【インタビュー】ACIDMAN 大木伸夫 × ATENOTE、「国産材で楽器を作れないか?」という価値創造
「“国産材で楽器を作れないか?”って思ったんです。これまで木材は、大量に手っ取り早くさばけるから建築に使われてきたんです、たとえ安くても。でも楽器に使うような木はもっと価値が高い。そういう需要があれば木を切る人も、もっと張り合いが出る」──木材会社フルタニ・ランバー 古谷社長
◆ ACIDMAN 大木伸夫 × 古谷隆明社長 画像
どの楽器も木で出来ている。ギター、ベース、ドラム、どれもが。だから「このギターのボディはアッシュで」とか「指板はエボニーで」などと、木の名前が飛び交ったりする。でももう一歩踏み込んで、その木の産地となると、これは大半の人が知らない世界だと思う。
ところがそこに疑問を抱いたバンドマンがいる。バンドマンと言っても本業は金沢で100年以上の歴史をもつ木材会社フルタニ・ランバーの若社長、古谷隆明氏だ。木材と楽器の両方をよく知っている彼はあるとき、“なんで国産材のギターがないんだろう?”と思ったのだそうだ。そしてそのことと、非常にやばい日本の林業の現状が結びついた。
「最近、よく里に出てきた熊の被害がニュースになりますよね。あれ、森が荒れて居場所がないからなんです。荒れてる原因は林業に携わる人の高齢化もあるけど、木の値段が驚くほど安いことも関係してるんですよね」──古谷社長
単価が高い木材の需要があれば、状況の改善にも役立つ。ということで古谷社長が考えたのが地元・能登のヒバ材を使った楽器プロジェクトだった。題して『ATENOTE』(アテノオト)。ヒバを意味する地元の言葉“ATE”と音を意味する“NOTE”を掛け合わせたネーミングだ。プロジェクトのオフィシャルサイトを見るとエレキ、アコギ、ドラムはもちろんのことクラシックや民族楽器まで、すでに多数の楽器メーカーがヒバ材製の製品を作っていることがよくわかる。
あとは、これらがミュージシャンの間でどれだけ広まっていけるか。そこで相談を受けた筆者の頭に真っ先に浮かんだのがACIDMANの大木伸夫の顔だった。ギタリストで、環境のことも語れて、プライベートでも木のことを愛している節がいろいろと窺える彼。「こうしたテーマでインタビューさせてもらえないか?」というオファーに、彼は即答でOKをくれた。その後、実は古谷社長が学生時代からACIDMANの大ファンだということを知った。「昨年の<This is ACIDMAN 2023>演奏曲も、もちろん全曲知ってましたよ」と言うくらいに。
取材日程が決まり、まず事前にヒバ材で作られたエレキとアコギを1本ずつACIDMANのプライベートスタジオへ送って試奏してもらったところ、非常に高評価だった。そして2023年末にインタビュー。ここでは幼少期にまで遡って、自分と木の関わりについて深く語ってもらった。すると“ああ、だからギターも”と思わせる発言も多々あったのだ。
たとえば、「木のように長く耐える、ずっと使えるものが好きなんです」という一言。同じ楽器を何十年と使い続ける彼の基本姿勢がそこにあった。また、「木の魅力は歳を得てさらにカッコよくなっていくこと。自分が使うことで新品がビンテージになっていくのが好き」だと言う。「だから、ギターはいつも新品を買ってるんです」と。
取材現場では本人の要望で、改めてヒバ材を使ったアコギ(Headway HD115 ATENOTE)を試奏する場面もあった。
「うん、やっぱりいいなあ。ここ(ギター自体)が鳴ってるのがすごくよく分かる。ネックの幅、厚み、仕上げもすごくいいし」──大木伸夫
試奏してもらったのはマスタービルダーが作ったものだけにそれなりの値段(約60万円)だったが、「レコーディングでもぜひ使ってみたい。それで良かったら買いたい」と言っていた彼。すでにアコギは何本も持っているそうだが、このブライトな鳴りを持つギターには何かを感じたようだ。
このインタビューの全貌はATENOTEオフィシャルサイトに掲載されている。彼でしか語り得ない縦横無尽な内容で。折しもヒバの産地・能登を襲った大地震。被災地とそこで林業にたずさわる方々を力づける意味でも、ぜひ注目いただきたい。
取材・文◎今津 甲
■能登ヒバ楽器プロジェクト『ATENOTE』とは
ATENOTE(アテノオト)は能登ヒバ(別名:档/アテ)を使用して楽器をつくり、“人”と“自然”をつなぐ地域材活性化プロジェクトです。能登ヒバを産出する里山は、人と自然が長い年月をかけて親しく寄り添い、築き上げた財産です。しかし近年の国内産木材需要の低下や後継者不足によって、里山の豊かな循環に大きな乱れが生まれ始めています。この先の未来も自然とひとつとなって歩み続けるために、ATENOTEは様々な楽器メーカーと協力し、清らかな里山の音を世界に響かせます。
ATENOTEは石川県の県木「能登ヒバ(アテ)」を活用して楽器メーカー様と共に様々な楽器を製作しています。自らがブランドとして楽器を販売することではなく、メーカー様へ材料として能登ヒバを活用することを提案し、その価値を共有することが目的です。能登ヒバの性質を検証し、新たな利用価値を創造します。
