leccaの6年ぶり全国ツアーが広島でファイナル、新作リリースとZeppツアーも発表
leccaの全国ツアー<lecca say hello tour 2023 ~夏休みだから会いに行きます~>が8月27日、広島・広島クラブクアトロで最終日を迎えた。そのオフィシャルレポートをお届けする。
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レゲエをベースにポジティブなメッセージを発信するシンガーソングライター、leccaの6年ぶりとなる全国ツアー<lecca say hello tour 2023 ~夏休みだから会いに行きます~>最終公演が8月27日、広島クラブクアトロで開催された。leccaはメジャーデビュー10周年を通過した2017年、東京都議会議員選挙に当選。しばらくの間、政治家としての活動に励んでいたが昨年再び音楽活動をスタート。今年に入ってからは6、7、8月と3ヶ月連続で配信シングルをリリースするなど、一気に活動のペースを上げてきた。そんな中で行われた久々の全国ツアーは全8ヶ所中6ヶ所がソールドアウト。熱い注目を集める中でのファイナルとなった。
ライブはスペイシーなSEをバックに、leccaがライムを口ずさみながら登場した。レインボーカラーの衣装に、頭には同じくレインボーカラーのエクステンション。「BLANK」「品行崩正」「How’ya feelin’」「INSIDE WARRIOR」と、いきなりビートを切ることなくワンコーラスずつ畳み掛ける。4曲立て続けの一気呵成は久しぶりに会うオーディエンスへの挨拶状だ。
「お久しぶりです。6年ぶりのツアーも最終日ということで、もう最初から淋しい気持ちです。今回はみんなのおかげでまた走っていけるという感謝の気持ちを伝えたくて。私に音楽をやらせているのは、私の音楽を好きで一緒に楽しんでくれているお客さんなんです!」
ライブ冒頭から熱く語ると、客席で涙ぐむ人が続出。「泣かないで、もらっちゃうから!」とleccaも慌てるが、それだけ彼女の復帰を待ち望んでいた人が多いという証である。次のパートはそんな“エモい”空気感を受け止めて「TODAY」「Right Direction」「前向き」と人気曲を歌い上げる。流れる涙をぬぐう人、懸命に一緒に歌う人……leccaとの再会に感極まる客席に、彼女は「幸せになっていいんだよ」と優しく何度も呼びかける。
今回のツアーは久しぶりのsay helloということで、セットリストは復帰以降の新曲とこれまでの楽曲がミックスされていた。さらにファンからリクエストを募り、マニアックな曲も挿入。いわば現在と過去、表と裏というleccaの全方位が味わえる内容である。ラガヒップホップ「北の酒場」ではステージ下に飛び降りて観客に接近し、三味線の音を使った「ミソ-gal」ではコール&レスポンスを行うなど次第に会場の温度は上がっていく。それがピークを迎えたのは7月にリリースされたばかりの新曲「ohayo-gozaimasu」。今回のツアーでは、地元のキッズダンサーを招いてleccaとの共演が行われたが、広島でも4人の小学生ダンサーが登場。ハイスピードなダンスチューンに合わせてブリッジから後方倒立回転という大技を決め、「おー!」と喝采の声が上がる。続けて披露されたアコースティックな「やるならば」ではleccaと共に観客も身体を揺らし、会場は大きなうねりに包まれた。
「私がレゲエを好きなのは懐が広くて、深くて、優しくて、あったかいところ。“こうじゃなきゃダメ”っていうメッセージじゃなく“いろいろあっていい”ってところなんです」
レゲエ風にリアレンジされた「live again」からはしっとりと聴かせるパート。今ツアーはDJ大自然(DJ)、Mi3(ミッチュリー/Key, Pianica)、YOTA(G)との4人編成で、広島公演はDJ大自然とMi3の3人編成で行い、この曲の編曲はMi3が手掛けている。次の「for you」はしっとりしたイントロからのメロディが聴き手の心を浄化する。続いてピアノの伴奏のみをバックにストレートなラブバラード「マタイツカ」を歌い切る。
本編終了前の最後のMCでleccaはひとつの告白をした。今回のツアーの前、歌を続けるどうか悩んでいたこと。しかし実際ステージに立ち、観客の顔を見たことで心配は消えていったという。「みんなの声を受けて、ここで戦っていく気にさせれらた」という。
次に歌われたのは「再生」という曲だったが、まさしく彼女にとって今ツアーはミュージシャンとして再生の過程だったのだろう。哀しみや迷い、失敗や後悔など、さまざまな経験を経て歌の懐は深くなる。6月リリースの「素晴らしい人生」で《楽しんで笑おう 何にもこわがることはないさ》と歌う彼女は人として、歌い手として、一回りも二回りも大きくなって帰って来たように思う。
アンコールでは2つの嬉しいニュースが発表された。現在アルバムを制作中で2024年にリリースすること。来年はZeppツアーを行うこと。最後は再びキッズダンサーを呼び込んで大団円となったが、「みんなが(エネルギーを)注入してくれたんで、もっととんがっちゃおうかな。次の作品はエッジィで攻撃的なものになるかも」という不敵なセリフも飛び出した。
6年ぶりのツアーで再生したleccaは、その勢いのまま加速する。最後に叫んだ「みんな、自分のこれからに期待して!」という言葉はもっとも彼女に当てはまるように感じた。
取材・文◎清水浩司
写真◎慶太郎
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