【ライブレポート】lecca、Zeppツアー東京公演「みんなには自由になってほしい」ゲストに遊助

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leccaが7年ぶりのアルバム『LIBERTY ERA』を引っ提げて、5月10日・愛知・Zepp Nagoya公演を皮切りに、5都市のZeppを巡っている<lecca LIVE TOUR 2024 "LIBERTY ERA”>。その折り返し地点となった3公演目が、5月18日・東京・Zepp DiverCity(TOKYO)。スペシャルゲスト・遊助も登場したこの公演の模様をレポートする。

◆ライブ写真

ステージを覆っていた黒い幕の向こう側から聞こえてきた歌声。幕が左右に開くと、ステージの中央で一心に歌っているleccaの姿が、逆光のライティングで浮かび上がった。

バンドメンバーたちの演奏が少しずつ合流しながら届けられた1曲目「マクアケ」を経て2曲目「GAME」に突入すると、一際力強く響き渡った歌声とバンド演奏。2015年にリリースされたアルバムのタイトル曲「前向き」も絶妙なポイントで披露されつつ、最新アルバム『LIBERTY ERA』の収録曲たちが活き活きと躍動していった。

《さぁ遠慮しないで はぐれていけ》という言葉が鮮烈に迫ってきた「コペルニクス」。終盤に差し掛かったところで観客の大合唱も加わった「SIGN」……序盤の時点で既に心を強く動かされずにはいられなかった。


「頑張って一生懸命に生きていて、自分で選択して道を歩いてきて、想像と違う方向に行っちゃうこともあるわけじゃないですか? 35歳くらいまではもうちょっと頑張っていいよ。40歳以上の人は、もう無理だから頑張らないで(笑)。45歳以上の人は、ゆっくりしてて。無理はしない。自分を甘やかすのも大事だし、一番大事なのは自分を認めてあげること。『LIBERTY ERA』のツアーですから、みんなには自由になってほしいんです。大人になればなるほどがんじがらめになりますけど、思い出してみて。自分が、どんな時に一番笑っているか」

アルバム『LIBERTY ERA』に込めたメッセージを、改めてMCで届けていたlecca。その言葉を噛み締めてから聴いた「灯」と「おつかれさん(short ver.)」は、とても温かく胸に迫ってきた。

2010年にリリースされたアルバム『パワーバタフライ』の収録曲でライブアレンジされた「君にとどけ」が『LIBERTY ERA』のメッセージと鮮やかにリンクした後の小休止で、「100人の内の99人が否定したとしても、1人が肯定してくれたら人は頑張れる」という旨を実体験を踏まえて語ったlecca。

彼女の良き理解者であったディレクターが約2年前に他界し、どこを目指したらいいのかわからなくなった時期を経て完成したのが、『LIBERTY ERA』なのだという。

「私は昔から音楽が好きで、このへんてこな曲で“人の心に灯りをともすんだ”とか、それくらい思って曲を作ってたの。それが私の初心。この2年間の中で、私は最初に見た景色、夢見た景色、初心を思い出すことにしたんです。一緒に帰りましょう。初心に」

この言葉が添えられた「スタートライン」は、ブレスを入れることも忘れているかのように響かせる歌声が雄々しかった。続いて、野性的なサウンドを躍動させた「start up」。そして「ohayo-gozaimasu」がスタートして、ステージに現れたダンサーチームが観客を大喜びさせた。この曲のMVでお馴染みのERIKA、motoco、NANA、MAI、Nattsun、ARISA、SANAE、7人各々の個性が光るダンスパフォーマンスが曲と一体となり、客席内で掲げられたたくさんのタオルが勢いよく回転。ついに実現した共演をleccaも大喜びして、「やばい! なんだ、この人たちは!」と興奮を言葉に滲ませていた。


「やばいついでに、もう1人のやばい人を!」とleccaが言った直後、明るい歓声を浴びながら登場した遊助。彼と一緒に歌ったのは、「Never Ever」だった。「Never Ever 遊turing lecca」というタイトルでリリースされたこの曲が、leccaのライブで披露されたのは今回が初。歌声を交わし、時にはユニゾンで歌う2人の楽しそうな姿に和まされた。

そして、「めちゃくちゃ忙しいよね? よく受けてくれました」(lecca)「とんでもございません。あなたから呼ばれたらすぐに行きますよ」(遊助)というやり取りから始まったMCタイム。遊助が出演している大河ドラマ『光る君へ』やレギュラー番組の『ひるおび』の話。5月18日は「ことばの日」。「上地雄輔(かみじゆうすけ)」の前後の文字をとると「自由(じゆう)になる」……などなど、話題はどんどん広がっていった。