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■シングルCD「輝けるもの」
配信リンク:https://acidman.lnk.to/shiningPR
▲初回限定盤
【初回限定盤(CD+DVD)】TYCT-39220 / ¥4,950(税込)
※紙ジャケット仕様
▼CD収録内容
1. 輝けるもの ※映画『ゴールデンカムイ』主題歌
2. 輝けるもの (Instrumental)
▼DVD収録内容
<This is ACIDMAN 2023>at Zepp Haneda (2023.10.30)
・to live
・造花が笑う
・FREE STAR
・Rebirth
・スロウレイン
・赤橙
・リピート
・季節の灯
・アルケミスト
・彩-SAI-
・Λ-CDM
・ALMA
・EVERLIGHT
・世界が終わる夜
・夜のために
・ある証明
・飛光
・廻る、巡る、その核へ
・式日
・Your Song
▲通常盤
【通常盤(CD)】TYCT-30143 / ¥1,320(税込)
※紙ジャケット仕様
▼CD収録内容
1. 輝けるもの ※映画『ゴールデンカムイ』主題歌
2. 輝けるもの (Instrumental)
3.「Rebirth」Live Track from <This is ACIDMAN 2023 at Zepp Haneda (2023.10.30)>
4.「ALMA」Live Track from <This is ACIDMAN 2023 at Zepp Haneda (2023.10.30)>
■映画『ゴールデンカムイ』
▼出演者
山﨑賢人
山田杏奈 眞栄田郷敦 工藤阿須加 栁俊太郎 泉澤祐希/矢本悠馬
大谷亮平 勝矢/高畑充希
木場勝己 大方斐紗子 秋辺デボ マキタスポーツ
玉木宏・舘ひろし
原作:野田サトル「ゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
監督:久保茂昭 脚本:黒岩勉
音楽:やまだ豊
主題歌:ACIDMAN「輝けるもの」(ユニバーサル ミュージック)
アイヌ語・文化監修:中川裕 秋辺デボ
製作幹事:WOWOW・集英社
制作プロダクション:CREDEUS
配給:東宝
(c)野田サトル/集英社 (c)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
公式サイト:kamuy-movie.com
公式X(旧Twitter):@kamuy_movie
公式Instagram:@kamuy_movie
公式TikTok:@kamuy_movie
(c)野田サトル/集英社 (c)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
■WOWOW番組『ACIDMANワンマンライブ「輝けるもの」』
※放送終了後~1ヵ月間アーカイブ配信あり
[WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
・収録⽇:2024年2⽉6⽇(火)
・収録場所:TOKYO DOME CITY HALL
番組ページ:https://www.wowow.co.jp/music/acidman
【特集:劇場公開記念!ゴールデンカムイSP】
▼2月27日(火)
午後7:00 ACIDMANワンマンライブ「輝けるもの」
午後8:30 絶賛公開中!映画『ゴールデンカムイ』公開記念特番 主題歌編
午後8:40 絶賛公開中!映画『ゴールデンカムイ』公開記念特番 完全版
※都合により、番組名、放送日時、内容を変更する場合があります
■<ACIDMAN LIVE in FUKUSHIMA 2024>
▼チケット
8,800円(税込)
※6歳以上有料。お席が必要な場合は6歳未満も有料となります。
※ライブ収益は全額「東日本大震災ふくしまこども寄附金」に寄付されます。
■全国ホールツアー<ACIDMAN LIVE TOUR “ゴールデンセットリスト”>
5月19日(日) 北海道・道新ホール
5月30日(木) 埼玉・ウェスタ川越 大ホール
6月16日(日) 石川・金沢市文化ホール
6月28日(金) 愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
7月12日(金) 宮城・トークネットホール仙台 (仙台市民会館)
7月19日(金) 岡山・岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場
8月11日(日) 東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
8月16日(金) 福岡・ももちパレス
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