【インタビュー】プッシュプルポット、最新作『生き抜いたその先で』から見えるバンドの信念「“生きることを歌っていたんだ”と気づいた」

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◾️ファイナルの金沢 EIGHT HALLを最高の状態で迎えたい

──リード曲の「生きていけ」についても聞かせてください。

山口:何があったわけでもないのに“死にたい”とか“消えたい”と思う瞬間って、生きているとあるんですよね。コロナがピークのとき、僕は大学にもぜんぜん行かず、実家に帰ってこさせられて。ほとんどどこにも出かけない、月に1回靴を履くかどうかくらいになっちゃったことがあって。

──引きこもってしまったというか。

山口:まさにそうでしたね。でも今となっては、そんな経験があったから生きていてよかったと思えるんだろうなって気持ちなんです。“あの日の君を否定しなくていいよ”という想いも込めた曲で、《泣いてる君を見つけた『ただ死ぬまで死なないで』》の部分は過去の自分へのメッセージだったりもしますね。

明神:わりと長く帰ってたよね。半年くらいか。



──そのときはバンド活動も当然できなかったわけですよね。

明神:ほぼ何もしてませんでした。コロナ禍で活動できない時期と重なったのは、不幸中の幸いだったよね。

堀内:僕らはその間に“なんとか帰ってきてよ〜!”って感じでした。

明神:めっちゃ漢気のあるエピソードなんですけど、ぐっちが金沢へ戻ってくるために借りる家の初期費用を、拓也が全部出してくれたんですよ。

──すごい!

山口:20万円くらいね。まだ返してないです!

堀内:それもすごいわ!

明神:お金を出したことも、あまり大っぴらに言ったりしないんですよ(笑)。

桑原:そのときはたまたまお金があったんだよね。

明神:漢気ありすぎやろ!

山口:拓也さんのおかげで戻ってはこれたけど、すぐにライブをするわけでもなかったよね。

明神:でもホッとしたよ、また活動できる感じになったのは。そのあと『NIPPON CALLING』のオーディションに応募してグランプリが獲れたのをきっかけに、バンドとして復調していったから。

山口:STAY FREEEE!!!!!!!!レーベルにも入れてね。だから“死にたい”“消えたい”があった超低迷期を経ての今なんです。


──思い入れもひとしおの曲というか。

堀内:いろいろあったことを考えると、本当にそう思います。

桑原:「生きていけ」はドラマチックアラスカのさわやん(サワヤナギマサタカ)さんにプロデュースで入ってもらって、いっしょにギターのフレーズを考えたりしたんですけど、外部の方を迎えるのも初めての試みだったし、自分にない引き出しを知れてすごく勉強になりました。

山口:新しいことをやりたい気持ちが強かったんです。「生きていけ」も一通りできていたけど、もうちょっと遊びが欲しかったので、誰かに入ってもらうアイデアが出たんですね。で、いっしょにやるなら、プッシュプルポットのことをわかっている人がよかった。やっぱり今までの自分たちも尊重して残してくれるというか、急に魔改造されちゃったら困るし(笑)。会話のキャッチボールができる人にお願いしたくて。

明神:さわやんさんを選んだ理由は、俺たちの根がコミュ障だからなのもありますね。初対面の人だと、言いなりになっちゃう恐れがあるんで(笑)。

山口:ね。強く言われたら、たぶん従っちゃうもんな(笑)。そういうプロデュースじゃやる意味がないし、次に活かせないですから。

──もともとコミュニケーションを取りやすい間柄だったわけですね、さわやんさんは。

山口:ライブの共演経験もあるし、何より同じレーベルで僕らのことを普段から見てくれている先輩なので、安心して作業できましたね。

──《生きていて良かったって》の部分は、フラワーカンパニーズ「深夜高速」へのリスペクトも込めた歌詞ですか?

山口:もちろん、そうです。「深夜高速」の《生きててよかった そんな夜を探してる》を聴きながら“俺のそれはいつなの?”とよく思っていたので、自分なりの答えを「生きていけ」に書いてみました。

──これからのリリースツアーを通して、バンドはまだまだ変わっていきそうですね。

山口:今のところかなりいい感じでやれていて、反省もしながら日々成長できているので、このまま楽しく駆け抜けたいです。

明神:この取材の時点では対バンが7本終わったところですけど、2月中旬のワンマンが始まる頃には相当仕上がっていると思います。まだ20本あるって、今回めっちゃたくさんライブあるよね。


──プッシュプルポット史上最多ですか?

