【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞04 Limited Sazabys、「このフェスに必要とされ続けるバンドでありたい」

＜SATANIC CARNIVAL＞の04 Limited Sazabysはひと味もふた味も違う。GEN（Vo,B）も触れていたが、2014年にEVIL STAGEのオープニングアクトとして出演して以来の皆勤賞。フォーリミにとって＜SATANIC CARNIVAL＞が大事な存在であると同時に、＜SATANIC CARNIVAL＞にとってもフォーリミは大切な仲間。そんな強烈な相思相愛の関係であるのだから、そうなるのも当然と言えば当然かもしれない。

◆ライブ写真



この日は「サタニックカーニバル、行けるかー！」とRYU-TA（G,Cho）が、「一緒に行ける？」とGENが呼びかけて鮮烈なギターリフで観客も大歓声を上げた「fiction」から間髪入れずの4タテ。どっしりとしながらもしなやかにグッドメロディーを響かせ、乗り遅れるなと言わんばかりに「fade」を放ち、キラーチューン「monolith」、RYU-TAのダミ声も絶妙なアクセントになっている「knife」と矢継ぎ早に繰り出していく。ここに集まった観客にできないわけがない、という信頼があるのだろう。GEN、RYU-TA、HIROKAZ（G）のフロント陣は己に活を入れるように前のめりになり、KOUHEI（Dr,Cho）もそのノリを支えながら後押し。まだまだ行くんだという気概がみなぎっているのだ。



ようやくここでひと呼吸を置いて「今年もここに必要とされることを嬉しく思います」、「やかましい音楽がひっきりなしに鳴ってます。最高ですね」とGENが語りかけつつも、血気盛んな彼らは「一緒に戦える？」と呼びかけてすぐさま「message」を叩きつける。高ぶりが止まらないのだろう。HIROKAZが巧みなプレイも見せた「My HERO」でも勢いは衰えることなく、巨大なエネルギーを受け取った観客のモッシュやダイブも激しさを増すばかり。ライブだからこそ生まれる共鳴が何とも気持ちよかった。

また、少しだけ曲間を空けてドロップしたのが「Galapagos II」と「Galapagos」。彼らの雑食性が色濃く反映されたミクスチャーナンバーであり、目まぐるしい展開で情報量も多いのだが、踏み込めば彼らの精神性やスタンスを知れるシリーズ曲だ。このステージだからこそ、という意味も感じられるセレクトであろう。


そして、改めてGENがオープニングアクトで出演したことを思い返しながら「このフェスに必要とされ続けるバンドでありたい」と気持ちを口にし、パンクロックへの想いと自分たちの在り方を続けていく。

「パンクが何かっていうのは人それぞれあると思うんですけど、僕にとって刺さったら抜けないモノだと思ってて。コロナのときとか、社会も変だし、自分の状態も上手くコントロールできなかったけど、やっぱり昔刺さって抜けなかったパンクロックに凄い助けられたし。好きでいて良かったなと心から思った。（パンクロックは）社会とか世界を変えるレベルミュージックだと思ってるんで、僕らの音楽も誰かにとってそうであればいいなと思ってます」――GEN

そう胸の内を語った後、自然体で自分たちらしさを開放した「Squall」を引き締まった表情でプレイ。軽快なポップチューンでありながらもどこか切ないフォーリミ節が満載な曲でクライマックスへ向けて会場の温度をさらに上げ、GENの「今日イチのてっぺん、いきましょう！」という号令からいつだって始められるんだという決意の曲「Buster call」をラストナンバーとしてドロップ。いつだって牙を剥く準備はできているのが04 Limited Sazabysというバンドに他ならない。パンクロックが持つサウンドと精神性をしっかりと轟かせたステージだった。


取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎瀧本“JON”...行秀