【鼎談】須賀健太×荒牧慶彦×志磨遼平(ドレスコーズ)、「『奪われた僕たち』という作品の解像度が上がった」

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▪︎この世には悪を描いた作品も必要なんです

──『奪われた僕たち』も、須賀さんにとってそういう作品だったということですね。

須賀:はい。内面はもちろん、髭とかを含めた外側も挑戦が多い作品になりました。あと、映像ディレクターの役なので僕が実際に撮影した映像も使われていて、そういう面でも今までと異なる視点から取り組むことができました。30歳になる年のタイミングで関われて、とても良かったと感じています。

──堺の鬱屈した姿が、とても生々しいです。

須賀:ありがとうございます。堺は彼主体で作ったドキュメンタリーで過去に賞を獲ったものの今は誰かの下で働いていて、それに対して彼自身も納得がいってないんです。堺が殺人を記録するのは、鬱屈しているからこその「もう一度何かを掴み取りたい」という感覚に根差しています。そういう人物をちゃんと表現したいと思っていました。

──志磨さんは悪を題材にして表現することに関して、どのように捉えていますか?

志磨:音楽、映像作品、文学といったものが何のためにあるのかと突き詰めて考えると、やはり「登場人物に自分を重ねる」ということをたくさん経験することで、いろんな人を思いやることもできるようになるんじゃないかと思っています。罪を犯した人のことや、その被害者となった方のことを思いやる。とても難しいことですが、悪をただ排除して「そんな人はいてはいけない」とむやみに断ずるのは危険だと思います。だからこの世には悪を描いた作品も必要なんです。


──『奪われた僕たち』は、エピソードを重ねる中で、光見が殺人を犯すようになった背景とかも描かれていくことになりそうですね。

荒牧:描かれていきますね。なぜ彼がこんなことになっているのか? その真相が明かされていきます。

須賀:堺は光見にどんどん惹かれていて、あのふたりの間の感情の揺れ動きが、どんどん描かれていきます。最終話まで、ぜひ楽しんでいただきたいです。

荒牧:どの瞬間、シーンにも意味があるので、隅々まで見逃さないでいただきたいですね。

須賀:「キラー・タンゴ」が流れるタイミングも個人的な楽しみです。僕、自分が出演していない作品も、「どのシーンで主題歌が流れるかな?」ってよく考えるんです。

荒牧:「このタイミングかな?」ってあるよね?

須賀:はい。そういうのを探るのも楽しいです。

志磨:作った曲が思わぬタイミングで流れるのは、贅沢な喜びです。

(c)「奪われた僕たち」製作委員会・MBS

──この3人が集まる機会はとても貴重ですので、何かお互いに質問したいことはありますか?

須賀:僕は父親と毛皮のマリーズの「ビューティフル」をよく聴いていたんです。

志磨:おぉ!なんと。ありがとうございます。

須賀:父親が送り迎えをしてくれていた時期があって、車で一緒に聴きながら家に帰ったりしていました。撮影現場で志磨さんと2ショット写真を撮って、父親に送りました。お会いできて本当に嬉しいです。

志磨:こちらこそです。どうかお父様にもよろしく(笑)。

須賀:主題歌を書き下ろしていただいて、父親も喜んでいました。

──毛皮のマリーズが車の中で流れるって、素敵な家庭ですね。

須賀:音楽の英才教育です(笑)。

──(笑)。荒牧さんは、志磨さんに質問したいことはありますか?

荒牧:曲が全然作れなくて、どうにかなってしまいそうなことはあるんですか?

志磨:曲は書けるんです。でも歌詞は悩みますね。書けないっていうことはないんですけど、「うーん……」って唸りながら書いています。

荒牧:曲は、どこで考えるんですか? 家やカフェとか?

志磨:家です。

荒牧:「作るぞ!」って?

志磨:そうです。締め切りがあって追い詰められないとできないタイプです(笑)。他のミュージシャンの方が「いつでもアイディアが湧いたら録音して、それをストックしておく」っていう話をよく聞きますけど、そういうのができないんです。

荒牧:「キラー・タンゴ」の制作時間は、どれくらいだったんですか?

志磨:曲は、1日か2日です。

須賀:すごい!

志磨:そこから歌詞を唸りながら考えて、トータルで4、5日です。

イラスト・宮脇周作

──「キラー・タンゴ」は、ジャケットが目を引きますね。

志磨:このジャケットは、法廷画を描いていらっしゃる画家さんにお願いしました。法廷の中では写真撮影ができないので、報道機関がニュースに使うための絵を描く方がいらっしゃるんです。その法廷画家さんに僕を描いていただいたら、とても罪深い感じのジャケットが出来上がるんじゃないかと(笑)。このジャケットを描いてくださった宮脇周作さんは、法廷画でとてもお忙しい方なんです。

須賀:そうだったんですね。

荒牧:いろんな裁判に行って描いていらっしゃる画家さんなんですか?