「テレビに出てる人の喋りは速すぎてついていけない」とleccaに言われた遊助が、「よく言うよ! さっき、モニターでMCを聞きながら、“あいつ、よく喋るなあ”って思ってたんだから!」と返して、観客は大爆笑。テンポの良いトークでも大いに楽しませてくれた共演だった。

「私は人に恵まれてる。みんなも本当にありがとう」という言葉と共にスタートした「For You」は、身体を揺らしながら耳を傾ける人々を、とても穏やかに包んでいた。続いて、イントロが始まるや否や歓声が上がり、2人のダンサーも加わったパフォーマンスが観客を大盛り上がりさせた「My measure」。そして「バタフライエフェクト」を導火線として雪崩れ込んだ「ちから」が、猛烈に心地よかった。座っていた椅子から一斉に立ち上がり、自由なスタイルで音に身を任せて踊った観客。明るいエネルギーが広がる客席の全体を眺めながら、leccaは心底嬉しそうな表情を浮かべていた。

そして本編ラストを飾ったのは「素晴らしい人生」。誰に何と言われようが自分の人生は自分のものであり、自由に楽しみながら生きていいのだと歌うこの曲は、ライブで聴くと一際深く胸に沁みた。アウトロが鳴り響く中、「勇気を持って、胸を張って、自信を持って。これまでは、全部序章かもしれない。本当の幕が開いてこれから始まるのかもしれないから、楽しみにしててね! またね!」という言葉を残してステージを後にしたlecca。全身を輝かせるかのように歌う彼女の存在自体も、大きなメッセージを帯びていることを再確認させられる印象的な場面だった。


アンコールを求める観客の手拍子と大合唱に応えてステージに戻ってきたバンドメンバーの演奏がスタートすると、「奇跡」を歌いながらleccaも再登場。掲げた腕を一斉に揺らす観客が、とても平和な空間を作り上げていた。歌い終えた後、音楽をやっているからこそ出会えたあらゆる人々に心から感謝をした彼女。バンドメンバー・DJ DAISHIZEN(DJ)、YOTA(G)、KUUBO(B)、ツノケン(Dr)、Mi3(Key)、ダンサーのMAIとSANAEを改めて紹介した姿からは、共にステージを作り上げることができた喜びが真っ直ぐに伝わってきた。

そして、「自分が何をしたいか。そっちの方へ舵をきってあげてください。幾度、私はこの音楽でそれを教えられたか。何度仲間たちに手を引っ張ってもらったかわからないです。みんなも仲間、家族、大事な人を大切にしてください。時間は永遠ではないですからね」という言葉を経て、「紅空」がスタート。ピアノ伴奏と歌から始まり、他の楽器が合流すると、アンサンブルの熱量が一気に高まった。観客が回転させるタオルが巻き起こした風が心地よい。屋内会場のライブであることを忘れそうになるくらい開放的なムードで会場が満たされていた。

全曲の演奏を終えると、ステージ上で一列となったlecca、バンドメンバー、ダンサー、スペシャルゲストの遊助。繋いだ手を掲げてお辞儀をした彼らを特大級の拍手と歓声が讃えた。こうして終演を迎えた東京公演。爽やかな余韻を噛み締めながら会場を後にすることができた。6月1日の福岡・Zepp Fukuoka公演、6月8日の札幌・Zepp Sapporo公演でも、彼女の歌声が観客の心を温かく鼓舞するだろう。

現在イープラスでは、札幌公演のチケットを販売中。さらに、ソールドアウトしていた福岡公演 2階後方スタンディング席の追加販売が決定。5月22日18時から先着販売が開始となる。


<lecca LIVE TOUR 2024 "LIBERTY ERA">

[愛知]※終了
日程:5月10日(金) 開場 18:00 開演 19:00
会場:Zepp Nagoya
ゲスト:MEGAGORN

[大阪]※終了
日程:5月11日(土) 開場 15:30 開演 16:30
会場:Zepp Namba
ゲスト:MUNEHIRO

[東京]※終了
日程:5月18日(土) 開場 15:30 開演 16:30
会場:Zepp DiverCity (TOKYO)
ゲスト:遊助

[福岡]※スタンディングチケット追加販売決定
日程:6月1日(土) 開場 15:30 開演 16:30
会場:Zepp Fukuoka
ゲスト:PANG

[北海道]
日程:6月8日(土) 開場 15:30 開演 16:30
会場:Zepp Sapporo
ゲスト:ILMARI&SU

▼チケット情報
・一般指定チケット 8,000円(税込)
・親子チケットA (2枚セット) 12,000円(税込) ※着席指定
・親子チケットB (3枚セット) 18,000円(税込) ※着席指定

▼一般チケットはこちら
受付URL:https://eplus.jp/lecca/
受付期間:公演前日まで販売 ※売り切れ次第終了

▼その他ツアー詳細ページ
https://avex.jp/lecca/live/tour.php?id=1002398

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