入っていますね。世界中のファンがバンドの家系図の中にはいっていると。聞けばわかるとおり“リヴィング・プルーフ”ってボン・ジョヴィっぽい曲じゃないですか。でも当初この曲は先行シングルに予定していなかったのは面白いと思う。最初は“ウィ・メイド・イット・ルック・イージー”が2曲目のシングルとして動いていたんだけど、関係者とか、特にティコですね、ティコ。彼はこのインタビューの間に、セカンドシングルにするなら“リヴィング・プルーフ”でしょって言ってるんです。それで考えを変えて2曲目の先行シングルは“リヴィング・プルーフ”になっているんですよね」
またアルバム収録曲の「ウェイヴス」について、伊藤政則は今回のアルバムは、ここ10年の作品との視点が違っていることを次のように話した。
「このアルバムのジョンは前作と比較して視点が違いますよね。自分の内面とこの10年間、つまりリッチー・サンボラの脱退にどう向き合ったらいいのかという心の結論をはっきり言ってますよね。脱退する前にもリッチーはヨーロッパ公演でも何度も離脱していて、その度にカナダからフィル・Xが来てプレイしたことがありましたよね。ジョンがリッチー・サンボラの脱退を口にしたのは結構あとのことです。リッチーがいないという事実はあるけど、脱退という言葉で言ったのは結構あとだから、葛藤が結構あったんだと思うんですよ。でも今、リッチーや亡くなったアレック・ジョン・サッチのことを“ウェイヴス”に込めている。波の押し引きといってますが、そういうところまで自分の気持ちが定まっていて、こういう曲にこの10年間の苦しかったこと悲しかったことを波に例えて、ここでも同じことを言ってますよ、『喜びのこの地に立てた』とこの短いインタビューの中で何度も口にしている。ジョンが今感じているのは喜びなんだよね。何から解放された喜びなのか、それはソングライターとしていい曲を作り、いいアルバムを作り、そういう喜びが今自分の中にあるんだと。今までのボン・ジョヴィのアルバムと少し視点が違って、だからこそ聞き手にピュアなエネルギーを感じさせるアルバムに仕上がっているんじゃないかと僕は思います」
イベントの後半には、ボン・ジョヴィ初来日の際、ジョンと住所と電話番号を交換して、後日伊藤政則が酔っぱらった時にその番号に電話をかけたところ、ジョンではなく彼のお母さんがでて「特に用はないんですが」と話をしたというエピソードも紹介。その後に、伊藤政則の自宅にジョンとバンドから絵葉書が届いた話も披露していた。
このイベントの一部は、ユニバーサルミュージックのYouTubeにて公開される予定もあるようだ。『フォーエヴァー』は発売間もなくUS、UKを含む世界25か国のiTunes総合アルバムランキングで1位を獲得。日本では前作『2020』を含め、ここ10年間に発売されたアルバムの中で一番の速さの売上を記録している。
ボン・ジョヴィ 最新アルバム『フォーエヴァー』
https://umj.lnk.to/BJ_Forever
デラックス盤(SHM-CD+Blu-ray)
UICY-80487 6,000円(税抜)
通常盤(SHM-CD)
UICY-16225 2,600円(税抜)
◆ボン・ジョヴィ・レーベルサイト
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