【インタビュー】MOCKEN、1stアルバムにバンドマンの真実「歌ってる自分に嘘があったら、僕はバンドを続けられない」

■この期間に自分が何をやれるのか
■どれだけ成長できるのか、楽しみたい

──そういうスタンスが投影されているのが「LAMP」ですよね。歌詞ではバンドをやっていく上で生まれる葛藤をぶちまけてて。

永野：そうですね。そのままを全部書きました。

──昨今の風潮として、歌詞に共感性を重視するところがあるじゃないですか。でも「LAMP」は、偏った気持ちかもしれないけど、それが誰かの歩く道を照らす灯りになるかもしれない。バンドの精神性が詰まった曲だと思いました。

永野：“MOCKENとして、一番根っこになる曲はどれですか？”と聞かれたら、「LAMP」かもしれないです。

──“♪やりたい音楽とか 誰も興味ないから”、“♪売れる為だけに割り切らなきゃかい？”という歌詞は象徴的ですけど、バンドマンとしてそういう悩みもあったりします？

永野：死ぬほどあります。

宇佐美：「ヘッドフォン・ガール」とかは、ちょっとフックを意識したりしてて。

永野：歌ってること自体に嘘はないんですけど、歌詞表現の仕方としてはそこを考えたり。

──引っかかる部分をどう作るかという。

永野：そうです。二番Aメロの気持ち悪い歌詞とかはレコーディング直前まで何度も書き直したり。マネージャーともよく話すんですけど、僕たちのやりたいことって時代と逆行してるのかもしれない。おっしゃるとおり、現代音楽に共感性が求められるっていうことは百も承知な上で、そもそも歌ってる自分を好きになれなかったら、自分に嘘があったら、僕はバンドを続けられないんですよ。

──たしかにそうですね。

永野：そういうことに対しては…バンドマンとしてあまり使いたくない言葉ですけど、上手い塩梅でやっていかないとって。「LAMP」の歌詞を書いて消化した感じにはなってますけど、たぶん死ぬまで悩んでいくんだろうなと思います。

──そういったマイノリティな気持ちを共有しやすくなるのもSNS社会だったりするじゃないですか。100万人が頷くことではないかもしれないけど、確固たる想いを提示してくれるバンドが必要な人は絶対にいますし。だから、評価されたら嬉しい曲ですよね。

永野：「LAMP」が好きだって言ってくれる人に対しては、“お前とは一緒だよ”って思う（笑）。

横山：うん。わかってくれてるんだなって。


──そして、3月からは東名阪リリースツアー＜MOCKEN 1st full album『STAND BY ME』Release Tour “STAND BY YOU tour”＞がスタートします。

永野：リリースツアーは東名阪に絞って、ロングセットでやります。この取材時点ではまだ発表してないですけど、ツアーファイナルとして5月11日に渋谷Spotify O-Crestでの初ワンマンを予定していて。正直、ワンマンはめちゃめちゃ怖い（笑）。今アプローチの仕方を考えてるところです。

──いい流れを作って初ワンマンにつなげたいですね。

杉山：現状は不安しかないんですけどね（笑）。でも、そんな不安はライブが迫ってくればなくなって、カッコいいライブをするだけっていう気持ちになるんです。一生懸命に頑張りつつ会場を満杯にしたい。

横山：まず、O-Crestでワンマンできることが嬉しいです。バンドをやる前から＜ムロフェス＞に出ているバンドとかを観に行ってた会場だし、憧れもあるので。ワンマンを成功させる＝ゴールじゃなくて、次へ向かうスタート地点にしたいなって。

宇佐美：初ワンマンだからもちろん緊張するんですけど、結局、バンドとしてやることは変わらないので。ツアーもイベントライブも含めて、この期間に自分が何をやれるのか、どれだけ成長できるのかを楽しみたいと思います。

──MOCKENのライブって、曲をキレイに再現するのではなく、気持ちを爆発させてますよね。そういうライブが理想ですか？

永野：すかしてみても、そんな自分を嫌いになって、その後はライブに身が入らなくなってしまうと思うので。作品は作品として丁寧に作りますけど、実際にライブ演奏するとなったら、できるだけデカい音でやりたいんです。

取材・文◎ヤコウリュウジ




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