山口:これだけ回るのは初めてですね。

堀内:多けりゃ多いほど嬉しいです(笑)。間隔が空くと、なんか気持ち悪いんで。

明神:一憲はそういうタイプだよな。ライブをやってないと病んじゃう。

桑原:楽しみですね。ワンマンはよりがんばりたいし、ファイナルの金沢 EIGHT HALLを最高の状態で迎えたいです。ソールドアウトさせたい。

山口:このインタビューを読んだ人、全員来てください!

──ツアーのあとも『ARABAKI ROCK FEST.24』『VIVA LA ROCK 2024』など大型フェスへの初出演も決まっているし、飛躍の年になることを願っています。

山口:ライブハウスだけじゃなく、フェスの現場でも力を発揮できるように成長していきたいですね。次のアイデアがもう出ていたり、「もっとこんな曲が欲しいね」みたいな話もしているので、インタビューが終わったあと、事務所のスタジオに行って曲を作ろうと思ってます。できたら、さらなる新曲もツアー中にやりたいです!

取材・文◎田山雄士

3rd mini album『生き抜いたその先で』


2023年12月13日(水)Release
価格 ¥1,980(税込)
LDSF-00013

収録曲
1.バカやろう
2.君が好き
3.Dear My Friend
4.不安定少年
5.緑色の自転車
6.少年少女
7.生きていけ

<プッシュプルポット 3rd mini album 『生き抜いたその先で』 release tour 2023-2024 "ハイエースで一騎駆けツアー">

2023年12月19日(火)千葉 LOOK 18:30/19:00
ゲスト:ircle

2023年12月22日(金)F.A.D YOKOHAMA 18:30/19:00
ゲスト(出演キャンセル):ペルシカリア

2023年12月24日(日)宇都宮HEAVENS ROCK VJ-2 17:30/18:00
ゲスト:カネヨリマサル

2024年1月9日(火)静岡UMBER18:30/19:00
ゲスト:アルステイク

2024年1月12日(金)神戸太陽と虎 18:30/19:00
ゲスト:Maki

2024年1月20日(土)富山 SOUL POWER17:30/18:00
ゲスト:kobore

2024年1月21日(日)松本 ALECX 17:30/18:00
ゲスト:KALMA

2024年2月2日(金)KYOTO MUSE 18:30/19:00
ゲスト:ammo

2024年2月14日(水)鹿児島 SR HALL 18:30/19:00
ゲスト:Brown Basket

2024年2月15日(木)熊本 Django 18:30/19:00
ゲスト:Brown Basket

2024年2月17日(土)高松 sound space RIZIN' 17:30/18:00
ワンマン公演

2024年2月18日(日)松山 Double-u Studio 17:30/18:00
ゲスト:Blue Mash

2024年2月22日(木)札幌 BESSIE HALL 18:30/19:00
ワンマン公演

2024年2月24日(土)盛岡 Club Change 17:30/18:00
ゲスト:シンガーズハイ

2024年2月25日(日)秋田 Club SWINDLE 17:30/18:00
ゲスト:シンガーズハイ

2024年2月27日(火)新潟 GOLDEN PIGS BLACK 18:30/19:00
ワンマン公演

2024年2月28日(水)仙台 enn2nd 18:30/19:00
ワンマン公演

2024年3月4日(月)水戸ライトハウス18:30/19:00
ゲスト:kobore

2024年3月6日(水)岡山 CRAZY MAMA 2ndROOM 18:30/19:00
ゲスト:Arakezuri

2024年3月8日(金)福岡 BEAT STATION 18:00/19:00
ワンマン公演

2024年3月11日(月)周南 LIVE rise 18:30/19:00
ゲスト:Arakezuri

2024年3月12日(火)出雲 APOLLO 18:30/19:00
ゲスト:バウンダリー

2024年3月14日(木)広島 ALMIGHTY18:30/19:00
ワンマン公演

2024年3月22日(金)梅田 CLUB QUATTRO 18:00/19:00
ワンマン公演

2024年3月24日(日)名古屋 CLUB QUATTRO 17:00/18:00
ワンマン公演

2024年3月28日(木)渋谷 CLUB QUATTRO 18:00/19:00
ワンマン公演

2024年3月31日(日)金沢 EIGHT HALL 17:00/18:00
ワンマン公演

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