志磨:そうなんです。それぞれの報道機関に専属のようなかたちでいろんな画家さんがいらっしゃるらしいんです。宮脇さんは関東一円くらいまでの裁判を担当されてるんですって。興味深いお話をたくさん伺いました。

荒牧:このジャケットの絵、音楽室に飾ってあったら、普通に馴染みそうですね。

須賀:モーツァルトみたいな偉人の雰囲気があります。

志磨:おそろしい犯罪をしそうな雰囲気でもあります(笑)。

取材・文◎田中 大
撮影◎淵上裕太

リリース情報

「キラー・タンゴ」
2024年4月10日(水)配信
配信リンク:https://dress.lnk.to/TANGOPR

楽曲シェアキャンペーン
対象期間:2024年4月12日(金)12:00~2024年5月19日(日)23:59
景品内容:「奪われた僕たち」の非売品告知B2ポスター
詳細URL:https://evilamag.com/news/post/8822/

ドラマ『奪われた僕たち』

【出演者】須賀健太 荒牧慶彦/志磨遼平 高田里穂 向里祐香/渡辺哲/福澤侑
【主題歌】 ドレスコーズ「キラー・タンゴ」(EVIL LINE RECORDS)
【企画】 Pasture×KING RECORDS
【監督】 針生悠伺 佐藤竜憲 山口雄也
【脚本】 我人祥太
【制作】 ホリプロ
【製作著作】 「奪われた僕たち」製作委員会・MBS

【放送情報】
MBSドラマフィル枠にて2024年4月11日(木)より放送開始!
MBS(毎日放送) 2024年4月11日(木)より毎週木曜深夜1:29~
テレビ神奈川 2024年4月11日(木)より毎週木曜深夜1:00~
テレ玉 2024年4月15日(月)より毎週月曜深夜0:00~
群馬テレビ 2024年4月16日(火)より毎週火曜深夜0:30~
とちテレ 2024年4月17日(水)より毎週水曜深夜1:00~
チバテレ 2024年4月18日(木)より毎週木曜よる11:00~
【公式HP】 https://www.mbs.jp/ubawareta_bokutachi/
【公式X】https://twitter.com/ubabokuofficial 
【公式Instagram】https://www.instagram.com/ubaboku_official/

ドレスコーズ ライブ・イベント情報

<EVIL LINE RECORDS 10th Anniversary FES.“EVIL A LIVE” 2024>
開催日時:2024年5月4日(土)
開場/開演:16:00 開場 / 17:00 開演
開催場所:東京ガーデンシアター(東京都江東区有明2-1−6)
出演者:イヤホンズ、ODDLORE、月蝕會議、小林私、サイプレス上野とロベルト吉野、七人のカリスマ声優、高岩遼、Division Leaders from ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-、特撮、ドレスコーズ、Bimi、ももいろクローバーZ(五十音順)
イベント詳細:https://evilline.com/evilalive2024/

・チケット
一般先着好評発売中

・会場観覧チケット
料金:指定席 ¥12,000(税込)

・PPV付きチケット(指定席+配信チケット)
料金:¥16,400(税込)

・ABEMA PPVチケット単体
チケット購入期間:1月26日(金)18:00 ~ 5月11日(土)20:00
見逃し配信期間:5月4日(土)生配信終了後 ~ 5月11日(土)23:59
料金:¥5,500(税込)

お問い合わせ
HOT STUFF PROMOTION
https://www.red-hot.ne.jp
TEL:050-5211-6077(平日12:00〜18:00)

<ドレスコーズ+フー・ドゥ・ユー・ラブ>
開催日時:2024年5月27日(月)
開場/開演:16:00 開場 / 17:00 開演
開催場所:渋谷QLUB QUATTRO(東京都渋谷区宇田川町32−13)
出演者:ドレスコーズ、フー・ドゥ・ユー・ラブ
ライブ詳細:https://dresscodes.jp/gigs/

チケット料金
前売り ¥4,800 当日 ¥5,300(共にドリンク代別)

チケット一般発売日
2024年4月13日(土)10:00〜

問い合わせ
HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999(平日12:00〜18:00)

<YATSUI FESTIVAL! 2024>
開催日時:2024年6月16日(日)
開場:11:30 開場
開催場所:Spotify O-EAST / Spotify O-WEST / Spotify O-nest / Spotify O-Crest
duo MUSIC EXCHANGE / clubasia / LOFT9 Shibuya / WOMBLIVE / 東間屋
ライブ詳細:「YATSUI FESTIVAL! 2024」オフィシャルサイト
https://yatsui-fes.com/

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